モネ没後100年、2026年に祝祭 ノルマンディーとパリ、100超の行事
2025/12/23 13:32 ジョルダンニュース編集部

印象派の巨匠クロード・モネ(1840~1926)の没後100年となる2026年、フランスのノルマンディー地方とパリ地方で大規模なプロジェクト「印象派を巡る旅2026」が展開される。フランス観光開発機構、ノルマンディー地方観光局などが12月17日、都内で開いた記者発表会で詳細を説明した。同プロジェクトでは、モネの足跡をたどる旅の提案や、現代アーティストによる新作展示など、100を超えるイベントが予定されている。

中心となるのは、2026年5月29日から9月27日まで開催される「ノルマンディー印象派フェスティバル2026」だ。今回のテーマは「庭園―モネへのオマージュ」で、ノルマンディー全域が祝祭の舞台となる。前回の2024年開催時には、来場者数が過去最多の200万人を記録し、8000万ユーロ(約148億円)の経済効果をもたらすなど、世界的な注目を集めている。
2026年の特別エディションでは、モネの精神を現代に受け継ぐ試みとして、国際的な現代アーティストらによる60以上のプロジェクトが開催される。日本からは、写真家・映画監督の蜷川実花氏が参加し、ルーアンの大聖堂でのプロジェクションマッピングや屋外展示を行うほか、彫刻家の中谷芙二子氏による「霧の彫刻」がオンフルールで披露される予定だ。このほか、中国の蔡國強(ツァイ・グオチャン)氏による火薬を用いたパフォーマンスや、アイ・ウェイウェイ氏のインスタレーションなど、視覚芸術からダンス、音楽まで多岐にわたる表現が公共空間を彩る。

また、本プロジェクトでは「モネ流の『この一瞬』を楽しむ」として、鑑賞者が巨匠の私生活や創作の源泉に触れる体験型の旅を提唱している。世界最大のモネ・コレクションを誇るマルモッタン・モネ美術館や、代表作「睡蓮」が並ぶオランジュリー美術館といったパリの主要施設に加え、モネが晩年を過ごしたジヴェルニーの家や庭園を訪ねるルートが紹介されている。
さらに、単なる鑑賞にとどまらない、五感で印象派を体感するアクティビティも充実させる。モネが描いたエトルタの断崖で絵画を学ぶワークショップや、パリからル・アーヴル、ドーヴィルまでを自転車で走る「セーヌ河畔のサイクリング旅」など、現代の旅行者に向けた新しい「印象派の旅」のスタイルを提示している。
没後100年を機に、モネが愛した光と色彩の風景は、歴史的な遺産としてだけでなく、現代アートと共鳴する新たな文化の拠点として再び脚光を浴びることになりそうだ。

◇フランス観光開発機構のイベント紹介ページ
印象派を巡る旅2026 、ノルマンディーとパリ地方で祝うモネ没後100年
https://www.france.fr/ja/unmissable/monet-impressionnisme-2026/









