安全誓い「子に伝える」=犠牲者悼み、ろうそく520本-日航機墜落32年・群馬

時事通信社

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日航ジャンボ機墜落事故から32年を迎え、供養のろうそくに手を合わせる人たち=12日午後、群馬県上野村

 520人が犠牲になった日航ジャンボ機墜落事故は12日、発生から32年を迎えた。群馬県上野村の墜落現場「御巣鷹の尾根」には早朝から遺族らが登り、夕方には追悼施設「慰霊の園」でろうそく供養が営まれた。「事故を子どもに伝えていく」。発生時刻の午後6時56分に合わせ、ともされた520の明かりを見詰めながら、参列者は安全への思いを新たにした。

 東京都世田谷区の辻俊多美さん(45)は妻子と一緒に、父昌憲さん=当時(39)=の墓標に花を手向けた。「事故を伝えていきたい」との思いから長男一輝君(9)を連れて登るのは4回目になる。

 昌憲さんは1964年の東京五輪に自転車競技で出場した。一輝君は2020年の東京五輪を取り上げた学校の授業を通じ、祖父の偉業を感じ始めた。面影を伝えようと当時の新聞記事を見せている辻さんは「20年までに、事故と五輪の二つを教えたい」と話した。

 機長の高浜雅己さん=同(49)=の妻淑子さん(73)は子どもたちと9人で訪れ、夫が晩酌で飲んでいたビールを墓標に注いだ。今も乗客の遺族に会うのがつらく、人がまばらな早朝に登っている。

 今年は体調不良で「無理かな」と頭をよぎったが、520人の冥福を祈ろうと登った。「命の続く限りお参りしたい」と話し、帰り際に「お父さん、来年も来ますね」と静かに語り掛けた。

 山本謙二さん=同(49)=の長男で都内に住む昌由さん(37)は2年前、父親になった。「子どもを残して死ぬのがいかにつらいか分かった。父の死を無駄にしたくない」と、ろうそくの前で語った。

 日航によると、12日に慰霊登山した遺族は97家族、359人で、いずれも過去3番目に多い。夕方の式典は関係者を含め260人が参列した。

 尾根に立つ「昇魂之碑」に献花した日航の植木義晴社長は「事故を風化させず心に刻み、安全運行に全力を尽くす」と話した。 



「御巣鷹の尾根」の昇魂之碑に献花し、手を合わせる日本航空の植木義晴社長=12日午後、群馬県上野村(代表撮影)

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