曲折経て登録実現=苦難の歴史、後世に-潜伏キリシタン世界遺産

時事通信社

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「野崎島の集落跡」に立つ旧野首教会=長崎県小値賀町(小型無人機で撮影)

 世界文化遺産への登録が決まった「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」。厳しい弾圧に耐えながら2世紀以上にわたりひそかに信仰を守った「潜伏キリシタン」が育んだ独特の文化的伝統として高く評価された。悲願達成までの道のりには、推薦の先送りや取り下げなど紆余(うよ)曲折もあった。

 当初は、長崎県沿岸部や離島に散らばる教会を中心に、キリスト教の伝来から弾圧、復活までを伝える歴史的価値を強調。大浦天主堂で信徒が信仰を告白した「信徒発見」から150年となる2015年の登録を目指し、文化審議会で世界遺産への推薦候補に選ばれた。

 しかし、内閣官房が推す「明治日本の産業革命遺産」との競合となり、官房長官裁定で14年の推薦は見送りに。中村法道知事は「先行して手続きが進んでおり、高い評価も得ていた」と悔しさをにじませた。

 翌15年、晴れて推薦されたものの、事前審査をした諮問機関から禁教期に焦点を絞るよう指摘を受け、いったん推薦を取り下げた。推薦書作成を担当してきた県職員川口洋平さん(49)は「ショックだった」と振り返る。

 それでも、「受けた指摘は納得できる」と、内容の見直しに着手。教会周辺の禁教期の遺跡や、信仰の隠れみのとなった神社や寺なども含め、集落を中心とした構成に変えた。川口さんは「内面を隠し、仮面を着けて困難を乗り越えた人たちの歴史だ。宗教を超え、現代にも訴えるメッセージがあると思う」と強調する。

 構成資産の一つ「外海の出津集落」(長崎市)にある出津教会堂の教会守で、観光客らに歴史を紹介している高橋渉さん(75)は「禁教期を乗り越えた先祖が苦労して作った教会。そういう歴史を知って、見てもらいたい」と訴える。 



「天草の崎津集落」に立つ崎津教会(中央)。禁教期に「踏み絵」が行われていた庄屋役宅跡に建てられ、「海の天主堂」と呼ばれている=熊本県天草市(小型無人機で撮影)


世界文化遺産への登録が決まった国宝「大浦天主堂」=長崎市


「外海の出津集落」の潜伏キリシタンが建てた出津教会堂の前に立つ、教会守の高橋渉さん=6月26日午後、長崎市

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