海自の韓国観艦式ボイコット、韓国会が旭日旗禁止法を発議に発展
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廃案が濃厚だが、反発は長く尾を引きそう

朴英南 (ジャーナリスト 在ソウル)(News Socra)

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旭日旗=PD

 10日~14日まで韓国の済州(チェジュ)で開催される「2018大韓民国海軍国際観艦式」に出席する予定だった海上自衛隊の駆逐艦が、旭日旗掲揚をしないよう韓国政府が求めたため、不参加を決めた。

 韓国の『中央日報』は5日、日本の不参加は、韓国政府が座乗艦(参加諸国の艦艇の観閲を受ける主催側の艦艇)を『独島艦』に変更するという案まで考慮しながら日本を圧迫した結果だと伝えている。

 韓国海軍は、建国50周年の1998年に初めて海軍の軍事パレードの観艦式に友好国と同盟国の観艦を招待する国際観艦式を開催した。友好国との海上安保協力を図って海上安保の力量を強化するという趣旨で行われたこの行事は、10年ごとに開かれる国際行事として定着した。

 参加国も1998年の11カ国、2008年の12ヵ国から、今年は15ヵ国へ拡大した。日本の海上自衛隊は1998年と2008年に続いて今年も招待を受けたが、旭日旗掲揚に対する韓国側の激しい反発により、友好増進どころか新しい葛藤の種を残したまま、不参加を決めてしまった。

 国際観艦式に海上自衛隊の駆逐艦が出席するというニュースが伝わった9月6日の当日から韓国マスコミでは旭日旗掲揚に対する懸念の声が出た。『連合ニュース』は、済州国際観艦式に関する海軍の定例ブリーフィングを伝えながら、自衛隊の出席に最も重点を置いて紹介した。

 同メディアは、海上自衛隊の軍艦が旭日旗をつけて参加するとみられるため、議論が予想されると伝えた。また、旭日旗は第2次世界大戦の際に日本軍が使った日本帝国主義の象徴だが、日本の海上自衛隊が部隊機として使用しているため、韓国国防部では「国際慣例に従い(韓国国民に)理解を求める」と説明したと報道した。

 済州島の地域新聞の『済州の声』は、「済州国際観艦式に旭日旗をかけた日本艦艇の参加が議論に」という記事で、海上自衛隊の参加が発表された直後から、帝国主義の象徴の旭日旗を掲揚して済州道に入ってくる日本自衛隊の入港を阻止してほしいという請願が大統領府の掲示板に書き込まれるなど反対世論が続出していると伝えた。

 旭日旗に対する反対世論が激しくなると、韓国海軍は観艦式に参加する各国の軍艦に、自国旗と主催国の国旗(太極旗)を掲揚するよう要請したと説明した。明らかに自衛隊の旭日旗掲揚を防ぐための措置だった。しかし、日本の小野寺五典防衛相が「海上自衛隊の軍艦に旭日旗を掲揚する」という立場を表明し、韓国内の非難世論がさらに高まった。

 10月1日、独島(日本名竹島)広報大使兼韓国広報大使として活躍しているソ・キョンドク氏は観艦式に参加する全世界の海軍と主要マスコミに「日本の海上自衛隊の旗は戦犯旗(戦犯国を象徴する旗)だと知らせ、『国際的な恥』をかかせてやる」と発表した。

 韓国最大の右派団体である『自由総連盟』は声明書を出し、「日本の海上自衛隊は観艦式で日本戦争犯罪の象徴である旭日旗を掲揚してはならない」と主張した。

 民主労総と全国農民総連盟などの左派団体で構成された「戦争反対平和実現国民行動」は、ソウルの旧日本大使館の前で旭日旗を日本刀で切るパフォーマンスを披露し、「戦犯国家の日本は来るな」と声を高めた。

 慶尚南道((キョンサンナムド)昌原(チャンウォン)市では、民主労総などが主導する「日帝強制動員労働者像・慶尚南道建設推進委員会」の会員50人余りが徴用工像の前でデモを行った。かれらは土に旭日旗を広げて珍島犬(韓国在来種の犬)に踏ませるパフォーマンスを展開する記者会見を行った後、旭日旗を破るパフォーマンスを行った。

 韓国の建国記念日である10月3日、ソウルの旧日本大使館の前で開かれた水曜集会(慰安婦被害者たちの定期集会)には一千人余りの中高生が雲集し、過去史に対する日本の謝罪と旭日旗を糾弾した。

 現在会期中の国会でも旭日旗に対する糾弾が続いた。何事にも対立してきた与党と野党が久しぶりに口をそろえて批判に乗り出した。『共に民主党』の6選議員で国会副議長を歴任した李錫玄(イ・ソクヒョン)議員は、領海及び接続水域法・航空安全法・刑法3つの法律の改正を通じて「旭日旗など日本帝国主義シンボルの使用を禁止する法案」を発議した。

 同改正案は、旭日旗などの帝国主義と戦争犯罪のシンボルを掲揚した船舶の領海通過禁止、旭日旗を付着した航空機に対する運航停止のほか、「旭日旗など帝国主義及び戦争犯罪を象徴する服・旗・マスコット、その他の小物を制作・流布したり、公共場所で付けたり、着たり、持つ者に対して2年以下の懲役や禁錮、または300万ウォン以下の罰金に処する」という内容も含まれた。

 右派性向の野党で知られる『正しい未来党』の申容賢(シンヨンヒョン・初選)議員も「日本帝国主義またはナチス・ドイツの軍国主義を象徴する旗、徽章や服を国内で製作、流布したり、公共場所で使用する者は1年以下の懲役又は1千万ウォン以下の罰金に処する」という内容の「軍国主義シンボル禁止法」を発議した。

 韓国国会の旭日旗禁止法発議は今回が初めてではない。慰安婦問題をめぐって日韓関係が冷え切っていた朴槿恵(パク・クネ)政権初期の2013年、 「日本政府が旭日旗の使用を『問題ない』とする公式見解を作成中だ」という産経新聞の報道(2013年8月6日)を契機に、韓国国会では当時の与党の『セヌリ党』による「日本帝国主義シンボルを使用する者は1年以下の懲役または300万ウォン以下の罰金に処する」という内容の刑法改正案を発議された。

 しかし、この法案は日本との外交関係を考慮して結局は国会任期満了で廃棄となった。

 今回、韓国国会で発議された旭日旗禁止法案も同じ運命をたどる可能性が濃厚だ。しかし、それとは別に、旭日旗をドイツのハーケンクロイチュ(ナチスの象徴機)と同一視し、「戦犯旗」と呼んでいる韓国国民の情緒を勘案すると、旭日旗をめぐる韓日両国の葛藤は今後、本格的に始まるものとみられる。

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