団体信用生命保険でローンが完済となる高度障害とはどんな状態?

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団信でローン完済となるのは死亡したときだけではない


住宅ローンを組んだときに、多くの方が加入している団体信用生命保険(以下、団信)。この保険は、万一ローン返済者が死亡してしまった場合に、死亡保険金により残ったローンを返済してくれる保険だ。

特に民間の住宅ローンでは団信への加入が条件となっていることがほとんどで、この仕組みについては既に多くの方がご存じかもしれないが、実は死亡以外にも団信からローンが返済されるケースがあるのだ。

それは高度障害状態になったときである。
高度障害とは、病気やけがなどが原因で身体機能が重度に低下している状態をいい、生命保険においては死亡保険金と同額の高度障害保険金が支払われる状態である。なお、高度障害保険金が支払われた場合、その生命保険契約は終了となる。

団信も基本的に生命保険であるため、同様に高度障害状態になると保険金が支払われることになり、ローンの残債が返済されるのだ。

死亡にせよ高度障害にせよ、あまり考えたくないことではあるが、もし将来、該当する状態になったときに、保険金請求手続きがもれてしまうことがないように、このようなケースがあることをあらかじめ知っておくとよいだろう。


団信では、死亡した時のほか高度障害状態になったときでも住宅ローンが返済される



高度障害状態とは?


それでは、高度障害がどのような状態であるのかを住宅金融支援機構の団信を参考にご紹介していきたい。

住宅金融支援機構の団信では、高度障害状態を以下の8つの状態と規定している(JA取扱いの契約を除く)。

(1) 両眼の視力を全く永久に失った状態
矯正視力が0.02以下(1眼ずつの測定)になり、回復の見込みがない状態である。

(2) 言語またはそしゃくの機能を全く永久に失った状態
言語の機能を失うとは、しゃべれなくなるということで、口唇音(こうしんおん|バ行、パ行、マ行等)、歯舌音(しぜつおん|シ、シュ等)、口蓋音(こうがいおん|ヤ行、カ行等)、喉頭音(こうとうおん|ハ行等)の4種のうち3種以上の発音が不能で回復の見込みがない場合、脳言語中枢の損傷による失語症で回復の見込みがない場合、声帯全部の摘出により発音が不能な場合のことである。
そしゃくの機能を失うとは、流動食(「液体」または「おも湯(かゆは含まない)」)以外のものを摂取できないことである。

(3) 中枢神経系または精神に著しい障害を残し、終身常に介護を要する状態
脳や脊椎の障害などで、ずっと介護が必要な状態であること。「常に介護を要する」とは、食事や排泄、着替え、歩行、入浴など自分では何もできず、ほぼ寝たきりの状態を指す。
例えば、半身麻痺で入浴や歩行などが無理であっても、片手で食事ができれば「常に介護を要する」には該当しない。

(4) 胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要する状態
肺や心臓、消化器などの臓器の障害で、ずっと介護が必要な状態であること。「常に介護を要する」は3と同じ。

(5) 両上肢とも、手関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失った状態
両腕とも手首以上で切断しているか、両腕が全く動かせず機能しない状態のことである。

(6) 両下肢とも、足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失った状態
両脚とも足首以上で切断しているか、両足が全く動かせず機能しない状態のことである。

(7) 1上肢を手関節以上で失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失った状態
片腕を手首以上で切断し、片脚を足首以上で切断するか、全く動かせない状態のことである。

(8) 1上肢の用を全く永久に失い、かつ、1下肢を足首以上で失った状態
片脚を足首以上で切断し、片腕を手首以上で切断するか、全く動かせない状態のことである。

以上のように、高度障害とは視力や言語機能を失ったり、寝たきりになったり、手足2本以上が切断や麻痺等で動かせないという、相当に重い障害状態を指す。この基準は労災や障害年金などの等級、公的介護保険の要介護認定とは異なる保険会社独自の基準である。したがって、障害等級の認定があるからといって、高度障害保険金が支払われる(住宅ローンが返済される)とは限らないということは理解しておきたい。


高度障害がどのような状態を指すのかについては、加入した保険のパンフレットや約款などに記載されている



高度障害状態になっても保険金の支払いに該当しないケース


前章で紹介したように高度障害といえる状態には基準があるが、その基準を満たしたと思えるときでも、保険金が支払われない(ローンが完済されない)ケースや、あらためて申請が必要なケースなどがあるので、注意が必要だ。

<保険金支払の対象とならないケース>
○保障開始前にすでに生じていたけがや病気が原因で、保障開始後に高度障害状態になったとき
○現在、規定の高度障害状態に該当しているが回復の見込みがあるとき
○故意に高度障害状態になったとき
○戦争・その他の変乱により高度障害状態になったとき

<あらためての申請が必要なケース>
○病気やけがになってからの日が浅く、まだ症状が固定していないとき
(症状が固定してから再度申請が必要)


住宅ローンを組んだときに、多くの方が加入している団体信用生命保険。実は死亡以外にも団信からローンが返済されるケースがある。それは高度障害状態になったときだ。どのような状態が該当するのか確認しておこう。



団信に高度障害というものがあるということは覚えてこう


ここまで見てきたように、高度障害状態には細かい基準があって、条件もかなり厳しいものである。この状態に当てはまるのは、まれなケースといえるだろう。しかし、だからといって高度障害について知らなくてもよいということにはならない。

なぜなら、普通の生命保険が、加入者側からの請求がなければ保険金の支払いがないのと同じように、団信も加入者側からの請求がなければ、ローンが返済されることはないからである。万一、不幸にも大きな障害を負ってしまったときには、"もしかしたら高度障害に該当するかもしれない"と思い出して行動を起こせるようにしたい。そのためにも、最低限このような制度があるということだけは認識しておくべきだろう。

住宅ローンを組んでいる人、これから組もうとしている人は、高度障害についてもぜひ覚えておき、万一の際には役立てていただきたい。

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■LIFULL FinTechコラムの記事
高度障害とは?|生命保険で高度障害保険金が受け取れるケース
団体信用生命保険の告知内容と入れない場合の3つの対処法


住宅ローンを組み、団信に加入するときには、どんなときに住宅ローンが返済されるのかをあらかじめ一度は確認しておこう



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