犬山の城下町が変わる?名鉄×エイトデザインリノベで住む人を誘致する『SUMU INUYAMA』プロジェクト

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名鉄所有の「駅上物件」をデザインで一新し、若い世代の「住む人」を誘致


名鉄名古屋駅から特急で25分の「犬山駅」。国宝犬山城とレトロな城下町で知られ、週末は観光客でにぎわっている。ただし愛知県犬山市自体は少子化の流れもあり、ゆるやかな人口減少が課題となっていた。

「犬山駅は観光客と乗り換え客が多いため、今後、街のにぎわいを創り出していくには若い世代やファミリー層の『住む人』を誘致することがカギになります。そこで名古屋鉄道(名鉄)が所有する賃貸住宅を当社のデザインで一新させる賃貸リノベーションプロジェクト『SUMU INUYAMA』がスタートしたのです」と話すのは、エイトデザインの伊藤太一さん。

同プロジェクトの舞台となるのは、名鉄が保有する駅上の賃貸マンション「エスタシオン犬山」。築25年の賃貸住宅60室のうち14室とテナント部分を、名古屋市のデザインリノベーション会社「エイトデザイン」が大胆にフルリノベーションした。

フロアごとにターゲットを明確化しているのがポイントで、8階は女性専用賃貸「G-BASE」12室、6階は土間のある賃貸「F-BASE」2室、3階は0~6歳の子育て世代向けの「0 to 6 APR」7室を設定。デザイン・施工には、愛知県発の建材・住宅設備メーカー「LIXIL」と名古屋の子育て情報誌「teniteo」の知見も生かされている。

早速、2017年3月24日から入居が始まった同プロジェクトの現地見学会に参加して、「駅近物件×デザイン力」のコラボレーションを体感してきた。


▲上/犬山駅の上にある「エスタシオン犬山」の賃貸リノベーションプロジェクト。駅のコンコースから直結する入り口がありアクセス抜群。下/土間のある暮らしを楽しむ男性を想定した賃貸「F-BASE」はちょいモテを意識して設計



女性デザイナーが設計。都心から郊外へ移り住みたくなる女性向け賃貸とは?


まず「エスタシオン犬山」の8階にある女性向け賃貸「F-BASE」を見学。KITCHEN、INDOOR、FASHION、OUTODOORという4つのライフスタイル別に、エイトデザインの4人の女性デザイナーが設計したという。8階は女性専用フロアにし、エレベータホールに鍵を設けるなどの防犯性をアップしているのもウリだ。

真っ先に満室になった「INDOOR」の部屋へ。玄関から伸びる長いシェルフとブックカフェのような本棚が目を引く。本棚の後ろはベッドと収納になり、家具がほぼ不要なのも魅力的。マリンランプ、配管パイプの物干し、業務用ステンレスキッチンなど、マテリアルの質感もカッコいい。
「相場より1万円強高い家賃でも満足いただけるために『他にはないデザイン』『生活をとことん楽しむ』ことにこだわりました。このような構造を見せる無骨なリノベ空間は長く使うほど汚れや傷が味わいになり、メンテナンスも少なくてすみます」(伊藤さん)

近隣市町と名古屋市内から見学に訪れた2組の女性に話を聞いてみた。
「『駅直結』というポスターが気になったのがきっかけ。完成予想図よりも、実際の部屋の方が素敵です。当初は名古屋市内を検討していましたが、ここは夜道を歩かずにすむのに惹かれました」
「大好きな本に囲まれて眠れる部屋なんて最高(笑)。オーナーが名鉄であるという安心感と、1階のカフェからデリバリーがしてもらえる点にも興味を持ちました」

母娘・姉妹で訪れたこちらの2組は、現地見学会で何度も部屋を見比べて楽しんでいる姿が印象的だった。「名古屋市に勤務する方が地縁もなく訪れることもあり、『名古屋からワザワザ移り住みたくなる賃貸』という狙いは当たった、と自負しています」と伊藤さんは微笑む。


▲上はブックカフェのような「INDOOR」。下は、真ん中にアイランドキッチンを大胆に配した「KITCHEN」。ほか、部屋をぐるりと囲むハンガーパイプでアパレルショップの雰囲気を醸した「FASHION」、スノーボードやアウトドアグッズを置ける大型土間を備えた「OUTDOOR」がある



下は駅だから走っても安心!「子どもの年齢」でセグメントした賃貸とは?


もうひとつ特徴的なフロアが、3階にある子育て世帯向けの賃貸「0 to 6 APR」。学習塾だった空間をフルリノベーションして水回りや配管などを新設し、7室の賃貸住宅をつくり上げた。
「0~6歳までの子育て期間に『家の思い出をたっぷりつくってほしい』という想いで設計しました。部屋に小山のような秘密基地やすべり台があるという大胆な暮らし方は、自由に住み移れる賃貸ならではの良さだと思います」(伊藤さん)

タイプは「ハイハイグラウンドのあるおうち」「わんぱく兄弟の秘密基地」「わくわくがつまったのびのびハウス」の3種類があり、68.90m2~77.70m2の1LDKというゆとりの空間になっている。子育て情報誌「teniteo」のママ読者の意見を反映し、キッチンから子どもを見守れる間取りと家事のしやすい動線に加え、ベビーフェンス、ベビーカー置き場が完備されているのもポイントだ。

「子育て世帯に特化したフロアであり、階下は駅コンコースなので、少々わんぱくでも気兼ねなく暮らせます。また共用廊下には、居住者同士が歓談できるキッズスペースもつくりました。1階には、当社が展開する親子カフェ『エイトパーク』があり、デリバリーも利用していただけます」と伊藤さんが話す通り、子育てをのびのびと満喫できる仕掛けを盛り込んだという。

同フロアはテナントだったこともあり、最大約3500㎜という高い天井が印象的。こちらも相場より家賃は高めだが、「子どもの記憶に刻まれる賃貸住宅」というコンセプトが注目を集めそうだ。


ベビーフェンスのある「ハイハイグラウンド」をキッチンから見守れるタイプや、「秘密基地」「ミニすべり台」のあるタイプなど、子育て賃貸「0 to 6 APR」はとても個性豊か。キッチンはLIXILの「リシェルPLAT」という上質タイプを採用



犬山のプロジェクトから展開し、街づくりに貢献していきたい


名鉄が所有する賃貸住宅をエイトデザインの発想力で一新させて、犬山市に“住む”人を誘致するという『SUMU INUYAMA』プロジェクト。2016年春からスタートし、約1年で入居ができるというこのスピード感はリノベーションならではのメリットといえそうだ。

「おしゃれな賃貸住宅を目当てにして街に住む人が増えれば、飲食店などが充実し、雇用が生まれ、結果、街に貢献できます。このプロジェクトでは、1階に親子カフェと焼菓子店をつくり、入居者や街の人がふらりと立ち寄れる場所をつくりました。またフェスなどのイベントも実施し、継続的に街ににぎわいを創り出していきたいと考えていますね」

今後も同プロジェクトは、名鉄沿線の街で第2弾、第3弾を展開していく予定。
駅近という好立地と確かな構造、そして自由で楽しいデザイン力。硬軟のタッグで愛知県の街が目覚めていくことを大いに期待したい。

SUMU INUYAMA
http://sumu-inuyama.jp/


▲女性向け賃貸のベッドスペースに造作された机を紹介する、エイトデザインの伊藤さん。窓からは犬山城が望める



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