楽天モバイル、契約1000万件突破 地下鉄の通信網強化、7月完了へ 若年層・シニアの囲い込み加速 「つながりやすさ」で大手3社追う

ジョルダンニュース編集部

楽天モバイルは2月2日、都内で事業戦略説明会を開き、携帯電話の契約回線数(MNOとMVNOの合算)が2025年12月25日時点で1000万件を突破したと発表した。矢澤俊介社長は「つながりやすさ」の改善を最優先課題に掲げ、都内地下鉄エリアでの通信帯域の拡張工事を2026年7月までに完了させる方針を明らかにした。契約数の大台突破を機に、通信品質の向上と特定顧客層への優遇策をテコに、先行する大手3社を追走する。

契約数1000 万回線突破を発表した楽天モバイル会長の三木谷浩史氏(左)と、楽天モバイルのCMに出演中のタレント、藤森慎吾さん(右)(楽天グループホームページから)

契約数1000 万回線突破を発表した、2025年12月25日には、楽天モバイル会長の三木谷浩史氏が、「楽天モバイルを使っているユーザーのみなさま、ご協力いただきました企業のみなさま、ローミングいただいておりますKDDI様含めまして、本当にありがとうございます。社会のために役に立つように頑張っていきたいと思います」と述べた。

■ 地下鉄・繁華街の通信品質を底上げ

矢澤社長は説明会で、顧客からの要望が強かった地下鉄や繁華街での通信品質改善に注力する姿勢を鮮明にした。特に通勤・通学時の動画視聴需要が高い地下鉄エリアについては、東京メトロおよび都営地下鉄において、共用基地局の帯域幅を従来の5MHzから20MHzへと4倍に拡張する工事を進めている。

「通信改善を実感する顧客が増えている」と説明する矢澤俊介・楽天モバイル社長(楽天モバイル提供)

工事の進捗について矢澤氏は、2026年3月末時点で約95%が完了し、残るエリアも含めて7月には全線で完了する見通しを示した。これにより、ラッシュ時でも動画がスムーズに再生できるなど体感品質が大幅に向上するとしている。また、JR山手線の主要駅周辺や、ドーム球場などの大規模集客施設でも5G基地局の整備を加速させている。

■ 若年層とシニア層に照準

顧客基盤の拡大に向け、全世代で「乗り換え検討先No.1」を目指す戦略も打ち出した。特にデータ利用が多い若年層と、他社の3Gサービス終了に伴う乗り換えが見込まれるシニア層の獲得に力を入れる。

同社は「最強青春プログラム」(22歳以下)や「最強こどもプログラム」(12歳以下)などの年齢別優遇策を展開しており、2024年の新規契約者に占める20代以下の割合は29%まで上昇した。また、65歳以上を対象とした「最強シニアプログラム」も用意し、NTTドコモなどの3Gサービス終了に伴うガラケーからの移行需要の受け皿とする考えだ。これについて中村礼博執行役員は「特定の他社を狙い撃ちするわけではないが、シニア向け施策や端末割引が結果的に受け皿になる」との見解を示した。

■ 金融・コンテンツとの「経済圏」連携

楽天グループの経済圏(エコシステム)との連携も強化する。動画配信サービス「U-NEXT」とセットにしたプランの利用促進に加え、楽天銀行との連携による金利優遇施策「最強預金」を2月中にも開始する予定だ。

金融・コンテンツとの「経済圏」連携を訴える(楽天モバイル提供)

説明会で中村氏は、楽天モバイル契約者が楽天銀行を利用した場合、普通預金金利が最大年0.64%(税引前)になる試算を紹介し、通信と金融のシナジー効果を強調した。

矢澤社長は「安さだけでなく、つながりやすさでもNo.1のキャリアを目指す」と語り、プラチナバンドの活用も含め、通信インフラへの投資を継続する考えを示した。1000万回線を通過点とし、黒字化の定着とさらなるシェア拡大に向けた正念場が続く。

記事提供元:タビリス