リノベーションに適した中古一戸建てってどんな家?選び方のポイントは?

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「中古の一戸建て住宅を購入して自分好みの住まいにリノベーションしたい」という人が増えています。とはいえ、中古一戸建ての購入には注意すべき点が多く、どのように選んだら良いのか素人には分かりにくいこともたくさん。どんな条件の物件が良いのか、リノベーションしやすい物件を選ぶポイントは何か、注意すべき点とあわせて詳しくご紹介します。
中古の一戸建て住宅を購入してリノベーション、その魅力は?

中古一戸建てを購入してリノベーションするのは、新築の建売住宅や注文住宅を買うのとどんな違いやメリットがあるのでしょうか。

●建売住宅より魅力的な点
・購入費用が安く、リノベで好みの家を得やすい
国交省の「平成28年度住宅市場動向調査」によると分譲一戸建て住宅(建売住宅)の平均は3810万円、中古一戸建て住宅は2693万円で1100万円以上の差があります。リノベーションに1100万円を掛け、建売住宅と同じ予算を使った場合でも、自分好みの内装や設備を選べる分、画一的な建売住宅に比べて満足度は高いというケースが多いのではないかと思われます。

・流通量が多い
希望のエリアでなかなか新築物件を探すことは難しい場合がありますが、中古なら見つかる可能性が高くなります。

●注文住宅より魅力的な点
・購入費用が安い
国交省の「平成28年度住宅市場動向調査」によると土地を購入して注文住宅を建てる費用の平均は4194万円。既存の家を解体して建て替える場合は土地代が掛からないものの、3249万円が平均となっています。中古一戸建て住宅(もちろん土地代込み)の平均購入費用2693万円に比べて、それぞれ1501万円、556万円、高額になっています。

●中古一戸建て住宅の注意点
・構造の見えない部分の状態を確認できない
表面からは構造部分の状態が分からず、いざスケルトン状態にしてみたら補強工事等に予定外のコストが掛かってしまうケースも考えられます。診断費用は掛かりますが、ホームインスペクター(住宅診断士)や一級建築士など専門家に確認してもらうと安心です。

・瑕疵担保期間が短い
購入前に気づかなかった瑕疵(欠陥)があった場合、買主は売主から修理や保証を受けられます。新築は構造耐力上の主要部分と雨水の浸入を防ぐ部分について10年間の保証がありますが、中古住宅は売主が法人の場合で2年間、売主が個人なら3カ月と短く、なかには保証がない建物もあるので、契約書を確認するなど注意が必要です。
中古でも、リノベーション住宅推進協議会の品質基準で認定された「リノベーション適合住宅・R5住宅」のように、構造部分が5年、それ以外は2年の保証があるものもありますが、まだ登録件数が多くはないのが現状です。

【画像1】グレーの壁色の大きな吹抜け空間に白い階段を配して個性的に。その家が持つ特徴を最大限活かして魅力的な住まいに変身させるのが、リノベーションの力(写真提供/株式会社リビタ)

【画像1】グレーの壁色の大きな吹抜け空間に白い階段を配して個性的に。その家が持つ特徴を最大限活かして魅力的な住まいに変身させるのが、リノベーションの力(写真提供/株式会社リビタ)

【画像2】収まりの良い収納家具や造作のテーブルで、統一感のある空間に(写真提供/株式会社リビタ)

【画像2】収まりの良い収納家具や造作のテーブルで、統一感のある空間に(写真提供/株式会社リビタ)

【画像3】マンション事例ですが、既存の建物の古びた味わいや無骨さをそのままインテリアとして活かすのもリノベーションの魅力(写真提供/株式会社リビタ)

【画像3】マンション事例ですが、既存の建物の古びた味わいや無骨さをそのままインテリアとして活かすのもリノベーションの魅力(写真提供/株式会社リビタ)

リノベーションに適した中古一戸建て住宅は何をチェックすればいいの?

築年数の古いもの、比較的新しいもの、大きな家、小さな家、木造、RC造など、中古一戸建て住宅にはさまざまな家があります。そのなかで、リノベーションに適した中古一戸建てというのはどういうものなのでしょうか。

「中古の一戸建て住宅はマンションに比べて、条件や家の状態が多彩なため、物件を見極めることがとても重要です」と話すのは、株式会社リビタ、リノベーションフルサポートサービス事業部(リノサポ)の桜庭伸也さんと鈴木芽久美さん。お二人は、物件探しから資金計画、設計・施工会社選び、引き渡しまで、中古リノベーションのトータルサポートを担当しています。

【画像4】家を購入してリノベーションをする人をサポートしているリビタの鈴木芽久美さんと桜庭伸也さん(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

【画像4】家を購入してリノベーションをする人をサポートしているリビタの鈴木芽久美さんと桜庭伸也さん(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

「ポイントは、耐震性・コスト・構造になります」と桜庭さん、鈴木さん。

●2000年以降に申請された家は基本性能工事のコストが低く済む
「購入対象となる中古一戸建ての目安としては、木造住宅の改正建築基準法(現行法)が施行された2000年6月以降に建築確認申請された家がお勧めです。それ以前の建築基準法の耐震基準で建てられた家は耐震性が低い家がほとんどだからです。日本木造住宅耐震事業者協同組合(木耐協)の調査によると、1950年から2000年までに建てられた、2階建て以下の木造在来工法住宅の9割以上の家が、耐震性が不足しているそうです」

「安心して暮らすためには耐震補強工事が必要になりますが、その工事費の平均額は木耐協の2013年の調査によると、築年数によっておよそ95万から190万円程度が発生しています。2000年以降の現行法下で建てられた家なら、必要とされる耐震性が確保されているので、その費用は少なくて済みます」

【画像5】建物の築年数別に調べた木造住宅の耐震補強工事平均額(2013年度の調査データ)。古い建物ほど費用が嵩むことが分かります(調査データ提供/日本木造住宅耐震事業者協同組合)

【画像5】建物の築年数別に調べた木造住宅の耐震補強工事平均額(2013年度の調査データ)。古い建物ほど費用が嵩むことが分かります(調査データ提供/日本木造住宅耐震事業者協同組合)

●築20年程度の家は土地代だけで買える
「日本の中古住宅は築20~30年で不動産としての評価がゼロになり、解体を前提とした『古家付き土地』として売られていることが多いのですが、そうした築古物件は土地代のみで購入できます。購入コストを抑えれば、その分、リノベーション費用に掛けることができます。状態の良い家を見極められれば、耐震補強工事や劣化部分の補修など、きちんと手を入れて長く住み継ぐことができます。居住性能が向上するリノベーションを行えば、新築と同等の快適環境を手に入れることも可能です」

●大手ハウスメーカーなど、強い構造にこだわった会社の家は構造がしっかりしている
「例えば、一部大手ハウスメーカーなどのように、剛性の高い構造の家を建てている会社の家は、現在の建築基木造軸組工法準法の改正以前に建てられた家でも耐震基準を満たしているケースが多く見られます。そうした家なら耐震改修にかかるコストを抑えられるのです。特に、三井ホームなどが建てている2×4(ツーバイフォー)工法、積水ハウスなどが建てている軽量鉄骨造、旭化成ホームズなどが建てている重量鉄骨造はもともと頑強な構造で耐震性が高いのが特徴です」

●柱と梁を組む軸組工法は間取りの変更自由度が高い
「間取りを変更するリノベーションを行う場合は、変更しやすい工法とそうでない工法があるので注意が必要です。一戸建て住宅に最も多い『木造軸組工法』のように、柱と梁で構造が組まれている軸組工法の家は、壁をとって間取りの変更をするのが容易です」

「2×4工法」は壁で建物を支える構造なので、取り払えない壁が多く、間取りの変更に制約が生じます。「RC(鉄筋コンクリート)造」はラーメン構造と壁式構造の2タイプありますが、ラーメン構造なら改変可能です。

また、「プレハブ工法」は素材によって木質系、鉄骨系、コンクリート系に分かれますが、「鉄骨系プレハブ工法」は柱と梁の構造なので間取りの変更がしやすいのですが、木質系、コンクリート系は壁式構造なので難しい場合があります。
「特にボックス型ユニットを現場へ運んで積み上げるようなプレハブ工法の場合は、間取りの変更がほとんどできません」

鉄骨造は「重量鉄骨造」と「軽量鉄骨造」があり、いずれも柱と梁の構造ですが、軽量鉄骨は耐力壁(建物を支える壁)の移動に制約があることが多いです。

要注意!住宅ローンを組めない物件がある

次のような土地の場合、基本的に住宅ローン融資を受けられない、もしくは融資限度額が低く設定されることになるので、住宅ローンで購入費用やリノベーション費用の支払いを考えている人は、注意が必要です。しかし、こうした制約がある土地は販売価格が比較的安いという傾向があるので、コスト的に魅力的ではあります。

●「再建築不可」物件
通常、建物を建てるための土地は建築基準法で、幅4m以上の道路に敷地の2m以上が接している必要がありますが、その接道条件を満たしていない土地には、新たに建物を建築することができません。これを「再建築不可」といいます。

「リノベーションして住む分には問題ありませんが、もし火事で全焼なんていう事態になっても、家を新築することができないリスクがあります」。万一そういう事態になったら、土地を買い足して新築可の状態に変更することも考えられますが、うまく隣の土地を買えるかというと状況は難しいでしょう。

【画像6】左側が「再建築不可」の物件(筆者作図)

【画像6】左側が「再建築不可」の物件(筆者作図)

●「要セットバック」の物件
敷地に接する道路の幅が4m未満の土地では、「セットバック」といって、4m以上の道路幅を確保できるよう、建物を建てられる範囲が制限されます。また、将来、道路幅を片側2mに拡張することが決まったら、建物の一部を取り壊して「減築」しなければならなくなります。もし建て替えとなった場合は、要セットバックの部分を避ければ新築はできます。

【画像7】「要セットバック」のイメージ(筆者作図)

【画像7】「要セットバック」のイメージ(筆者作図)

●「建ぺい率」「容積率」オーバーの物件
「建ぺい率」と「容積率」がオーバーしている物件も住宅ローンが使えない場合が多いです。建ぺい率とは敷地面積に対する建築面積の割合。100m2の土地で建ぺい率が70%なら、建築面積70m2の建物を建てることができます。容積率とは敷地面積に対する延床面積の割合。100m2の土地で容積率が150%なら、延床面積150m2の建物を建てることができます。
「建ぺい率・容積率オーバーという違反物件は意外と多いのが実情です」

資料で判断せず、現地を訪れると魅力ある物件に出会えることも

「旗竿地、変形地、擁壁上に建つ家などは比較的人気が低く、その分、販売価格も抑えた価格であることが多いのですが、地図や間取図といった資料を見るだけでは実際の良さが分からない物件も多いです。現地を見てみると、静かな緑地に隣接していたり、高台で眺望が開けていたり、何らかの良さがある物件だと判明することも少なからずありますよ」

「また、通常、一般的な古家付き土地は、建売住宅の会社が購入して分筆(土地登記を分割すること)して家を建てて売り出すことが多いのですが、擁壁上の土地に建つ家は分筆できないので、そうした会社はあまり買わないため競争率は低いですね」

【画像8】高低差のある旗竿地に立つ家。図面ではなかなか分かりませんが、実際は町を一望できる高台に立地しています(写真提供/株式会社リビタ)

【画像8】高低差のある旗竿地に立つ家。図面ではなかなか分かりませんが、実際は町を一望できる高台に立地しています(写真提供/株式会社リビタ)

【画像9】住宅が建ち並ぶ一角に立つ、旗竿地の家とは思えないとびきりの開放感。都営住宅や中学校の敷地に面した借景を活かすよう、2階に大きな開口を設けました(写真提供/株式会社リビタ)

【画像9】住宅が建ち並ぶ一角に立つ、旗竿地の家とは思えないとびきりの開放感。都営住宅や中学校の敷地に面した借景を活かすよう、2階に大きな開口を設けました(写真提供/株式会社リビタ)

購入前には専門家に家をチェックしてもらう

リノベーションに適した物件の条件が分かったとしても、実際に中古一戸建ての状態はさまざま。探すとなると、やはりハードルは高いものです。暮らしたい街で中古住宅の扱いが多い不動産会社に物件探しを依頼したり、リビタのように、物件選びから竣工までをワンストップでサポートするリノベーション会社に依頼するのも良いでしょう(ただし、そうしたワンストップサポートを行う会社は少ないのが現状です)。

そして、購入したい中古一戸建てが決まったら、購入申し込み後の契約前に、耐震性、劣化具合など建物の状況を一級建築士、ホームインスペクターなどの専門家に見てもらいましょう。売主がホームインスペクションを行っている物件もありますが、ない物件は買主がきちんと確認を。築古の家は図面がないことが多く、基礎に鉄筋が入っているか、雨漏りはしていないか、シロアリ被害はないかなど、現場を見ないと構造がどうなっているか判断できません。

専門家に確認してもらうことで明らかな欠陥住宅を回避できますし、その物件がリノベーションに適しているか、耐震改修の必要度や工事費の目安なども事前に分かるので、安心して購入できます。設計担当者と一緒に確認すれば、実際の家を見ながら、間取りを構想したり打ち合わせたりすることもできて、分かりやすいです。

築古の家でも、適切にリノベーションすることによって、長く暮らせる心地よい住空間を生み出すことが可能です。数ある中古一戸建て住宅のなかから、リノベーションに適した魅力ある家を見つけましょう。

●取材協力
・株式会社リビタ

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