建て替えかリフォームか?後悔しないための具体的な決断手順【建て替えかリフォームかで悩んだら④】

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先入観にとらわれず、建て替えとリフォームの特質を知り判断を


建て替えかリフォームかで悩んだら、というテーマで今まで3回にわたり、「①費用比較と最初にするべきこと」では、まず最初にやっておきたい現状把握のための健康診断と、費用の単純比較について、「②耐震リフォームはどこまで必要?」では、安全性を確保するために必ず押さえておきたい耐震性能について、そして「③省エネリフォームの価値があるか、建て替えでも高性能とは限らない」では、快適性を左右する省エネ性能の大切さと、昔と今の間取りの違いについてなど、検討に必要となる基礎知識をご紹介してきた。

今回の4回目は、これまでの基礎知識を踏まえて、我が家にはどちらが向いているかを判断するための具体的な検討手順をご紹介する。


建て替えは高いけれど良い、リフォームは安いけれど我慢するという先入観にとらわれず、それぞれの特質を知って冷静な判断をすることが大切



建て替えとリフォームそれぞれのメリットまとめ、保証の違いにも目を向けて


まずはそれぞれのメリット、デメリットをまとめてご紹介しよう。

建て替えのメリットはプランの自由度と最新の住宅性能を得やすいこと、また不具合に対する保証制度や、住宅ローン制度が充実しているところにある。住宅性能は目には見えにくいが、耐震、省エネ、バリアフリー、防音、防犯など、安全性や快適性と直結している。また新しい建材や工法を取り入れた建築物は、概してその後のメンテナンスの手間が少なくて済む。

デメリットは、十分使用可能な部分まで解体破棄してしまうので、資源的にも費用的にも大きな無駄が発生してしまうところにある。現状把握が重要な鍵となるのは、使用可能な状態の割合と腐食部の劣化進度によっても、建て替えかリフォームかの判断が変わるからである。

リフォームのメリットは、残したい部分をそのまま活かすことで無駄を極力抑え、こだわりたい部分にだけしっかり費用を掛けるといったような、メリハリのある計画が立てやすいところにある。性能向上や間取り、設備選びなどに関しても、優先順位をつけたコストの調整を計りやすい。また建て替えに比べて、登記や税金の費用などが少なくて済む。

デメリットとしては、プランの自由度に一定の制約がかかることがある。リフォームでは叶えられないプランもあり、どうしても実現したい場合は、建て替えを選択せざるを得なくなる。また大掛かりな間取り変更や増築が必要な場合は、現状にもよるが、建て替えたほうが手っ取り早いことも少なくない。

注目したいのが、建て替えとリフォームでは保証に差があるという部分だ。建て替えの場合は品確法で定められた範囲において、引き渡しから10年間の瑕疵の保証があるが、リフォームの場合は施工会社によって保証期間も内容もまちまちで、民法により瑕疵担保責任の請求権は1年以内と定められているだけである。そこでリフォームの場合は、リフォーム瑕疵保険という制度があり、それに加入することができようになっている。

工事中の暮らしの問題も見逃せない。リフォームの場合は住みながら工事するという選択肢があるが、建て替えの場合は仮住まいの準備が必要になる。仮住まいは、その分費用がかさむのはもちろんのこと、通勤や通学、通園などに問題無く、希望の部屋数を満たす物件を探すとなると、苦労するケースもあるので注意が必要だ。


リフォームは住みながらの工事という選択肢がある。ただし工事中は音やホコリに対する覚悟が必要



建て替えかリフォームかを検討する具体的な手順


では、建て替えかリフォームか、検討するための具体的な手順をご紹介しよう。

まずは我が家の現状を把握するために、専門業者に点検調査を依頼、老朽化した部分の補修と、家の寿命延長に必要な工事を提案してもらう。この際、老朽化が激しく、建て替えた方がいい場合の判断基準は「①リフォーム費用をかけるか建て替えか?費用比較と最初にするべきこと」で詳しく説明しているので参照されたい。そして同時に、耐震や省エネといった性能向上や設備建材の更新、間取り変更に必要な工事プランと費用を概算でいいので算出してもらい、リフォームに掛かるおおよその費用を把握する。

建て替えかリフォームかで悩んでいる人の話を聞くと、建て替えの場合の費用は把握していても、リフォームの場合はよくわからないまま、建て替えは高いけれど快適、リフォームは安いけれど我慢が必要といったような先入観にとらわれた状態で、ただ漠然と悩んでしまっている人が少なくない。

建て替えの場合はいくら掛ければどんな家が建ち、リフォームの場合はいくら掛ければどんな家に再生するかを知ることが、比較検討のスタートとなるので、躊躇せず見積もりを依頼してみることが肝要だ。その際は税金や仮住まいの費用など、工事費以外に掛かる経費も忘れずに計上しよう。

また建て替えにしてもリフォームにしても、今後の生活の基盤となる住居を作り上げていくのであるから、この先誰と何年住むのか、どんな暮らしがしたいのか、といった長期的な将来設計が欠かせない要素となる。

最終的な決断は、

・費用面(工事費用+今後の維持費用)
・快適面(住宅性能+間取りなど)
・今後の生活設計(この先誰と何年住むのか、どんな暮らしをしたいのか)

この3つのバランスをどうとるかで決まってくる。今後の生涯所得の中で自己実現のために掛けられる費用の額や、人生における家の存在の大きさなどを勘案して決断されたい。

どれを重視するかは人それぞれで、同じような築年数の家であっても答えは様々だが、手順を踏んでここまでじっくり検討すれば、自然に答えは出てくる。


いくら掛ければどんな家が手に入るのか知るためにも、概算でいいので見積もりを取ることが大切



むやみなリフォームは建て替えできない結末を生むことも


リフォームでひとつ注意したいのは、都度傷んだところから無計画にリフォームを繰り返していると、いざという時に、建て替えに踏み切れないケースがあることだ。

意外と多い相談に、数年前にかなり費用を掛けて浴室リフォームをしたのでもったいなくて建て替えられない、でも他の部分はもう限界で、間取りも悪いので悩んでいるというものがある。家を効率よく維持するためには、最低20年以上の長期的な視野と展望が必要になる。

さて建て替えかリフォームか悩んだら、4回にわたって、主に実利面を中心に比較方法をご紹介してきた。しかし住まいは、人とともにあるもの。実利面だけでの比較では計りきれない、住む人の人生そのものが詰まった思い出の箱でもある。家の解体に立ち合う時、泣きそうな顔をしている施主のそばで、筆者もいつも涙が出そうになる。建て替えかリフォームか、ぜひ悔いの無い選択をして頂ければと思う。


家は住む人の人生そのものが詰まっている家族の思い出の箱



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