カナメ・キャピタル、フクダ電子会長による経費不正利用について、第三者委員会による再調査を要求
2026/5/19 3:26 ビジネスワイヤ
ボストン--(BUSINESS WIRE)-- (ビジネスワイヤ) -- カナメ・キャピタル(以下「弊社」)は、弊社の投資先であるフクダ電子株式会社(証券コード:6960、以下「フクダ電子」)の代表取締役会長・福田孝太郎氏(以下「福田会長」)による会社の私物化を同社の重要な問題と捉え、これまで複数年にわたり株主提案・株主代表訴訟の提起等を通じて改善を求めて参りました。
フクダ電子は、2026年5月14日、「当社代表取締役会長による経費の不適切利用等と再発防止策に関するお知らせ」と題するリリース(以下「本件開示」)において、福田会長による①本社地下駐車場の私的利用、②会社経費の私的流用、③スポーツ観戦チケットの私的利用、④社用車運転手の私的利用の4類型の不適切利用(総額1億5,449万7,155円相当)が判明したとして、福田会長との弁済契約の締結、再発防止策の策定、及び関係役員の報酬の自主返納を公表しました。
本件開示は、弊社が2026年4月7日付けで会計監査人を経由してフクダ電子監査役会に対し提出した調査結果報告書(以下「弊社報告書」)を端緒として、監査役会が実施した調査に基づき行われたものです。弊社は、監査役会が、創業家2代目の筆頭株主・代表取締役会長という絶対的権力者である福田会長に対する調査に着手し、弊社の指摘した事実関係が概ね確認されたことについて、一定の評価をしております。
しかし、監査役会の調査は、対象事実・対象期間・認定金額のいずれにおいても明らかに不十分であり、また、再発防止策や処分の内容も、重大な不正行為が少なくとも過去10年にわたり継続するという構造的問題に対する応答としては全く不十分です。加えて、調査への協力を申し出る弊社からの要請にもかかわらず、監査役は弊社との面談に応じておらず、わずか1か月程度の独自調査により強引な幕引きを図ろうとすることは極めて不誠実です。
そこで、弊社は、本日付けで同社取締役会及び監査役会宛てのレターを送付し、日本弁護士連合会「企業不祥事における第三者委員会ガイドライン」に則した第三者委員会の設置と再調査の実施を要求いたしました。あわせて、フクダ電子の事業がその売上の相当部分を国民の社会保険及び公的医療制度に依拠していることに鑑みれば、本件は医療利用者・医療従事者・国民全体に対する説明責任の問題でもあり、弊社が把握する情報をすべてのステークホルダーの皆様に対して公表する必要があるとの判断に至りました。なお、今回の公表については、情報提供者からの承諾も得ております。
1. 弊社報告書の概要
弊社は、フクダ電子の内部関係者から、福田会長による広範な会社資産の私的利用に関する情報提供を受けたことから、外部弁護士に調査を委託して弊社報告書を取りまとめました。本件開示は、弊社報告書において指摘した事実関係が概ね正確であったことを確認するものです。
弊社報告書において指摘した主要な事実は、以下のとおりです(プライバシー等の観点から一部を黒塗りした弊社報告書本体を別添として併せて公表いたします)。
(1) 本社地下駐車場の私物化:福田会長は、東京都文京区本郷のフクダ電子本社地下駐車場に、フェラーリ等のスポーツカー・クラシックカーを継続的に30〜40台駐車していました。地下駐車場はセキュリティにより入場が制限され、福田会長と一部の者以外は立ち入りができない構造となっています。そもそも、総額約82億円をかけて2021年に竣工した本社の地下スペース自体が福田会長個人の私用車を保管するために設計された蓋然性が高いといえます。
(2) 私的飲食費の経費流用:福田会長は、東京・有楽町のフランス料理レストラン「アピシウス」において、約380万円のロマネコンティ等の高級ワインを伴う私的会食を行い、その代金400万円超を、出席者名を虚偽申告した上で会社経費として処理させていました。このワイン1本の値段は、フクダ電子の心電計製品よりも高額であり、従業員の平均給与の約5ヵ月分に相当します。このほかにも、百万円単位の高額飲食費の虚偽計上は年に数回、40万円以上の飲食費の虚偽計上は月に数十回行われており、正しい出席者名による精算は月2回程度しか存在しませんでした。
(3) 東京ドームVIPシートの私的配布:フクダ電子が契約していた読売ジャイアンツVIP観覧席シーズンチケットは、そのほとんどが、福田会長の友人など業務とは無関係な私的知人に送付されており、社内の経費申請の際には、実際の送付先とは異なる名前が記載されていました。
(4) 社用運転手の私的利用・本社8階設備の私物化:フクダ電子が派遣を受けている運転手を、福田会長の個人車両の移送、私的な買い物への送迎、自宅への家電製品の搬入等に継続的に利用していました。また、本社8階には、福田会長の希望によりプライベートな寿司用カウンターやバーカウンターが設置され、ふるさと納税の返礼品の肉や私的に購入した日本酒の保管場所として用いられ、福田会長が私的に親しくする友人・知人を招いた懇親会に用いられていました。
2. 監査役会による調査は不十分であり、重大な問題を含んでいること
本件開示は、弊社報告書において指摘した事実関係を概ね確認するものですが、調査の対象事実・対象期間・認定金額・調査主体のいずれにおいても重大な問題を含んでいます。
(1) 金額の過少認定:フクダ電子は本社地下駐車場の私的利用について「最大28台・58か月分・7,547万円」と認定していますが、そもそも地下駐車場全体が福田会長によって専有使用されていた事実が看過されています。地下1階の登記面積1,756㎡(531坪)と東京23区大規模ビル平均賃料単価28,409円/坪/月を前提に試算すると、2022年3月以降の利益供与額は約7億2,000万円に達し、フクダ電子認定額は弊社試算の約1割にすぎません。交際費についても、同社は過去10年間について2,322万円(年平均約232万円)と認定していますが、弊社報告書によれば1回の会食だけで400万円超の不正利用が確認されているのであり、フクダ電子による認定額は明らかに過小です。
(2) 調査対象事実及び対象期間の便宜的設定:フクダ電子による調査は、弊社報告書において指摘した範囲を超えて新たな不正を一切認定していません。しかし、弊社報告書は、情報提供者からの情報提供に基づく初期調査であり、福田会長による会社財産の私的利用の全容を網羅したものではありません。弊社報告書は、当人がたまたま把握し得た問題点を指摘するものに過ぎず、弊社報告書が指摘した事項の他にも不正行為が行われている蓋然性は極めて高いといえます。調査対象を弊社報告書の範囲に止めることが不十分であることは明らかです。
また、フクダ電子は、不正行為について「少なくとも過去10年間」とのみ認定しています。しかし、福田会長は1985年8月以降、40年以上にわたって代表取締役の地位にあります。「10年」という区切りに合理的根拠はなく、便宜的な区切りにすぎません。
(3) 背景事情の調査欠落:本件開示は不正の手口について「私的な目的に使用」「業務との関連性につき不明又は疑義のある」と表現するにとどまり、毎月の経費精算書において実際の会食出席者を虚偽申告するという積極的な隠蔽行為の存在に全く言及していません。本件開示は、福田会長による不正行為の背景事情や根本原因の考察を欠いています。
(4) 調査主体の独立性の欠如:弊社は、企業トップによる不正行為の事案であることから、適正な調査を実施するために第三者委員会による調査を求めていました。しかし、フクダ電子は、監査役会による調査しか実施せず、監査役会による調査に協力したとされる外部専門家の名称、選任主体、費用負担者、調査対象範囲、利用可能な証拠の範囲、調査対象期間のいずれも開示されていません。しかも、弊社代理人弁護士は、本年4月の弊社報告書送付後に監査役に対し面談を要請しましたが面談は実施されず、情報提供者へのヒアリングも実施されないまま、本件開示に至りました。そもそも、フクダ電子の監査役は、2名が主要取引先銀行出身、残る1名も福田会長の昔からの友人と指摘されており、監査役会の独立性には疑義があります。
3. 第三者委員会による再調査等の要求
以上のとおり、フクダ電子による調査は、構造的不祥事に対する応答として明らかに不十分です。弊社は、同社取締役会及び監査役会に対し、本日付け公開レター(別添)により、以下を正式に要求いたしました。
(1) 監査役会による調査内容や認定事実の詳細について説明する記者会見の開催
(2) 日弁連ガイドラインに則した第三者委員会を設置し、福田会長の代表取締役在任期間40年余りの全期間を対象とする網羅的な再調査の実施
(3) 当該再調査の結果に従った、過去の有価証券報告書(役員報酬・関連当事者取引等)の訂正、及び税務申告の訂正等の実施
(4) 福田会長による不正行為が長期間にわたり社内で検知されなかった内部統制環境の機能不全について、当事業年度の内部統制報告書における誠実な説明
(5) 福田会長及び長年これを認識しつつ見過ごしてきた白井大治郎社長の経営責任の再検討
公開レターに対する回答期限は、2026年5月21日(木)までと設定しております。なお、フクダ電子は、2026年5月22日(金)午後4時から決算説明会を予定しております。フクダ電子から上記回答期限までに十分な回答がなされない場合、報道機関や関係者の皆様におかれては、この決算説明会に出席して本件に関する質問をすることをご検討ください。
4. 補足──株主代表訴訟で問題となっている会社私物化との連続性
弊社は、福田会長による会社私物化に係る事実関係を理由として、2024年7月30日、福田会長を被告とする株主代表訴訟を提起しており、現在も審理が進行中です。本件で表面化した私的経費流用は、こうした長年にわたる構造的な会社私物化の一断面にすぎないと弊社は考えています。本訴訟における請求の要旨は次のとおりです。
(1) 恣意的な高額報酬の支払い:2015年3月期に1億3,600万円であった福田会長の報酬額は、2023年3月期には4億3,400万円(約3.2倍)にまで急増しました。同期間、フクダ電子単体の従業員平均給与はほぼ横ばいです。フクダ電子においては取締役個別報酬額の客観的算定基準が定められておらず、福田会長自身に決定権限が委ねられた状態が続いており、会社法が要求する手続を満たしていない疑いがあります。
(2) アトミック産業を通じた長期的な利益移転:フクダ電子は1964年頃から、創業家所有のアトミック産業株式会社との間で、心電計用記録紙等の供給を受ける取引を継続してきました。アトミック産業は軽装備・少人数で運営されているにもかかわらず、毎年5億円前後の営業利益(営業利益率約30%。同業他社の営業利益率は約2%)を計上し続けていました。フクダ電子は2015年5月にアトミック産業を株式交換により完全子会社化し、その対価として当時の時価で総額約265億円相当のフクダ電子株式を創業家側に交付しています。
本訴訟において、フクダ電子は、裁判所の求めた資料の提出を拒絶し、福田会長の個別報酬決定過程・算定根拠やアトミック産業との取引の詳細等について、いまだほとんど説明を行っていません。こうした説明拒絶も、フクダ電子が上場企業として求められる説明責任を軽視していることを如実に示しています。
5. 結語──フクダ電子は医療機器メーカーとしての公的責任・説明責任を果たす必要がある
フクダ電子は、心電計の国内シェアで長年トップに位置する医療機器メーカーであり、その売上の相当部分は、国民が拠出する社会保険及び公的医療制度を原資としています。福田会長が私的に流用してきたフェラーリ・クラシックカーの駐車場費用、ロマネコンティを伴う高級会食費、東京ドームVIP席の年間契約料──これらの原資は、本来、医療現場のサービス向上に、あるいは現場で医療を支えるフクダ電子従業員の処遇改善に配分されるべきものでした。
フクダ電子は日本全国に220の拠点を擁し、地域医療機関も含めて広範なサービス提供を行っていますが、東京都文京区の本社で私利私欲を追求する福田会長の不正行為は全ての現場従業員に対する裏切りであり、その士気低下を招くことによる企業価値への損害は計り知れません。
長年にわたって会社を私物化してきた福田会長の責任、及びこれを認識しつつ見過ごしてきた白井大治郎社長の責任は、極めて重大です。本件は、A4紙2枚程度の自主開示と、役員報酬の自主返納で幕引きを図ってよい話ではありません。
弊社は、フクダ電子が、福田会長による会社私物化と決別し、医療機器メーカーとしての公的責任・説明責任を果たすことを強く求めます。福田会長は、創業家2代目として40年以上にわたり同社の絶対的権力者の地位にあり、その是正は、社内の自浄作用のみでは期待し難い状況にあります。弊社は2023年の株主提案以来、福田会長への批判を公に行ってきましたが、その間会社を憂慮するステークホルダーの方々から複数の情報提供を受けており、今回の弊社による調査もそうした勇気ある情報提供者の存在により可能になりました。
本件の構造的問題を是正するためには、株主、従業員、取引先、医療従事者、そして公的医療制度を支える国民を含むすべてのステークホルダーの関与が必要不可欠です。弊社は、本件に関心をお持ちのすべての皆様に対し、声を上げていただくことを強く要請いたします。もし直接声を上げることが難しい場合には、弊社が株主という立場を活かしてその代弁者になりたいと考えています。
ステークホルダーの皆様から弊社に寄せていただける情報があれば、contact@kanamecapital.comまでご連絡ください(匿名可)。
なお、公開レターは日本語・英語それぞれで作成しており、日本語が英語に優先します。以 上
【別添】
① 公開レター「貴社2026年5月14日付け開示に対する第三者委員会の設置及び再調査の要求」(2026年5月18日付け)
https://9b5cc9f0-1871-48d4-9379-a0f7002dcedd.usrfiles.com/ugd/9b5cc9_3475f89e0e2d4bc1b009532f07e9ef5d.pdf
② 調査結果報告書(初期調査)(2026年4月7日付け、一部黒塗版)
https://9b5cc9f0-1871-48d4-9379-a0f7002dcedd.usrfiles.com/ugd/9b5cc9_e4ef46da215647618113640320942440.pdf
③ 訴状(2024年7月30日付け)
https://9b5cc9f0-1871-48d4-9379-a0f7002dcedd.usrfiles.com/ugd/9b5cc9_ae1c0a8feba24d2191c32604a4fd9e36.pdf
businesswire.comでソースバージョンを見る:https://www.businesswire.com/news/home/20260518814558/ja/
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