アングル:石油ガス株から手を引く投資家、EVなどにシフト

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12月6日、高配当が売り物の欧州の石油・ガス株は、長いことインカムゲインを重視するファンドの寵愛を受けてきた。しかし投資家は電気自動車(EV)用バッテリーなど高成長が期待できる分野へとなびき、石油・ガス関連株から資金を引き揚げている。写真は、GMの中国合弁会社、上汽通用五菱汽車が販売する「宝駿」ブランドのEV。柳州で11月撮影(2017年 ロイター/Norihiko Shirouzu)

[ロンドン 6日 ロイター] - 高配当が売り物の欧州の石油・ガス株は、長いことインカムゲインを重視するファンドの寵愛を受けてきた。しかし投資家は電気自動車(EV)用バッテリーなど高成長が期待できる分野へとなびき、石油・ガス関連株から資金を引き揚げている。

運用資産1兆ドルと世界最大の政府系ファンド(SWF)であるノルウェー政府年金基金が、原油の価格変動が大きいことを理由に石油・ガス関連株への投資を取りやめる方針を打ち出したことで、長期低迷が見込まれる同セクターに投資するリスクが鮮明になった。

石油・ガス株に投資する上場投資信託(ETF)からは資金が流出している。ETFGIのデータによると、こうしたETFの11月の純資産額は219億ドル。3月の244億ドルから減少し、過去1年で最低となった。

シュローダーズで国際株チームのリード・ポートフォリオマネジャーを務めるサイモン・ウェバー氏は「長期的には、石油・ガス業界は成長が止まった、もしくは下り坂のセクターとして見直さざるを得ない」と述べた。シュローダーズは同セクターの投資判断を「アンダーウエート」としている。

石油・ガス関連セクターの見通しを暗くしている要因は多々あるが、世界的なEV重視の流れと環境問題が大きい。

このため北海ブレントが昨年1月の1バレル=27ドルから今年は60ドル超へと上昇したにもかかわらず、欧州の石油・ガス株は出遅れている。

欧州石油・ガス株指数<.SXEP>は年初来で3.5%下落。これに対してSTOXX600指数<.STOXX>は6.5%上昇している。

欧州の石油株の高配当はなお魅力的ではある。FTSE100種<.FTSE>構成銘柄のBP<BP.L>とロイヤル・ダッチ・シェル<RDSa.L>はそれぞれ配当利回りが6%程度と、FTSE100の3.8%を大幅に上回っている。配当利回りが欧州ハイテク株で最も高いノキア<NOKIA.HE>ですら4.2%だ。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチが11月に実施した欧州ファンドマネジャー調査でも、石油は最も人気の高いセクターだった。ファンドマネジャーは同セクターへの投資を再検討し始めているが、石油株離れはゆっくりしたペースで進むとみている。

ただファンドマネジャーはポートフォリオの多様化を進めており、EVの将来性に着目している。

中国政府は2025年までに自動車販売の少なくとも5分の1をEVやプラグインハイブリッド車(PHV)にするとの目標を掲げた。

モルガン・スタンレーの予測によると、2050年までに世界のEV台数は10億台を超え、全世界の販売の80%に達する見通しだ。

アッシュバートン・グローバル・エナジー・ファンドのマネジャー、リチャード・ロビンソン氏は、原油価格は上昇が続くと見込んでいるが、それでもEVの需要増加の恩恵を手に入れようとアルベマール<ALB.N>やユミコア<UMI.BR>などバッテリーメーカーの株を買った。同氏のポートフォリオはバッテリー関連株の比率が7.6%だ。

ロビンソン氏は「石油の需要が落ち込むにはしばらくかかるだろうが、バッテリーセクターの成長は非常に楽しみだ。石油だけでなく、将来のエネルギーにはどこであろうと投資したい」と述べた。

(Kit Rees、Helen Reid記者)

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