お歳暮はいつ始まった?お歳暮の歴史とマナーを知ろう

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年に2回贈る日本人の一年を半分に分ける慣習


お世話になった人にお礼の贈り物をする風習は世界中にあるが、日本人は、年に夏と年末の2回、日ごろの感謝を込めて贈り物をする。それがお中元とお歳暮だ。

お中元は中国の「三元」と関係があると言われている。三元は道教の行事で、上元は福を与えてくれる天官賜福大帝が司るとされる旧暦1月15日、中元は罪を赦す神である地官赦罪大帝の縁日である旧暦7月15日、そして下元は厄を祓ってくださる水官解厄大帝の縁日で、旧暦10月15日のこと。このうち中元の風習が日本に入り、お盆やお中元となったとされるが、もともと日本には夏と冬に贈り物をする風習があった。だから、正確に言えば、日本の夏の贈り物の風習と、中国の中元が習合したわけだ。

では、なぜ日本人は夏と冬に贈り物をしていたのだろう。そもそも日本は一年を半分に分けて、同じような行事を繰り返しながら生活を成り立たせていた。たとえば、半年が終わる6月30日には、神社で夏越の大祓が行われる。これは「茅(ち)の輪」とよばれるチガヤで作った大きな環をくぐり、半年間の罪ケガレを祓うものだ。そして大晦日には、人型に罪ケガレを移してお焚き上げをする。様式は違うが、半年の終盤ごとに、身についた罪やケガレを祓ってきたことがわかるだろう。

また、夏には先祖の精霊を迎え入れる儀式として盆踊りが開催されるが、南北朝時代ごろまでは、大みそかにも先祖迎えの踊りが踊られていたらしい。吉田兼好の『徒然草』第十九段には、「つごもりの夜、いたう暗きに、松どもともして、夜半過ぐるまで人の門たたき、走りありきて、何事にかあらん」とある。

つまり、大晦日の夜、夜中過ぎまで門をたたきながら走っている人たちがいるがなんだろうというわけだ。そしてそれに応える形で「なき人の来る夜とて魂まつるわざは、このごろ都にはなきを、東のかたには、なほする事にてありしこそあはれなりしか」と続けている。つまり、この時吉田兼好が滞在していた東の地方では、大晦日に帰ってきた死者の魂をまつる行事が残っていて感慨深いというわけだ。吉田兼好の時代でさえ、大晦日に先祖を迎える行事は衰退しつつあったのだろう。


日本人は、年に夏と年末の2回、日ごろの感謝を込めて贈り物をする



お歳暮のはじまりはいつ?


では、日本でお歳暮の習慣が始まったのはいつごろかというと、これは、はっきりしない。ただ年末に、歳神(としがみ)様に供える酒や魚、餅などを贈る習慣は、古くからあったらしい。
歳神は生活を守護する神様で、大晦日の晩にやってきて、その後一年間家にとどまると考えられていた。笠地蔵が大晦日の夜にやってくるのは、歳神の一種だからだろう。なまはげも歳神が変化したもので、お正月にやってきて、厄災を祓うのが本来の形だったとされている。

他家に嫁いだ娘や、分家した親族などが、親や本家に歳神様への御供え物を贈ったのがお歳暮の始まりだとすれば、室町時代ごろにはその習慣が確立していたと考えられる。江戸時代になると、商人たちの習慣が庶民の文化や風習に影響を与えるようになる。年末に、商人たちがお得意先などへ挨拶回りをしたのが、お歳暮の習慣を定着させた要因のようだ。


日本人は年に夏と年末の2回、日ごろの感謝を込めて贈り物をする。それがお中元とお歳暮だ。年末の贈り物であるお歳暮はいつ頃から始まった習慣だのだろうか。贈るときのマナーもあわせて確認しておこう。



お歳暮のマナー


お歳暮はいつごろに贈れば良いのだろう。
正月の準備を始める日を「正月事始め」と呼び、江戸時代中期には12月13日に定着した。この日には、門松に使う竹や松、御雑煮を炊く薪などをとりに、山へ行くのだ。そしてお歳暮は本来、新年を守護する歳神様への御供え物にされるものだったから、贈るのは12月13日以降とされていた。

しかし、現在では忙しい年末を避け、11月下旬から12月20日ごろまでに贈るのが一般的。何かの事情で間に合わなかった場合は「寒中見舞い」としても良いが、慌てて暮れも押し詰まった時期に贈るより、「御年賀」として新年に届けるのも一つの方法だ。

熨斗紙は奇数本の紅白水引を蝶結びにしたものを使用し、上書きは「御歳暮」と書く。
昭和ごろまでは先方に持参することも多かったが、現在では郵送や宅配で送る人が多い。直接お世話になったお礼を言えない代わりに、挨拶状を添えよう。挨拶状を同封できない場合は、品物が届くころを見計らって、はがきや手紙を送ると良い。挨拶状の内容は、時候の挨拶から始まり、一年間お世話になったお礼、改めて新年からのお付き合いのお願い、そして先方の健康を祈る言葉で締めくくると、気持ちが伝わるだろう。

贈る品物は、自分の好みを押し付けるのではなく、先方の好みや家族構成を考慮に入れて、喜ばれそうなものを選ぶと良い。先方に持参する場合は、まず先方の都合を聞いて、迷惑にならない日に訪問する。品物は風呂敷に包み、挨拶をしてから風呂敷を解いて、熨斗が相手の方を向くようにして渡すのがマナーだ。


お歳暮の品物は風呂敷に包み、挨拶をしてから風呂敷を解いて、熨斗が相手の方を向くようにして渡すのがマナー



喪中のお歳暮はどうする?


喪中にお歳暮を贈っても良いか迷うかもしれない。喪の期間は地域によって違うが、配偶者や2親等までの親族が亡くなった場合は約1年間が一般的。

元来、喪中に年賀状を送らない理由は、親しい人が亡くなって悲しいからではない。死は大きなケガレであり、服喪期間は親族もケガレに触れていると考えるから。つまり、先方にケガレを移さないための気配りなのだ。だから、本来的には、喪中の人に年賀状を送っても、無礼ではなかったが、近年は「悲しんでいる相手にお祝いを述べるのは思いやりがないから、年賀状を送らない」という考え方になりつつある。

しかし、お歳暮は感謝の気持ちを贈りもので表現するものなので、自分が喪中であっても、相手が喪中であっても、控える必要はない。お葬式を出したばかりで気になるのであれば、先方に事情を伝えて時期をずらすと良いだろう。

お歳暮の風習は経年とともに廃れつつあるというが、長い歴史と深い意味がある。
日本人らしい、感謝を伝える風習として、残していきたいものだ。


日本人らしい感謝を伝える風習として、年末に贈り物をするお歳暮は残って欲しい



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