熊本地震発生時のICTメディアの役割~安否確認にLINE利用が46% 「熊本地震における情報通信の在り方に関する調査」

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熊本地震発生時、LINEは89.3%の人が利用できたと回答


もしいま、大きな地震が発生したとして、まず調べたいと思う情報はなんだろう?状況にもよるが、何を利用して情報収集をするだろうか。

総務省が発表した「熊本地震における情報通信の在り方に関する調査結果」から、情報通信が震災発生時にどのような役割を果たしたのかを振り返りたい。(総務省が株式会社三菱総合研究所へ調査委託。平成29年4月13日発表)
対象地域は熊本県熊本市、益城町、宇城市、西原村及び南阿蘇村の5地域で、対象地域の居住者にウェブアンケートを実施した。収集数は862件。

まず、調査対象者が発災直後に通信手段が利用できる状態にあったのかを見てみよう。主要な通信手段について、「問題なく利用できた」と回答した割合が多かった順に、「LINE(家族・友人・知人等)」が89.3%、インターネットメールが72.7%、携帯メールが60.4%、固定電話が48.5%だった。「行政機関の中に固定電話では連絡がとれない自治体があった。」や、「携帯電話に依存している割合が大きいため、特に震災直後電話がつながらなかったのは痛かった。」といったコメントがあるなか、「LINE電話はいつでも確実に利用でき、安心できた。」といったコメントがあった。通信手段としておおよそ9割の人がLINEは問題なく利用できたと回答しており、高く評価されている。


調査対象者の回答に基づく通信手段別の利用可否(発災時)<br>総務省「熊本地震における情報通信の在り方に関する調査結果」を参照して作成



取集した情報と役立ったメディアは?


次に、発災時に収集した情報について見てみる。

「地震の規模発生場所」との回答が81.2%、「家族・友人等安否」77.6%と、地震や安否に関する収集ニーズが高い。それぞれの情報を収集する際に役立ったメディアについては、「地震の規模発生場所」については地上波放送が最も割合が多く46%、次いで携帯電話32%、AMラジオ25%、エリアメール22%、FMラジオ15%だった。
「家族・友人等安否」では、携帯電話70%、LINE46%、携帯メール33%、Facebook8%、固定電話8%であった。LINEでの安否確認の割合が携帯メールを超えており、コミュニケーションツールとしての普及の広がりが分かる。グループ機能での一斉送信機能や既読がつくかどうかによる状況把握など、機能面での利便性もあるだろう。

各メディアの位置づけ・特徴についての分析結果から、Facebook、LINE、TwitterなどSNSについて抜粋する。Facebook及びTwitterは希少性(他の手段で得られない情報を得られた)の評価が高い。LINEはこれに加えて安定性・迅速性の評価も高く、携帯通話の評価を補完する関係が見られた。

SNSの活用は有効であることが分かるが、熊本地震発生直後に、Twitterで「動物園からライオンが放たれた」や、「ショッピングモールが火事」などのデマ情報が流れた。不確かな情報については、政府や自治体など公式な発信元も確認するなど、拡散する際には留意が必要である。


発災時において収集した情報と情報収集時に役に立ったICTメディア<br>総務省「熊本地震における情報通信の在り方に関する調査結果」を参照して作成



複数の情報収集の手段を確保しておきたい


最後に、平時における情報収集について振り返る。災害発生時の避難場所について、事前に「決めていなかった」と回答した人の割合は51.5%と半数以上であった。また、津波ハザードマップや土砂災害ハザードマップ、洪水ハザードマップなどの被害予想については、48.6%が「わからない」と回答している。

職場や居住地など、普段、生活しているエリアの周辺にある一時避難所(一時的に集合して様子を見る場所)や、避難場所に加えて、大きな公園や公民館などは確認をしておきたい。また、ハザードマップなどから津波や土砂災害、地震の危険度を把握しておこう。

なお、避難所における携帯電話等の充電状況については、「充電できなかった」と回答した人が21.0%、「不十分ではあったが、充電できた」人が33.7%であった。充電に不安があると情報収集もしにくくなってしまう可能性があるので、電源に依存せずに利用できる防災ラジオなどを備えるなど、複数の情報収集手段を確保しておきたい。


避難場所の事前確定状況とハザードマップ上の被害予想<br>総務省「熊本地震における情報通信の在り方に関する調査結果」を参照して作成



調査概要


■熊本地震における情報通信の在り方に関する調査結果
(1)調査対象地域    
  熊本県熊本市、益城町、宇城市、西原村及び南阿蘇村    
  一部他の自治体関係者にも実施。

(2)調査方法及び対象者    
  ・被災者     
   対象地域の居住者にウェブアンケートを実施(862件)    
  ・組織・団体     
   自治体、企業、医療機関等の組織・団体にインタビュー調査を実施(116件)

(3)調査期間    
  平成28年11月~平成29年1月


もし今、大きな地震が発生したら、どんな手段でどんな情報を調べるだろうか。「熊本地震における情報通信の在り方に関する調査結果」から、情報通信が震災発生時にどのような役割を果たしたのかを振り返りたい。



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