辰野金吾設計の「奈良ホテル」、木材で耐震補強 建物の趣き損なわず

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東大寺や興福寺、春日大社など奈良の観光名所の近くにある奈良ホテルは28日、館内で実施中の耐震補強工事の見学会を開催した。大規模な木造建築物としては国内で初めて無垢(むく)の木材を用いた手法を採用。「関西の迎賓館」と呼ばれたクラシックホテルの趣きを損なわずに耐震補強を実現する。

同ホテルは現在、JR西日本と近鉄・都ホテルズが50%ずつ出資して運営している。本館は1909年に国鉄の前身の鉄道院によって建てられた和洋折衷様式の木造2階建て。設計は東京駅丸の内駅舎や日本銀行本店を手掛けた辰野金吾(1854~1919)が担当した。

瓦屋根に鴟尾(しび)をのせた和風の外観になったのは「純洋風で建てられた帝国奈良博物館が当時の奈良県民に大不評だったため」(奈良ホテルの宮崎好弘社長)という。耐震補強工事は2017年5月に約3年間の予定で始まった。

耐震補強に用いるのは東洋大学の松野浩一教授(建築構造学)が考案した「複層斜交重ね板壁」と呼ぶ手法。「さねはぎ」で継いだ小幅板を斜めに重ね、地震の揺れに抵抗できる3層の補強壁にする。既設の部材とはクギや接着剤を使わず、ビスで接合する。

耐震構造設計を担当したジェイアール西日本コンサルタンツの戸田充次長は「歴史的価値のある建物であるため、できるだけオリジナルの部材の保存に努めるように考えた。未来の技術者への継承のためにも当時の部材をそのまま残すことが重要だ」と狙いを説明した。

松野教授は「地震が来ると変形しやすいのは伝統工法の長所と考えている。文化財の建物は鉄骨で補強するのが現実だが、この手法がどんどん広がって奈良の社寺でも使って頂けるといい」と話していた。





東洋大学の松野浩一教授









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