育てて食べて楽しめる、話題のポタジェ。マンションのベランダでもできるつくり方とは

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最近テレビや雑誌などで取り上げられることもある、「ポタジェガーデン」。フランス発祥の菜園のことで、病害虫を防ぎながら野菜を栽培できて、さらに見栄えもいいとあって、注目が高まってきています。今回は、ポタジェ・アドバイザー藤井純子さんにその由来や楽しみ方をお聞きしました。マンションのベランダでも手軽に始められるアイデアや収穫したハーブを使った簡単レシピなどを紹介します。
新しい家庭菜園、ポタジェガーデンが注目されている理由は?

「ポタジェというのは、フランス語のポタージュ(混ぜる)が語源で、植物を混植した菜園のことです。中世の修道院から始まったと言われています」(藤井さん、以下同)。一般的なガーデンとの違いについても聞いてみました。

「ポタジェでは、野菜、ハーブ、花、果樹などいろいろな植物を混ぜて植えます。野菜だけを育てる畑や花だけを育てるガーデニングとは異なり、多品目の植物を組み合わせることで、土壌が豊かになり、病害虫を防ぐことができるんです。見栄えもいいので、新しい家庭菜園のスタイルとして近年注目されています」

日本で取り上げられ始めたのは、4、5年前。オーガニックへの関心の高まりもあり、最近はテレビや雑誌でも「ポタジェ」という言葉が使われるようになってきました。

藤井さんは15年前、所有する100m2の土地で、野菜やハーブの栽培を始めたそうですが、当時は藤井さん自身、「ポタジェ」という言葉を知らなかったそうです。ただ、「人にも環境にも優しい菜園にしたい」と、農学校で農学知識と栽培技法を学び、野菜ソムリエの資格を取りながら試行錯誤をするうちに、自然と「ポタジェガーデン」が完成していったとのこと。今では、ポタジェの講座やワークショップを開くようになり、今年5月には、「Green Finger ポタジェ」という本を出版されています。授業で藤井さんのポタジェを訪れた人は、美しい庭に植えられている植物のほとんどが野菜やハーブであることに驚くと言います。

【画像1】すべてポタジェで収穫したもの。トマト、ズッキーニ、インゲン、ミニニンジンなど。農薬は使用せず、肥料もほとんど使っていない(画像提供/藤井純子さん)

【画像1】すべてポタジェで収穫したもの。トマト、ズッキーニ、インゲン、ミニニンジンなど。農薬は使用せず、肥料もほとんど使っていない(画像提供/藤井純子さん)

ポタジェではふたつ以上の異なる植物を混植しますが、病害虫を防いだり、雑草を抑えたり、生育を助け合うなど、お互いにいい影響を与え合う組み合せを「コンパニオンプランツ」と言うそうです。

「野菜は、野の菜って書くでしょう。元々野原にあった食べられる植物を畑に持ってきたのが農業の始まり。畑で一種類を育てるのは無理もあって、農薬や肥料がたくさん必要になります。ポタジェはそれを本来の野原の姿に近づけてあげる感じです。植物を組み合わせて、それぞれの植物が喜ぶ環境をつくってあげます」

【画像2】咲き乱れるジャーマンカモミールの花。リンゴのような優しい香りがする(画像提供/藤井純子さん)

【画像2】咲き乱れるジャーマンカモミールの花。リンゴのような優しい香りがする(画像提供/藤井純子さん)

ポタジェの楽しみは、そうして栽培したハーブや野菜を生活のなかに取り入れることだと藤井さんは言います。自分で摘んだミントやカモミールのフレッシュハーブティー、獲れたてのハーブや野菜を使った料理、ラベンダーなどをドライにしたポプリやリース、バスソルトづくりなど……。さまざまな楽しみ方で、暮らしに自然を取り入れることができるそうです。

【画像3】カモミールを使ったフレッシュハーブティー。味わいは、ドライのハーブティーより優しくふわっとした香りがある(画像提供/藤井純子さん)

【画像3】カモミールを使ったフレッシュハーブティー。味わいは、ドライのハーブティーより優しくふわっとした香りがある(画像提供/藤井純子さん)

ベランダでできるポタジェガーデンのつくりかた

ポタジェは、庭がなくてもマンションのベランダなどで簡単に始められるとのこと。藤井さんの自宅マンションのベランダポタジェを参考に、未経験者でも育てやすい野菜やハーブを聞いてみました。

【画像4】藤井さんの自宅のベランダのポタジェコーナー。木製のケーブルドラムを白く塗って鉢置きテーブルに(画像提供/藤井純子さん)

【画像4】藤井さんの自宅のベランダのポタジェコーナー。木製のケーブルドラムを白く塗って鉢置きテーブルに(画像提供/藤井純子さん)

「難しく考えず、バジルが好き、ミントが好き、入り口はそこからで大丈夫です。あとは、何がしたいのかによって組み合わせを考えていきます。食べて楽しみたい!ということなら、ハーブを鉢に寄せ植え(異種、同種の植物を同じプランターへ植えること)するのがおすすめです。例えば、シソや小ネギを植えた和風料理用ポタジェや、パセリ、バジルなどのイタリア料理用ポタジェがあれば、そうめんの薬味やパスタ、サラダなどに使えて楽しいですよ。

土については、ホームセンターなどで手に入る野菜・ハーブ用の培養土で、持ち運びがしやすい軽い土を選べば問題ありません。鉢の素材や色をそろえると統一感を出すこともできます。置き方は、奥のほうは高く、手前は低く、高低差を出すと立体的で見栄えがよいです。丈の低い植物は壁やフェンスにつるすハンギングや鉢台を使うことで高さを出せます」

■寄せ植えのコツ
1.詰めこみすぎず、大きく育てるためにも大きめの鉢に植えます。
2.ナス科同士、ウリ科同士など同じ科の混植は避け、科の違うものを組み合わせます。
3.最初が肝心。土をくずさないようにポットからそっと根のついた苗をだし、穴に苗を入れたら、両手で土をおさえ、ギュッと圧をかけます。
4.3日ほどは風の当たらない日陰に置くことで、根が張りやすくなります。
5.土が乾いたら水をたっぷりとあげます。水が葉にかからないように根元にあげます。

【画像5】イタリア料理用ポタジェ。イタリアンパセリ、チャービル、ルッコラ、チャイブなど(画像提供/藤井純子さん)

【画像5】イタリア料理用ポタジェ。イタリアンパセリ、チャービル、ルッコラ、チャイブなど(画像提供/藤井純子さん)

【画像6】和風料理用のポタジェ。シソ、赤ジソ、小ネギなど。新鮮な香草は刻んだときの香りもいっそう際立つ(画像提供/藤井純子さん)

【画像6】和風料理用のポタジェ。シソ、赤ジソ、小ネギなど。新鮮な香草は刻んだときの香りもいっそう際立つ(画像提供/藤井純子さん)

【画像7】リーフレタスもベランダポタジェにオススメ。一枚ずつ収穫でき、長く楽しめる(画像提供/藤井純子さん)

【画像7】リーフレタスもベランダポタジェにオススメ。一枚ずつ収穫でき、長く楽しめる(画像提供/藤井純子さん)

【画像8】ボルシチなどに使われるビーツも丈夫で育てやすく初心者に向く野菜。夏には冷製スープにしてもよい(画像提供/藤井純子さん)

【画像8】ボルシチなどに使われるビーツも丈夫で育てやすく初心者に向く野菜。夏には冷製スープにしてもよい(画像提供/藤井純子さん)

【画像9】バジル、イタリアンパセリなどは風通しのいい場所で干してドライハーブに。イタリアンパセリやタイムなどは仕上げにオーブンで乾燥させると色や香りがよくなる(画像提供/藤井純子さん)

【画像9】バジル、イタリアンパセリなどは風通しのいい場所で干してドライハーブに。イタリアンパセリやタイムなどは仕上げにオーブンで乾燥させると色や香りがよくなる(画像提供/藤井純子さん)

初心者にオススメ「ミントを使った簡単レシピ」

ミントは病害虫がほとんどつかず丈夫なので、ベランダで育てるのにオススメのハーブです。最近はフラワーショップなどにも苗が売られているので、すでに育てている人も多いかもしれません。ただ、このミント、育ちすぎて一体何に使ったらいいのか?と使いみちに頭を悩ませる人も多いそうです。

そこで、これからの暑い時期におすすめのミントを使ったレシピとして、簡単なモヒートのつくり方をご紹介します。

【画像10】仕上げにミントの葉を浮かべると見た目にも涼しげな夏のドリンクに(画像提供/藤井純子さん)

【画像10】仕上げにミントの葉を浮かべると見た目にも涼しげな夏のドリンクに(画像提供/藤井純子さん)

■材料
・フレッシュミントの葉 200g
・ラム酒 500ml
・レモン 1個
・ライム 1個
・氷砂糖 100g
・果樹酒用の瓶

■つくり方
1.瓶を煮沸消毒します。
2.ミントを洗ってペーパーなどで水気をとります。
3.レモン、ライムは皮をむき、白いワタはすべて取り除き、くし型に切ります。
4.瓶に氷砂糖、ミント、レモンの順に入れ、ラム酒を注ぎます。
5.冷暗所に置き、一週間後にレモンを、二週間後にミントを取り除きます。
 これでミント酒のできあがり。
6.ミント酒を無糖の炭酸水で割るだけで、モヒートの出来上がりです。

【画像11】ミントの種類は、スペアミントかペパーミントが香りがよく、オススメ(画像提供/藤井純子さん)

【画像11】ミントの種類は、スペアミントかペパーミントが香りがよく、オススメ(画像提供/藤井純子さん)

「買うのが当たり前だったハーブティーも、自分で育てたハーブを使うと、自然の豊かさや生命の営みを感じられますよ。私も育てている植物たちから勇気や励ましをもらっています」と藤井さんは語ってくれました。
自然栽培に近い形で、野菜やハーブを育てられるポタジェガーデン。ポタジェは、小さなスペースでも始められるので、興味をもたれた方は始めてみてはいかがでしょうか。

●取材協力
・藤井純子

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