CEATEC 2025、AIと新領域で未来を共創する総合展へ
2025/9/16 1:27 ジョルダンニュース編集部

日本を代表するデジタルイノベーションの総合展示会「CEATEC 2025」が、2025年10月14日から17日までの4日間、千葉・幕張メッセで開催される。「Innovation for All」「100,000人のイノベーターと出会う4日間」を掲げ、AI技術やスタートアップに焦点を当てた新たな試みを展開する。
CEATECの主催は一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)で、一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)と一般社団法人コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)が共催に入る。9月11日に、事前の記者発表会を開催し、鹿野清エグゼクティブプロデューサーが今年の概要を説明した。

CEATECは2000年にスタートし、昨年25周年を迎えた。特に昨年は、モビリティ産業との連携や、スタートアップ企業・大学研究機関が多数出展するなどの施策により、来場者の滞在時間が長時間化し、活発な交流が生まれた。過去25年間で3番目に多い808社・団体の出展と、11万2,000人を超える来場者を記録し、盛況のうちに幕を閉じた。平均滞在時間が4時間を超える来場者が約半数に達し、6時間以上滞在する来場者も6割を超えたというデータは、来場者が単なる見学にとどまらず、出展者との対話を通じて新たなビジネスや技術のヒントを探していることを示している。同展は、鹿野清エグゼクティブプロデューサーは「日本経済のほぼすべての産業界をカバーできる総合展示会として、競争と共創の場を提供したい」と意気込みを語った。
今年のCEATEC 2025は、展示会場を大きく3つのエリア「パーク」に分けて展開する。AI技術のさらなる深化と社会実装に焦点を当てた「AX(AIトランスフォーメーション)パーク」、国内外の企業や団体がパートナーと共に出展する「パートナーズ&グローバルパーク」、そしてスタートアップや研究機関、大手企業の新規事業部門が集結する「ネクストジェネレーションパーク」だ。
昨年の「AI For All」から名称を変更した「AXパーク」は、AIが生活やビジネスのあらゆる場面で活用される現状を体感できるエリアとなる。生成AIに留まらない多様なAIアプリケーションやソリューションが展示され、企業だけでなく、大学や独立研究機関、スタートアップも出展する。4日間の会期中、特設ステージでは、AIエージェントやアニメーション制作におけるAI活用など、具体的なテーマで講演やパネルディスカッションが予定されており、来場者はAI技術の今と未来を深く掘り下げて理解できるだろう。

「パートナーズ&グローバルパーク」は、国内外の多様なプレイヤーによる共創を促す。特に注目されるのは、スマートホーム技術を集結させた「暮らしのDXパビリオン」と、DX技術が未開拓な海洋分野に焦点を当てた「海洋デジタル社会」だ。このエリアでは、大手家電メーカーやハウスメーカーなどが共同で出展し、来場者はデジタル技術が暮らしをどのように豊かにするかを実際に体験できる。また、海外勢では今年、ラトビアやウズベキスタン、さらにはウクライナからの出展も予定されており、普段なかなか接する機会のない国のIT技術に触れる貴重な機会となる。
従来の「スタートアップ&ユニバーシティ」を改名した「ネクストジェネレーションパーク」は、スタートアップや大学、研究機関に加え、大手企業の新規事業部門も加わることで、多様なアイデアと技術の化学反応を促す。出展者専用のステージや、マッチングツールも用意され、出展者同士が活発な議論を交わし、新たなビジネス創出につながることを目指している。
展示会と並行して開催されるカンファレンスも充実している。4日間の会期中、180を超えるセッションが開催される予定だ。初日のオープニングセッションでは、「AIエージェント産業革命と日本のポテンシャル」をテーマに、AIを活用した企業コンサルティングやコンテンツ制作の専門家が登壇する。10月14日の会期初日には、本田技研工業の三部敏宏社長、三菱電機の漆間啓社長らが登壇予定だ。
また、サステナブル社会の実現に向けたパネルディスカッションや、地方創生2.0をテーマにしたシンポジウムも開催され、社会課題の解決にデジタル技術がどう貢献するかを議論する。最終日には、大阪・関西万博のレガシーや「空飛ぶクルマ」など、未来の社会像に関する講演も予定されており、来場者の知的好奇心を刺激するプログラムとなっている。

鹿野エグゼクティブプロデューサーは「CEATECは常に進化を続けている。新たな技術やアイデアが生まれ、異なる産業が交わるこの場所で、参加者全員が未来へのヒントを発見できることを願っている」と語った。