TechGALA Japan、名古屋で開催 ディープテックと製造業の融合探る
2026/2/2 19:07 ジョルダンニュース編集部

中部圏から世界へイノベーションを発信する日本最大級の祭典「TechGALA Japan 2026」が2026年1月27日から29日の3日間、名古屋市で開催された。2回目となる今回は、前年を上回る約6000人が参加し、出展企業数は250社に達した。中部経済連合会や愛知県、名古屋大学などで構成する「Central Japan Startup Ecosystem Consortium」が主催し、今回は新たに浜松市も参画。地域の強みである「モノづくり」と先端技術を掛け合わせた「ディープテック」をテーマに、世界のスタートアップと日本の産業界をつなぐ共創の場となった。
米スタートアップがピッチ優勝、製造現場のAI活用で
イベントの中核となるピッチコンテスト「Grand Pitch 2026」は28日に行われた。世界200社以上の応募のうち約8割を海外企業が占め、予選を勝ち抜いた10カ国・地域の15社が登壇した。

優勝したのは、米国のスタートアップであるUnitX Inc.(ユニットエックス)だった。同社は製造業向けにAIと独自の撮像技術を活用した自動外観検査システムを展開しており、日本の強固な製造業基盤との親和性が高く評価された。UnitXは「日本はアジアで最も重要な市場の一つ。特に名古屋を中心に日本のメーカーのために尽力したい」とコメントした。

2位には長距離・非接触ワイヤレス給電技術を開発するカナダのAWL-Electricity Inc.、3位にはがん細胞の抗酸化システムを破壊する経口抗がん剤を開発する日本のFerroptoCure Inc.(フェロプトキュア)が入賞した。入賞企業の顔ぶれは、海外の革新的な技術が日本市場、特に製造業への実装を目指している現状を浮き彫りにした。
基調講演は、ナイキの「フューチャリスト」 人間中心のイノベーション説く
会場は名古屋・栄地区の中日ホール&カンファレンスと、2024年に開業した国内最大級のスタートアップ支援拠点「STATION Ai(ステーションエーアイ)」を中心に展開された。
基調講演には、スポーツ用品大手ナイキの「フューチャリスト(未来学者)」であるモニカ・ビエルスキテ氏が登壇。同氏は、テクノロジーを魔法のように扱うのではなく、身体や科学に基づいた現実的な未来「プロトピア(Protopia)」という概念を提唱し、単なる技術礼賛ではない人間中心のイノベーションの重要性を説いた。
オープニングセレモニーでは、大村秀明愛知県知事や広沢一郎名古屋市長、今回から主催に加わった浜松市の中野祐介市長ら産官学のトップが集結。「提灯」で未来を照らし、「熊手」で福をかき集めるパフォーマンスを行い、地域一丸となってイノベーションを推進する姿勢を示した。総合プロデューサーの奥田浩美氏は、今年は「アウトリーチ(攻めの姿勢)」を掲げ、インドやシンガポール、韓国などへ直接赴き有望なスタートアップを発掘したと明かした。

「フィジカルAI」実装へ、地域エコシステムの転換点
TechGALA Japan 2026は、日本のスタートアップイベントの中で独自の立ち位置を確立しつつある。その意義は、中部圏の厚みのある製造業基盤を生かした「ディープテック」と「フィジカルAI」の実装拠点としての機能を明確にした点にある。今回、主催に浜松市が加わったことで、自動車産業の愛知と、楽器・輸送機器など「やらまいか精神」を持つ浜松が連携し、広域的なエコシステム形成が加速する。海外企業からの応募が殺到した事実は、日本の製造現場が実証フィールドとして世界から再評価されていることを示唆している。
TechGALAは単なる交流会を超え、グローバル技術の社会実装を促す「起爆剤」としての役割を担い始めている。









