生まれ変わった「映画のまち」調布を住民の方と一緒に散策してみた

(SUUMOジャーナル)

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東京都心部と、自然豊かな高尾・多摩エリアの中間あたりに位置する調布。市内に映画・映像関連企業が多いことから「映画のまち」として栄え、かつては「東洋のハリウッド」とまで言われた街だ。近年は京王線調布駅の地下化、駅前広場の拡充などの再開発が進むが、街の変化は住環境にどのような影響をもたらしたのだろうか。変わりつつある「調布」の街を調査すべく、住民の方と一緒に歩いてみた。
2017年誕生の駅ビル「トリエ京王調布」

今回、街を案内してくれるのは調布在住歴18年の坪沼大輔(つぼぬま・だいすけ)さん。映画やドラマの撮影に携わる仕事をしており、「映画のまち」の案内人にはうってつけのお方だ。ちなみに好きな映画は『ニュー・シネマ・パラダイス』。

トリエ京王調布B館のビックカメラ(写真撮影/小野洋平)

トリエ京王調布B館のビックカメラ(写真撮影/小野洋平)

坪沼さんがまず案内してくれたのは、2017年に誕生した駅ビル「トリエ京王調布」。かつて地上にあった調布駅舎の跡地に位置し、ショッピングセンターのA館、家電量販店が入るB館、大型シネマコンプレックスが入るC館の3つから構成されている。

トリエ京王調布C館の映画フロア「イオンシネマ シアタス調布」(写真撮影/小野洋平)

トリエ京王調布C館の映画フロア「イオンシネマ シアタス調布」(写真撮影/小野洋平)

なかでも注目すべきは、「イオンシネマ シアタス調布」。「映画のまち」に6年ぶりに誕生した映画館だ。動きや香り、光などの演出効果が人気の体験型アトラクションシアター「4DX」や東日本では初となる立体音響テクノロジー「GDC featuring dts-X」を採用したシアターがあり、これには映画好きの坪沼さんも歓喜したそうだ。

ちなみに4月13日からは、往年の名画を1年間にわたって連続上映するイベント「午前十時の映画祭」がイオンシネマ シアタス調布でも始まり、最新のスクリーンで『タイタニック』や黒澤明監督作品などが楽しめる。

「往年の名作映画を最新の設備で見られるのはうれしいです。個人的には早く『七人の侍』をスクリーンで見たいですね」(坪沼さん、以下同)

充実度を増した調布駅前

新たな駅ビルの誕生は、市民の生活利便性も大きく向上させたという。

トリエ京王調布A館に入る成城石井(写真撮影/小野洋平)

トリエ京王調布A館に入る成城石井(写真撮影/小野洋平)

「駅前に来れば、そろわないものはないと思います。以前から調布駅前にはPARCOをはじめ、西友や東急ストアがありましたが、今回駅ビルの中にグローサラント(※)型店舗の『成城石井』が登場したんですよ」

(※)グローサラント:食品販売店の「グローサリー」と「レストラン」を合わせた造語。店で売っている食材をその場で調理した料理を、飲食スペースで楽しむことができる。

トリエ京王調布C館の横にある「てつみち」。木製の家具や人工芝のカーペットは親子の憩いの空間となっている(写真撮影/小野洋平)

トリエ京王調布C館の横にある「てつみち」。木製の家具や人工芝のカーペットは親子の憩いの空間となっている(写真撮影/小野洋平)

また、最近では駅前に、子育て世代に向けた公園や保育園などの施設も徐々に増えてきているという。

「市役所や大病院なども駅から徒歩圏内ですし、生活の充実度はかなり増したと思います」

調布市民待望のとんかつ屋も復活行きつけの飲み屋が並ぶ北口(写真撮影/小野洋平)

行きつけの飲み屋が並ぶ北口(写真撮影/小野洋平)

一方、老舗店が並ぶ「天神通り商店街」や飲み屋がひしめく「調布百店街」など、昔ながらの街並みも健在だ。

「この先には調布市民ならば、知らない人はいない『とんかつ屋』があるんです」と、坪沼さんが案内してくれたのは、駅北口から徒歩5分のところにある「かつ元」。

調布駅から徒歩5分(写真撮影/小野洋平)

調布駅から徒歩5分(写真撮影/小野洋平)

創業は1976年。調布駅の隣駅「布田駅」で35年間営業を続け、土地区画整理のため、2012年に調布市国領へ移転。その後、オーナーの体力的な理由もあり一時は閉店したが、この味を受け継ぎたいという弟子の熱意により復活。2015年、ふたたび布田に店を構えることになったそうだ。

自慢のロースかつ定食。肉は岩手県産の「岩中豚」を使用している(写真撮影:小野洋平)

自慢のロースかつ定食。肉は岩手県産の「岩中豚」を使用している(写真撮影:小野洋平)

坪沼さんも昔からの常連の1人。「働き始めたころはお金がなくてなかなか食べられなかったけど、今では自分へのご褒美として食べに来ています」と、顔をほころばせる。

映画館に加え、長年愛され続けた名店まで復活し、昔ながらの住民も大いに喜んでいるようだ。

駅から多摩川に続く、住宅街や撮影所

食事の後は、散歩がてら調布駅南側を流れる「多摩川」を目指すことに。

大映製作の特撮時代劇映画「大魔神」がお出迎え(写真撮影/小野洋平)

大映製作の特撮時代劇映画「大魔神」がお出迎え(写真撮影/小野洋平)

途中、「日活調布撮影所」や「角川大映スタジオ」など、今も映画を制作する現役の撮影所を発見。

「もともとは日本映画株式会社が調布に『多摩川撮影所』を設立したことが『映画のまち』と呼ばれるようになったゆえんなんです。今でも東京現像所や美術、特機(撮影の機材)を扱う映像関連の企業は残っています」

多摩川沿いの住宅街(写真撮影/小野洋平)

多摩川沿いの住宅街(写真撮影/小野洋平)

さらに歩を進め日活撮影所を越えると、戸建ての住宅街が広がっていた。

「駅前は再開発によってマンションが多く建ち、若年層のファミリーが増えたような気がしますが、品川通りを越えると戸建てが多い印象です」

このあたりの住民は車もしくは自転車を使って駅に向かうそうだ。なお、駅に向かうバスの本数も多いため、生活の足には困ったことがないとのこと。

「調布は自然も多く残っているけど、意外に交通も至便で特急電車に乗れば新宿まで15分、車でも30分ほど。調布ICを使えばさらに早く着きますよ」

山梨・東京・神奈川を流れる多摩川(写真撮影/小野洋平)

山梨・東京・神奈川を流れる多摩川(写真撮影/小野洋平)

調布駅から歩くこと20分、市民の憩いの場、多摩川に到着。花見シーズンとあって平日でも多くの人でにぎわっている。

「私も休みの日には読書をしたり、ランニングをしていますが、用もないのに来てしまうときもあります。そういう方はけっこう多いみたいですよ(笑)。やはり市民にとって多摩川の存在は大きいんだと思います」

国道114号線の桜並木(写真撮影/坪沼大輔)

国道114号線の桜並木(写真撮影/坪沼大輔)

そう語る坪沼さんに、“心の拠り所”である多摩川沿いの桜並木を撮ってもらったら、どこかの映画のワンシーンで使われていてもおかしくないカットになった。さすがプロ。

調布近辺の家賃相場は?

最後に、調布の気になる家賃相場を見てみよう。調布駅周辺の一人暮らし用賃貸物件の相場は6.4万円。調布駅は京王線、京王相模原線が乗り入れており、京王線の特急を使えば、新宿駅まで2駅でいける便利な駅だ。坪沼さんいわく、京王線沿線には大学が多く集まっているため、一人暮らしの学生も多いという。

調布をまとめてみると……
・新たに駅ビルが誕生したことで市民の生活利便性は飛躍
・オープンした映画館には最先端の設備がある
・撮影所をはじめとする映像関連会社が残っている
・子育てがしやすい設備・環境も徐々に増えてきている
・多摩川沿いには戸建てが並び、バスや自転車を多く利用している
・多摩川は市民の憩いの場となっている

都市のような利便性と豊かな自然が共存する街・調布。「映画のまち」としての誇りも残っており、今後は映画を使ったまちづくりにも期待がかかる。時にのどかな多摩川に癒やされ、時には映画の世界にどっぷり浸るーー。そんな生活に筆者も思わず憧れてしまった。

●調査概要
【調査対象駅】調布駅
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、面積10平米~40平米、築年数40年未満、ワンルーム・1K・1DKの物件(定期借家を除く)
【データ抽出期間】2017年121~2018年228
【家賃の算出法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンション)の管理費を含む額賃料から中央値を算出(家賃20万円以内)

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