NY市場サマリー(10日)

(ロイター)

[10日 ロイター] - <為替> ユーロが対ドルで約1年ぶりの安値を付けた。トルコリラの急落を受けリスク回避の動きが広がるなか、欧州の銀行のトルコへのエクスポージャーを巡る懸念が意識されたことが背景。

リラ<TRYTOM=D3>は米国との関係悪化やトルコのエルドアン大統領の金融政策への影響力などが懸念材料となり急落。英フィナンシャルタイムズ(FT)紙が、リラ急落を受け欧州中央銀行(ECB)がスペイン、イタリア、フランスの銀行のトルコに対するエクスポージャーに懸念を示していると報じたことを受け、売りはユーロにも波及した。

こうしたなか米政府は朝方、トランプ大統領が通商拡大法232条に基づき、トルコから輸入するアルミニウムと鉄鋼に掛ける関税率をそれぞれ20%と50%に引き上げることを承認したと表明。これを受けリラとユーロはともに下げ足を速めた。

ユーロ/ドル<EUR=EBS>は1.1393ドルと、1.15%下落。下値支持線だった1.15ドルを下回り、2017年7月以来の安値を更新した。ユーロは対円<EURJPY=EBS>では1.56%安の126.03円となり、約2カ月ぶり安値を付けた。

リスク資産から資金が流出するなか資源国通貨が圧迫され、豪ドルは対米ドル<AUD=D3>で約1%安の0.7278米ドルと、2017年1月以来の安値を付けた。

朝方発表された7月の米消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は総合指数が前月比0.2%上昇し、市場予想と一致した。これを受け主要6通貨に対するドル指数<.DXY>はわずかに上昇した。

英ポンド<GBP=D3>は約1年ぶりの安値を更新。英国が条件で合意できないまま欧州連合(EU)から離脱する可能性があるとの懸念が引き続き重しとなっている。

<債券> 国債への買いが膨らみ、利回りは約2カ月ぶりの大幅な低下となった。トルコを震源とする不安が他の新興国市場にも波及する中、リスク選好が後退、安全資産とされる国債に資金が流れた。

トランプ米大統領は10日、トルコからの輸入関税について、アルミニウムを20%、鉄鋼を50%と2倍に引き上げると表明。ツイッターで「われわれとトルコの関係は現在は良くない!」と述べた。

為替市場ではリラが急落。対ドル<TRYTOM=D3><TRY=>で一時20%近く急落し最安値を付けたほか、1日の下落率としては2001年以来の大きさを記録した。こうした中、トルコのエルドアン大統領は、国民に対し保有するドルや金をリラに両替するよう訴えた。

ある市場関係者は、リラの急落やトランプ大統領の追加関税を受け、投資家の間で安全とみられる資産への選好が強まったと話した。

10年債<US10YT=RR>利回りは一時2.853%と約3週間ぶりの低水準を付けた。低下幅はイタリア不安が広がった5月下旬以降で最大。

経済指標では、7月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)が総合ベースで前月比0.2%上昇し、6月の0.1%からやや加速した。また振れの大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIの伸びは前年比で2.4%と、6月の2.3%を上回り、2008年9月以降で最大となった。統計は国債利回りの下げを抑える要因となった。

<株式> 下落して取引を終えた。トルコ経済巡る懸念で銀行株が下げ、リスク資産回避につながった。

テクノロジー株の下落も相場を押し下げた。S&P情報技術株指数<.SPLRCT>は0.8%安。ゴールドマン・サックスが投資判断を「セル」に引き下げたインテル<INTC.O>は2.6%下落。半導体メーカーのマイクロチップ・テクノロジー<MCHP.O>は第2・四半期の売上高見通しが市場予想を下回り、10.9%下落した。

トルコリラは対ドル<TRYTOM=D3>で一時約20%急落。トランプ米大統領がトルコに対するアルミ・鉄鋼関税引き上げを表明したことを引き金に売りが加速した。

週間ベースでは、ダウ工業株30種<.DJI>が0.6%、S&P総合500種<.SPX>は0.3%それぞれ下落。ナスダック総合<.IXIC>は0.3%上昇した。

S&P金融株指数<.SPSY>は1.2%安。シティグループ<C.N>が2.4%下げたほか、JPモルガン<JPM.N>やウェルズ・ファーゴ<WFC.N>、バンク・オブ・アメリカ<BAC.N>も安かった。

電気自動車メーカーのテスラ<TSLA.O>は0.9%高で終了。S3パートナーズのデータによると、テスラ株の空売り規模は、マスク最高経営責任者(CEO)がテスラ株非公開化案を公表した7日以前より拡大しているという。

この日発表された7月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は総合指数が前月比0.2%上昇し、6月(0.1%上昇)から加速。基調的な物価は引き続き底堅く、圧力が徐々に高まっていることを示唆した。

<金先物> トルコ・リラ急落を背景に安全資産として買われた一方、対ユーロでのドル高に押され、ほぼ横ばいとなった。中心限月12月物の清算値は前日比0.90ドル(0.0 7%)安の1オンス=1219.00ドル。

トルコの国内インフレ高進や対米関係悪化に警戒感が広がる中、トランプ米大統領が同国に対し鉄鋼・アルミニウムの関税引き上げを10日朝方に発表した。外国為替市場では、トルコ・リラが急落する中で、対ユーロでドルが急伸。ドル建てで取引される金などの商品に割高感が生じ、金は売られた。

一方で、トルコ・リラ急落をきっかけに国内、中東情勢の不安定化という懸念も広がり、投資家心理が悪化。安全資産として金を買う動きも広がった。このため、金相場は一時プラス圏に浮上する場面も見られた。

<米原油先物> 週末を前に持ち高調整の買い戻しが入り、3日ぶりに反発した。米国産標準油種WTIの中心限月9月物の清算値は、前日比0.82ドル(1.23%)高の1バレル=67.63ドル。ただ、週間では1.26%安となった。10月物の清算値は0.80ドル高の66.94ドル。

前日深夜からこの日未明にかけて、相場は一時マイナス圏に転落。外国為替市場でドル買い・ユーロ売りが急速に進行し、ドル建てで取引されるエネルギー商品の割高感につながった。

しかし、国際エネルギー機関(IEA)が早朝ごろに発表した月報で、2019年の世界石油需要増加見通しを日量150万バレルと、前回予想から同11万バレル引き上げたことがきっかけとなり、流れは反転。午前中はじりじりと上値を伸ばす展開となり、一時67.87ドルの高値を付けた。

午後に入り、米石油サービス会社ベーカー・ヒューズが発表した国内の石油掘削リグ稼働数は前週比10基増の計869基。しかし、トランプ米政権が7日、対イラン制裁の一部を再発動する中、国際石油市場の需給が徐々に引き締まるとの見込みが広がっているほか、週末を前に持ち高調整の買い戻しなどが入り、取引終盤も67ドル台後半の高値圏を維持した。

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