大阪のおばちゃんで世界を元気に!ご当地アイドルユニット「オバチャーン」プロデューサーに聞く誕生秘話

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デビュー5周年を迎える、大阪のニューヒロイン


「♪オバ オバ オバ オバチャーン!」「♪まさかのファッションでおばちゃんが通る。オーサカのパッションやこれがデフォルト。愛してやまへんスーパーの特価。決してゆずらへん値引きのメッカ」
大阪の観光名所を舞台にラップを歌って踊る姿を披露し、YouTubeの視聴回数は、2017年9月現在で120万回を突破。アニマル柄ファッションに身を包み、一度見たら忘れられないインパクトがある大阪のご当地アイドル『オバチャーン』。

2012年10月にデビューシングル『オバチャーンのテーマ』をリリース。その後も『オバレゲエ』『オバスカドン』など軽快なリズムの明るい楽曲を発表する。キャッチコピーは、「会いに行けるアイドル」ならぬ「絡んでくるアイドル」。底抜けに明るく、人と人とのコミュニケーションを活性化させる。


大阪の名所・新世界の通天閣をバックに「オバチャーン」。<br>平均年齢60代半ば。メンバー数は、TPO に応じて1人から 47人まで変幻自在



最強といわれる「大阪のおばちゃん」がアイドルに


大阪のおばちゃんは、ケチで下品でやかましい。人情深くて、義理堅い。そして、おもしろく「笑い」を大切にするといったイメージがある。全国津々浦々、おばちゃんはいるのに、“大阪”が付くと、最強な印象を受けるから不思議だ。
これまでにないアイドルが生まれるきっかけは、何だったのだろうか?
意外なことに、「オバチャーン」の仕掛け人は東京出身の若きクリエイターである。

「転職で大阪に引っ越してきた時、新大阪駅でまず探し求めたのは、アニマル柄にパンチパーマの大阪のおばちゃんでした。それなのに、なかなか出会えなくて…。だったら、“我々が保護しなくてはならない”と思った(笑)」と、振り返る「オバチャーン」プロデューサーの日座裕介さん。
日座さんは大学卒業後、広告制作会社の大手「TYO」(東京)に入社し、電通の関西支社に転職したことから大阪との縁がはじまる。学生の頃から興味関心があったのは、一貫して「社会問題をどう表現するか」だ。現在、大阪を拠点にフリーランスのCMプランナーとして活躍する。

「オバチャーン」結成のきっかけは、「私の好きな大阪」をテーマにした2011年大阪府主催のCMコンテスト。日座さんら4人が大阪のおばちゃんが”大阪を元気にする”という趣旨の作品を応募し、みごと準大賞を射止めた。このCMで、大阪で主婦タレントとして活躍するインパクト全開の舟井栄子さんとの出会いが、日座さんの創作意欲に火を付けた。

「デビュー以来、不動のセンターをはる舟井さんは、険がないというのか。ケチとか、がめついといったネガティブな要素がみあたらない人情味あふれるおばちゃんでした。そこで、この人を中心にアイドルをつくろう。見せ方次第でぐんと価値がでると思った」(日座さん)

舟井さんらは間もなく『オバハーン』という名前でデビューするが、その後、愛くるしさをプラスし『オバチャーン』に改名する。


「OSAKA LOVERS CMコンテスト2011」にて一般の部で「準大賞」を受けた日座裕介さん(一番右)と有志のクリエイター仲間。自らもヒョウ柄ファッションに身を包む



飴ちゃん、どない?と「絡んでくる」アイドル


「オバチャーン」の活動理念は、地域の活性化と社会貢献である。
まちおこしのイベントをはじめ、大阪木津市場の十日戎 「福オバチャーン」、大阪府の「女性に対する暴力を無くす運動」応援隊、大阪府警察の「防犯啓発」や鉄道警察の「チカンはアカンで痴漢撲滅キャンペーン」など社会性のある活動に力を入れる。観光PRに至っては、他府県や海外からのオファーまであるという。

「70歳近くになってステージに立ち、たくさんの歓声を浴びる。全力で取り組む姿を見て、感動することがあります」と、日座さん。『悩みがないのが、悩みや』と、ふと語った舟井さんのコメントに人生の達観を感じた。

まちおこしのイベントでは、「飴ちゃん、どない」と道行く人に話しかけ、持ち前のコミュニケーション力を発揮する。サービス精神旺盛。困っている人は、ほっとけないのだろう。同グループのCDの購入特典には、購入者がメンバーに悩みを相談できる握手券ならぬ「人生相談券」が付いている。


おおさかカンヴァス推進事業「四十七人のオバチャーン」にて。大阪の街のいたるところにオバチャーンが現れ、<br>飴ちゃんを配りながら練り歩く企画が話題を呼んだ



オバチャーンパワーで世界を元気に!


2025年に大阪が誘致しようとしている「大阪万博」。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」で、誘致PRに「オバチャーン」も一役担っている。同グループの魅力は、大阪らしさと圧倒的な存在感。しかも、グローバルに発信中である。

「大阪は日本で一番おもしろい。いや、世界一かな。人を中心に、人も街もおもしろい」という日座さんの目標は、どこまでも大阪・関西の魅力再発見。「”もうアカン“と看板で言っておきながら、ずっとやっている店、道頓堀のように猥雑さが魅力の場所もある。ここにいると、ベタなものでも見逃せない。何かやりたいと思える」と、意欲的。

「実はオバチャーンの活動で、もうけは無いんですよ。稼いだ分を貯めて次の制作費にすべてつぎ込んでいます。高齢アイドルにしかできない意義を考え、クリエイターとして、おもしろいものを自由につくっていきたい。」(日座さん)

最後に、同グループのこれからの展望を伺った。「超高齢化社会で“元気な象徴”になってほしいですね。これからのテーマとして、認知症問題を考える映像を発表したい。そして、何よりもメンバー全員の健康です」と、語った。オバチャーンの使命は、大阪の魅力をアピールするだけにとどまらず、日本社会を明るくすることにあるようだ。


「通天閣フリーライブ」にて。「♪アイアム 大阪の太陽やねん」とパワー全開で歌うオバチャーン。人生相談も盛況である



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