「家の、オフィスの中の小屋」が暮らしの可能性を広げる

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注目度は高いものの、 実際に小屋を建てる人は少ない


「好きに暮らそう」をテーマに、家を建てたり、棚を吊るなどの小工事をしたいという人と専門家のマッチングを行うサイトSuMiKaがこのほど売り出したのは家やオフィスの中に置く小屋。本来は建物の外にあるはずの小屋を建物の中に置く。いったい、どういうことなのだろう?

同社が小屋に注目したのは1年ほど前。「営業を開始するにあたり、何か、SuMiKaならコレという特徴を作ろうと他社で手掛けていないものをと考え、最初はツリーハウスに注目しました。日本橋三越で展示を行い、それなりに人気だったのですが、実際にツリーハウスを作るとなると土地と巨木が必要で、あまりにニーズがニッチ。そこでもう少し間口を広げようと小屋に目を付けました」(SuMiKa 佐藤純一氏)。

その試みが2014年10月に行われた小屋展示場である。本サイトでも取り上げたから記憶にある方もいらっしゃるのではなかろうか。これも評判を呼んだ。その結果、SuMiKa=小屋というイメージは定着、月間20万人の同社サイト利用者のうち、15%は小屋に関する情報をサイト内で閲覧活用しているという。だが、想像をかきたてるものの、小屋自体は売れてはいない。

「その一方でサイト利用者が家を建てる以外でどのようなものを作っているかを見ると、これが小屋なんです。しかも、家の中の小屋です」。

具体的に何かというと、カボチャの馬車の形をした子ども用のベッドであったり、おもちゃをしまうスペース、バルコニーにおける東屋などなのだが、いずれも中に入り込める、こもれるという意味である種の小屋なのである。「だったら、家の外に建てる小屋ではなく、家の中に置く小屋があってもいいんじゃないかと思ったのです」。


子ども部屋として使える家の中の小屋



片づけが苦手な子ども、書斎の欲しいお父さんのための小屋という手


そこにはもうひとつ、佐藤氏の個人的な思いもあった。「ウチの子どもも含め、片付けが苦手な子どもは少なくないと思うのですが、あれはいきなり子ども部屋のような大きな、子どもにとっては大きすぎる空間を与えられるから、片付けられないんじゃないかと思うのです。お菓子の空き箱くらいのサイズから始まって、机ひとつ、小屋ひとつと少しずつ自分で管理する空間を大きくしていけば片づけられるんじゃないかなと」。机と子ども部屋の中間に、もう少しコンパクトな小屋を挟むことで、子どもの空間認識が無理なく広がり、片づけられるようになるのではないかというわけだ。

また、子どもが2人になったら、壁を作って個室2室にするつもりで、広い子ども部屋1室を作った場合、大半はそうなっても間仕切りを作らないのだという。だとしたら、そこにそれぞれの小屋を置けば、改装工事は不要になる。

子どものためだけではなく、小屋はお父さんのためにも役立つと佐藤氏。「子どもが小さいうちは川の字で寝ていたとしても、子どもの成長や生活時間帯のずれなどによってお父さんが寝室から追い出され、リビングで寝ているという例を良く聞きます。また、子どもがいると家に仕事を持ち帰られなくもなるとも。だったら、リビングに小屋があれば寝室にも、書斎にもなるんじゃないかなと考えたのです」。


書斎としても寝室としても使える小屋



部屋数にこだわる必要無し、改装不可でも改装可、小屋が広げる可能性


寝室、書斎、子ども部屋が作れるという実用的な意味以上に建物の中の小屋は暮らしをもっと自由にしてくれると佐藤氏。「家を買う時、3LDKにするか、4LDKにするかを悩んでしまうのは、それによって子どもの数が規制されると思うから。極端に言えば、子ども部屋がないから子どもが産めないということですが、子どもが増えたら小屋を買い足せばよいと考えれば、家から家族の数を決める必要がなくなります。また、賃貸で改装不可だとしても、小屋なら家具と同じですから、置くことで室内に新しい空間を作れる。小屋自体はDIY可能ですから、好きな空間を作れる。引越しても持って行けば良いから、室内に手を入れるより無駄がありません」。

これを拡張させていけばスケルトンで何もない空間を分譲する、貸すという方法もあり得るかもしれない。部屋を仕切らない分、費用は安くて済み、そこに住む人が好きなサイズ、形の小屋を置けば自分たちにあった家ができるという仕組みだ。これなら安く、自分たちらしい空間が作れる上、生活、家族構成などが変わったらそれに合わせて変化させられるようにもなる。個人的な妄想だが、そんなことができるようになったら、面白そうではないか。

「家を建てる時の要望で上位に来るのは間取りに対するものですが、今の生活に合わせた間取りで建てると、3年も経つと窮屈になってきます。生活は変化するものだからです。でも、それがその時々に合わせて変化できるようになっていれば、もっと好きに暮らせる。よく一生に一度の家作りという言葉を聞きますが、私達は半年に一度の家作りを提唱しています。小屋を移動するような簡単なものも含め、こまめに生活に合わせた家作りができるようになったら、生活はもっと豊かに、楽しくなるのではないでしょうか」。


棚とクローゼットに囲まれた、少し大きめの小屋。ダブルベッドが置けるので夫婦の部屋にも



1.5畳からダブルベッドサイズまで、3種類の小屋がラインナップ


最後に実際に発売された小屋を見ていこう。小屋には3種類あり、一番小さいのは「1.5畳のこども小屋」と名付けられた子どものための空間。分かりやすく言えば、よくある2段ベッドの上部分が机になっているもので、ベッドの下や周囲には収納も設けられている。空間を縦に使うことで省スペースが実現でき、DIYで収納を増やすことなどもできる。子どもが増えたら買い足せば良く、子ども部屋が足りないと悩む必要がなくなる。子どもにとっては机に座ることで視点が高くなり、世界が違って見えて楽しそうでもある。

お父さんが書斎に使えるサイズが「壁にもなる書斎小屋」。デスクとベッドが向き合って設置されているもので、リビングに置けば書斎にも、お父さんの寝室になる。壁に沿っておけば間仕切りにも使えるから、単身者が広いワンルームなどで使う手もありそうだ。また、住宅内だけではなく、オフィスでの使用も提案されている。オフィスでも気軽に、費用をかけずにレイアウト変更ができるようになるというわけだ。

これら2つより大きなタイプが「ウロコヤ」。ドーム型の屋根のある棚、クローゼットに囲まれた半円形の小屋で、中にはダブルベッドがすっぽり入る。子ども部屋はもちろん、夫婦の空間にもできる広さだ。棚部分は外から使え、置くモノや置き方で表情が変わるので、インテリアとしても楽しい。本棚や飾り棚にするのも良いが、奥行きの異なる棚を利用して低い部分をテーブルやベンチにするという手もある。

価格は70万円弱から150万円ちょっとまで。実際の小屋はリノベるのConnectly Lab.(渋谷)で「壁にもなる書斎小屋」、ハウスクエア横浜ショールームでその他の2種類、タマホーム名古屋総本店、瀬田店(東京)、武蔵小杉店(神奈川)でウロコヤを除く2種類を見学できる。住宅ローンやリフォームローンへの組み込みも可能で、いずれにも保証費用負担無しで工事中の事故補償と1年間の修理保証が付いている。オフィスの中の小屋はオフィス構築で実績のあるディー・サインをパートナーとして、今後共同開発を進め、オフィス市場への販売チャネルの構築を行うという。

Sumika 家の中の小屋
https://sumika.me/koya/inside

オフィスの中の小屋
http://www.koya-project.com/


オフィス仕様として使う場合、壁面をホワイトボードにするなどの作りも考えられる



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