入浴中の溺死は5割が冬場に発生。事故を防ぐには

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消費者庁が、冬場に高齢者の入浴中の事故が多発していることから、高齢者に注意を呼び掛けている。具体的にどういった事故が多く、どうすれば事故を防げるのか、詳しく見ていこう。【今週の住活トピック】
「冬場に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください!」と呼びかけ/消費者庁浴槽での溺死の約9割が高齢者。特に冬場に事故は多発

消費者庁が注意を呼び掛けている理由は、人口動態統計を分析した結果、家庭の浴槽での溺死者数は平成26年では4866人で、10 年間で約7割増加しており、そのうち高齢者(65歳以上)が約9割を占めている(図1参照)からだ。これは高齢者の人口が増えているからだが、欧米に比べると溺死者数の中で高齢者が占める割合は高いのだそうだ。

【図1】家庭の浴槽における溺死者数(出典:消費者庁「冬場に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください!」リリースより)

【図1】家庭の浴槽における溺死者数(出典:消費者庁「冬場に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください!」リリースより)

入浴中の事故死は、12月~2月の冬場に多く発生しており(図2参照)、全体の約5割が冬場に集中している。「入浴関連事故の実態把握及び予防対策に関する研究(平成25年度)」によると、入浴中の事故死の数と気温に相関が見られるという。

高齢者にとって寒い冬場は、入浴する際の身体状況や入浴の環境によって、意識障害を起こし溺水するなどの重大な事故につながる危険性が高くなる。暖かい季節よりも、入浴の仕方に注意を払う必要があるというわけだ。

【図2】東京都23区における入浴中の事故死(出典:消費者庁「冬場に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください!」リリースより)

【図2】東京都23区における入浴中の事故死(出典:消費者庁「冬場に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください!」リリースより)

浴室の温度を上げること、もしものときの早期対応がポイント

消費者庁が呼び掛けている注意ポイントがいくつかあるので、紹介していこう。

1.入浴前に脱衣所や浴室を暖める
急激な温度の変化によって血圧が大きく変動すると、失神して浴槽内で溺れる危険性が高まる。入浴前に脱衣所や浴室などを暖めておくことがポイント。

2.湯温は 41 度以下、湯に漬かる時間は 10 分までを目安に
熱いお湯に長く漬かってのぼせてしまい、意識障害が起こった場合、お湯の温度まで体温が上昇して熱中症になる危険性が高まる。お湯の温度や浴槽に漬かる時間を意識することがポイント。

3.浴槽から急に立ち上がらない
入浴中は体に水圧がかかっているので、急に立ち上がるとそれまで圧迫されていた血管が一気に拡張して、貧血状態になる危険性が高まる。手すりなどを使って、ゆっくり立ち上がるようにすることがポイント。

4.アルコールが抜けるまで、また、食後すぐの入浴は控える
アルコールが悪影響を与えると考えられているほか、食後すぐというのも血圧が下がりすぎる食後低血圧で失神することもあるのだという。

5.入浴する前に同居者に一声掛けて、見回ってもらう
入浴中の異変には早期対応がカギ。入浴時間がいつもより長いと同居者に気づいてもらい、早期発見することが大切に。

シャワーなどを使って浴室の温度を上げる方法や、入浴者の異常を発見した場合の対処法なども記載されているので、高齢者と同居している人などは資料に目を通しておくとよいだろう。

最近のユニットバスなら、事故防止に活用できるさまざまな機能も

最新設備は機能が向上しているので、事故防止にも有効だ。
例えば、浴室乾燥機付きであれば、暖房機能を使って入浴前に浴室を暖めておくことができる。涼風機能などもあるので、のぼせ防止に利用する方法もある。また、手すりはもちろんのこと、お湯の温度を設定できるし、リモコンに時刻も出たりする。

東京都の「あしもとに注意!~高齢者の事故防止マニュアル~」では、足元が濡れているうえに姿勢を変えることが多いので、滑って転んだりといった事故への注意を呼び掛けている。これについても、最近では滑りにくい床材や低床型といって浴槽の縁が低くてまたぎやすいものも登場している。

最新のユニットバスにリフォームするには費用も手間もかかるが、こうした事故から身を守るには、最新機能を活用して危険を回避するということも検討の余地があるだろう。

●参考
・あしもとに注意!~高齢者の事故防止マニュアル~(東京都)

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