アフタースクールで科学しながら英語を学ぶ!知立市、地域児童向け【teracoya THANK】が興味深い

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旧東海道沿いに寺子屋を再現?!


池鯉鮒(ちりふ)。
この地に縁のある方や、歴史や街道、はたまた広重作品に興味のある方はすぐに読めるかもしれないが、『ちりふ』は歴史的仮名遣いで、読み方は『ちりゅう』。現在の愛知県知立市だ。

東海道五十三次の39番目の宿場町として栄えたこの街に、ひときわ目を惹く建物がある。
歴史ある街並みに溶け込む社寺のようにも見えながら、木を活用した内観がうかがえるガラス張りのモダンな佇まいを持つこの建物は【THANK】(サンク)。
地域貢献の場として2016年に誕生した、「寺子屋」と「カフェ」を併設した空間だという。

小学生の子を持つ母親でもある筆者としては「寺子屋」の方がいたく気になる…。
そこで、「寺子屋」とされる【teracoya THANK】(テラコヤ サンク)を訪ねてみた。


紐の両端を持って垂れさがる時の曲線をイメージさせるカテナリー・カーブ(懸垂曲線)を描く大屋根が印象的!</br>すべて異なる形状の木梁を組み合わせたニット状の架構が東西の棟に渡るのが外からも分かる圧巻の木造建築【THANK】



地域児童対象のイングリッシュアフタースクール【teracoya THANK】


江戸時代、子どもたちに読み書きやそろばんなどを教えた寺子屋。
ならば、洒落た空間で学べる塾なのかな?と思いきや、ここは、地域の小学生を対象にしたイングリッシュアフタースクール。
しかも、“科学しながら英語を学ぶ”アフタースクールで、寺子屋のように子ども達が集まって楽しく学ぶ場所を目指しているのだとか。

【THANK】を運営するのは、知立市に本社を置く富士機械製造株式会社。
主に電子部品実装ロボットや工作機械の開発・ 製造・販売を世界的に展開している創業60年の地元企業だ。
同社は4年ほど前に旧東海道沿いの本陣が置かれていた場所の国有地を入手。そこに地元企業として地域貢献できる施設を造ることになり、技術系の人材と知識が豊富で、海外との関わりも深い同社の強みである「ものづくり」「グローバル」を活かせる施設にすることを決めた。
そうして発足したのが、「子どもの理科離れをなくす」「これからの国際社会で生きる力をつける」に着目したプロジェクト。
理科の力と大切な英語を身につけられる施設として【teracoya THANK】を。また、子どもだけでなく地域の方も気軽に集えるようにとカフェ【thirty nine cafe】を併設することになった。

ちなみに、カフェ名にもあるように【THANK】は「39」も掛けている。
池鯉鮒宿が東海道五十三次の39番目の宿場町であることが所以だが、“ありがとう”の意と地域愛を感じる良い名だと思った。


エントランスを入ると、反り上がる天井へと自然に視線が向かう。全て立体的に異なる形状の梁(アカマツ)を1369本使用し、それを編み込むようにして柔らかな曲面を描いたのだとか。湾曲する壁棚には洋書や英語の図鑑もいっぱい。その先の階段を上った広いロフトも教室として使われている



世界的に事業を展開する地元の機械製造会社が、「地域から世界で活躍できる人材を!」の想いで始めたプロジェクト


このアフタースクールに通う子ども達は、どう学び・過ごすのだろう。

小学校が終わって夕方に入室し、おやつを食べたら90分間のレッスンがスタート。英語レッスンに加え、科学実験や国内外の文化などについて学ぶ。レッスンはネイティブ講師を中心に基本は全て英語で行われるが、実験時など説明が分かりにくい場面では日本人スタッフがサポートにつく。
レッスン後は学校の宿題を行う時間が設けてあり、宿題が終わったら、木に包まれた広々としたプレイエリアで、ネイティブ講師たちと様々なアクティビティをして楽しく過ごしながら保護者のお迎えを待つ。
入室からここまでが2時間半。オプションで延長滞在や併設のカフェで夕食を用意してもらうこともできるそうだ。
英語レベルに合わせて低学年と高学年で各2クラスずつの計4クラスあり、現在160名ほどの子ども達が週に1日~3日のペースで通い、英語と科学に慣れ親しんでいるという。

レッスン以外の時間もネイティブ講師と触れ合うなど英語環境で長時間過ごせることや、好奇心をくすぐる科学実験があったり、座学だけでなくグループワークや体験型アクティビティが用意されているので、子ども自身が面白がりながら無理なく英語や科学に親しめるのが実に魅力的。
しかもそれを、木に心地よく包まれる芸術的な木造建築の空間で。何とも贅沢な話だ。


「体験レッスン随時受付中です。気軽にお申込みください」と講師・スタッフ陣。同社の社員として採用された人材であり、また、レッスンで行われる科学実験は同社開発スタッフ監修のプログラムになっていることも「ものづくり」に長けたグローカル企業ならでは



「理科の力+大切な英語」を寺子屋のような場所で楽しく学ぶ



英語レッスンに加えて、スライムづくりやドライアイスを使って二酸化炭素を発生させるなど</br>子ども達が興味を持ちそうな題材での科学実験、また国内外の文化などについても学ぶそう。</br>単に英語を学ぶだけではなく、科学やものづくりなどの面白さに触れるカリキュラムを通して</br>子ども達が自分で考え・答えを見つけ・英語で発信する力が養われる



長時間&お迎えありのアフタースクールは共働き世帯にも好評


加えて、ワーキングママの一人として「スバラシイ!」と思ったのが“お迎え”があること。
学校が開設する放課後こども教室や放課後児童クラブにスタッフが出向いて子どもをピックアップし、入室するとメールシステムで保護者に通知してくれるというのだ。子どもの習いごとは送迎が大変だったりするが、それが不要な上に長時間預けられ、預けている間に我が子が英語や科学を楽しく学んでくれるとなれば親としては嬉しいに違いない。これを知立市内に限るサービスとしていることも、「地域のために!」の想いを強く顕している気がする。

デザイン性に富み、木の温かみにあふれた印象的な建物は、建築物としての評価も高く(2017年度グッドデザイン賞受賞)視察依頼も多いとか。エントランスを入ると思わず見上げる構造は“子ども達の未来”を現しているという造り手が込めたメッセージも素敵に思う。

【THANK】ホームページには「知立に暮らす、すべてのファミリーへ」の文字が躍る。
自分たちを育ててくれた地域に恩返しをし、知立の更なる発展に役立ちたい、そんな想いが込められているという同プロジェクト。地元企業の豊かな人材・知識という財産が地域に活かされ、ここから世界へ羽ばたくグローカルな人材が育まれるのが楽しみだ。

■THANK https://39thank.jp/


最大スパン20mもの柱のない大空間プレイエリアには、世界のあそび道具などもあり海外への関心が高まりそう。ガラス越しに広がる向かいの公園では、樹齢300年以上の楠が子ども達やカフェで憩う人々を見つめているのも微笑ましい



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