岡崎市制100周年を市民参加で祝う!「新世紀岡崎チャレンジ100」。市民が自らのアイデアで地元の魅力を創出

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愛知県西三河を代表する中核市・岡崎


岡崎と聞いて、読者のみなさんは何を思い浮かべるだろう。
「岡崎城」「徳川家康」「八丁味噌」「岡崎花火」?最近では「オカザえもん」が全国的に有名だろうか。

愛知県で豊田市とともに西三河を代表する中核市に指定されている岡崎市は、2016年7月に市制100周年を迎えた。これを記念して2016年5月から一年間、「岡崎市制施行100周年記念事業 新世紀岡崎 飛躍祭」に取り組んでいたという。この春で一年の取り組みを終え、総括的な時期を迎える事業。その内容はどんなものとなったのだろうか。

記念事業の中身は、市の主導で行われる特別事業と、市と市民団体、企業等が連携して行う市民連携事業が挙げられている。今回はその市民連携事業として開催された「新世紀岡崎チャレンジ100」にスポットを当ててみたいと思う。
今回、市と市民をつなぐサポート窓口を担った特定非営利活動法人「岡崎まち育てセンター・りた」(以下りた)の事務局次長・三矢勝司さんにお話を伺った。


講座、ワークショップ、イベントなど市民発のプロジェクトで岡崎市の100歳を祝った「新世紀岡崎チャレンジ100」



市制100周年! 市民参加の祝祭「新世紀岡崎チャレンジ100」


「新世紀岡崎チャレンジ100」は、市民がより魅力ある街を目指して、自ら企画・実施するプロジェクト。市は一定の助成金を出してそれを後押しするという企画だ。市民からは112件の申請があり、そのうち93件が採択されたそう。

「今回の事業の特長としては”市民参加の祝祭”として、岡崎市の100歳を市民でお祝いしようというもので、≪市制100周年・100の市民プロジェクトに上限100万円≫を掲げてスタートしました。プロジェクトの条件としては

①市民参加の祝祭
②シティプロモーションの推進
③家康公との共演
の3つのうちいずれかを満たすもの。
岡崎市の100歳を市民目線でお祝いするようなテーマや、岡崎の魅力創出につながるテーマ、徳川家康公をテーマにしたものということになります。

今回の事業をきっかけに誕生した新しい団体もありましたし、企業や学生たちの参加もあり、参加者には多様性があったと思います」と三矢さんは振り返る。


「岡崎まち育てセンター・りた」の事務局次長・三矢勝司さん。「りた」では、プロジェクトの申請・決算時の事務的サポートを行ったり、現場に直接足を運んで活動を応援してきた



終活、地蔵巡り、能楽、ユニークなプロジェクト満載


なかでも印象的だったプロジェクトを三矢さんに挙げてもらった。

「家康の遺言を元に、自らのエンディングレターを考えようという、終活をテーマにしたプロジェクトや、江戸時代に流行っていたという三十六地蔵めぐりを復活させようという試みは印象的でした。実は、岡崎は京都に次いでお寺が多い街といわれていてお地蔵さんも多いんです」(三矢さん)

『岡崎三十六地蔵巡り・地図づくりの会』が制作した「岡崎三十六地蔵巡りマップ」には、「三十六地蔵ルート」や、「二十七曲りルート」など、地蔵を徒歩で巡る際のおすすめルートが記されていて、地蔵だけでなく昭和20年の岡崎空襲で焼失後、再建された寺院や文化財なども紹介されている。今回のチャレンジ100の助成金で制作したこのマップは、窓口にあった数千部がなくなるほどの人気となったそう。

また、「岡崎で狂言を楽しむ会」や、「梓屯能面の会」「能見神明宮で『能を見る』会」など、徳川家康が愛好した芸能を伝統文化として次世代に繋げようというプロジェクトが多かったのも岡崎ならではの特徴といえよう。


写真左:大人気となった「岡崎三十六地蔵巡りマップ」。開くと手描き風の地図が描かれている。右上:コミュニティシンクタンク主催の「家康塾~白熱教室岡崎」のように、家康をテーマにしたプロジェクトも。右下:家康が愛好した能や狂言にまつわるイベントも多く催された。写真は「舞台で使用される面をみんなで作って観る 薪能の集い」。(写真提供/岡崎まち育てセンター・りた)



来場者が2.5倍に! 市外への訴求も


採択された93のプロジェクトが期間中に開催したイベントは300に上り、延べ9万7,000人が参加した。さらに、それを支えた市民スタッフが約7,000人と、まさに“市民パワー炸裂”の内容となった。

規模が大きかったものだと、今年の2月に開催された「ENERGY FES.~繋がる未来 世界の子供たちへ Rockだぜーーー♪」という音楽フェスで、5,000人を超える集客があったという。
歌手の平原綾香さんが父でありサックス奏者の平原まことさんと一緒に、岡崎混声合唱団とコラボレートしたり、雅楽の名手・東儀秀樹さんが岡崎葵雅楽団と共に演奏、「百万本のバラ」のヒットで知られる歌手の加藤登紀子さんが、岡崎マンドリンアンサンブルと共演するなど、アーティストと地元岡崎の団体が一緒に作り上げる祭典となっていた。

また、『岡崎トレラン実行委員会』が実施した「トレランフェスin岡崎」は、特に市外からの参加者が多かったという。トレランとは、トレイルランニングのことで、舗装されていない道を走るアウトドアスポーツ。全国に愛好者がいて、今回は東京・大阪からのエントリーが多かったそうだ。
ほかにも岡崎三大祭のひとつ「神明宮大祭」では、来場者がくつろいで山車や舞を観覧できる「O・MO・TE・NA・SHIゾーン」を設置。電車の吊り広告を活用したことで従来の来場者数2,000人のところ、今年は2.5倍の5,000人が訪れたという。


第一線で活躍している岡崎出身のアーティストやミュージシャンらを迎えて盛大に開催された音楽の祭典「ENERGY FES.」。出演者全員がステージに集まり感動のフィナーレを迎えた。(写真提供/岡崎まち育てセンター・りた)



次の新世紀岡崎につなぐ大きな一歩


「市制記念事業というと、行政が一発大きなイベントを打ち上げてにぎやかして終わってしまうというパターンが多いと思うんです。でも今回は、市民自らが自分たちのアイデアでお祭りを盛り上げようというテーマで、本当にたくさんの市民の方に参加していただきました」と三矢さん。
大きなプロジェクトだけでなく、病気や障がい、不登校、読み聞かせをテーマにした団体もあり、市民の福祉を充実させる目的のものも多く、一覧を眺めてみると三矢さんの言葉にもあるように「多様性のある」事業だったことが伺える。

三矢さんによると岡崎市内には約550の市民活動団体があるという。こうした団体を支援するのが三矢さんら『りた』の活動でもあるわけだが、今回の事業では団体同士の連携を目的として情報交換会も5回ほど開催したそう。それによって、お互いのイベントに出店しあうなど協力関係も出てきたという。

「町内会や自治会から発展したようないわゆる地縁系の活動団体は、『りた』としてもつながりがありましたが、今回はそれ以外で学生や教育関係の団体が10組、企業や専門家らの団体が14組集まり、全体の3割弱が新しい勢力として加わってくれたことも大きな成果だと思います。」(三矢さん)

今後はこうした団体同士の連携や新勢力によって、また新しい街の魅力が開拓されることも期待されている。

市が事業発足時に発表した「岡崎市制施行100周年記念事業 新世紀岡崎 飛躍祭 実施計画」には、
『本市固有の歴史や伝統などを市 の「たから」として受け継ぎ、ともに暮らすみんなで「かがやき」を創造し、明日への 「きぼう」に繋げていくことをテーマに、市制100周年記念事業全体を「新世紀岡崎 飛躍祭(100歳)」として実施し、本市の新世紀における飛躍につなげます』
と書かれている。
今回の事業で岡崎市民たちが自ら見つけ出した街の「たから」「かがやき」「きぼう」を、次の100年にどうつなげていくか―。「新世紀岡崎」の新しい100年は今はじまったばかりである。


【取材協力】
特定非営利活動法人「岡崎まち育てセンター・りた」
http://www.okazaki-lita.com/

「新世紀岡崎チャレンジ100」
http://challenge100.jp/


さる3月4日、一年間のプロジェクトの成果を振り返る「新世紀岡崎チャレンジ100収穫祭」が開催された。各団体の報告やパネル展示があり、団体同士の交流から新たな活動が始まることも期待されている(写真提供/岡崎まち育てセンター・りた)



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