まだこんなにあったの!?違法貸しルームの危険性を再確認しよう

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「まだこんなにあったのか」というのが、筆者の感想だ。社会問題化した「違法貸しルーム」の最新の調査で、建築基準法違反が判明した物件数が全国で1456物件あり、1年前の前回調査から35件増加しているというのだ。違法貸しルームとはどんなものか、再度確認してみよう。【今週の住活トピック】
「違法貸しルームの是正指導等の状況について(平成29年8月31日時点)」結果公表/国土交通省ところで「違法貸しルーム」ってなんだっけ?

4、5年前に社会問題化したのが、「脱法シェアハウス」や「違法貸しルーム」などと呼ばれる、防火上の安全基準を満たさない賃貸住宅だ。

この問題が知られるようになったきっかけは、インターネットカフェ業者が、実際には多人数に賃貸しているのに、レンタルオフィスとして届けを出し、住宅に必要な火災報知器などを設置していないことが判明したこと。

簡単に仕切った小さなスペースを居住用として貸し出すことで、1人当たりの賃料を低く抑える代わりに、数多く貸して大きな利益を上げる仕組みだ。景気が悪かった当時は、賃料の安さにひかれて借りる人も多くいたのだが、景気が回復基調にある今でも、この仕組みが成立するということなのだろう。

問題となるのは居住の安全性だ。人が生活する住宅とするなら、建物の耐震性はもちろんのこと、火災が起きた場合に避難路を確保したり、火が燃え広がりにくいような建材を使ったりする必要がある。居室に日差しを取り込んだり、空気を入れ替えたりできる窓を設置したり、遮音性に配慮したりといったことも必要だ。こうした規制を定めているのが「建築基準法」だ。
ほかに、地方公共団体でそれぞれ条例を定めて、建築基準法よりもさらに厳しい基準を設けている場合もある。

国土交通省では、こうした建築基準法や地方公共団体の条例に違反している疑いがある貸しルームの通報を呼びかけ、平成25年6月から継続して調査や是正指導を行っている。

【画像1】違法貸しルームの事例(出典/国土交通省の資料より転載)

【画像1】違法貸しルームの事例(出典/国土交通省の資料より転載)

被災リスクのある違法貸しルームは、東京都に多い

踏査結果を見ると、平成29年8月31日時点で、建築基準法違反が判明した物件数は1456物件で、前年より35件増えている。是正指導を行ったのは1449物件で、こちらも前年より38件増えている。一方、是正が済んだ物件数は249物件で、このうち166物件は閉鎖している。

また、都道府県別では、建築基準法違反が判明した1456物件のうち1156物件が東京都で占める。最も多いのは新宿区の132物件だ。

違反の内容としては、必要な非常用照明装置が設置されていないもの(1035件)、必要な広さの窓先空地がないもの(858件)、防火上主要な間仕切壁が十分でないもの(703件)がTOP3。ほかにも、居室に必要な面積がなかったり、居室の窓がなかったり小さかったり、といった違反も多く見られる。

さて、窓先空地とは、火災時などで避難経路となるように、共同住宅の1階居室の窓の外側の敷地に一定の余裕をもたせること。防火上主要な間仕切壁とは、居室と廊下の間や居室間などの壁を防火性能の高いものし、天井裏まで到達するように設置することなどを指す。TOP3はいずれも、火災時などで避難を困難にする要因となり、被災者が増える危険性が高くなるものばかりだ。

【画像2】調査結果の概要(出典/国土交通省の資料より転載)

【画像2】調査結果の概要(出典/国土交通省の資料より転載)

説明してきたように、違法貸しルームは賃料が安くても、居住環境が極めて悪く、火災時に逃げ遅れるリスクなどが高い。仕事が不安定などの理由で、賃料の安さにひかれる人もいるかもしれないが、命と引き換えという実態もある。地方公共団体に住まいについて相談して、安全な住宅を借りるようにしてほしい。

●参考サイト
・国土交通省の違法貸しルーム関連情報

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