【大崎電気】 海外市場で「次世代スマートメーターソリューション」事業を強化
2025/7/11 15:27 PR TIMES

NEOS SolutionはEDMIの中核商材であり、高いシェアを誇るオセアニアを皮切りに、段階的に欧州、アジアでの市場投入を予定しています。
I. 当社の海外事業
- 当社は海外事業のほとんどをEDMIを通じて展開しております。(当社からの直接の輸出は原則として行っておりません。)
- EDMIは、オセアニアを中心に欧州(英国)やアジアなどで事業を展開しています。特にオーストラリア東部5州とニュージーランドでは、いずれも70%を超える高いシェアを維持しています。
- 海外ではスマートメーター単体の販売に加えて、「上位系システム」と組み合わせたソリューションを提供しています。
- 上位系システムとは、各家庭などに設置された多数のスマートメーターを遠隔で一元管理するとともに、計測したデータを収集・処理・変換して、電力会社が行う料金請求、使用状況の監視、設備保守などの各種システムと連携するためのシステムです。上位系システムと組み合わせたソリューションとして提供することで、スマートメーター単体の販売と比較して、より高い利益率が期待できます。
- 海外事業は当社グループの売上高の約40%、営業利益の約26%を占めています(2024年度実績)。2026年度に向けた3か年の中期経営計画では、海外のソリューションビジネスを強化し、利益成長を実現する方針を掲げています。
II. NEOS Solutionの概要
(1) 開発の背景
電力使用量のリアルタイムでの把握(計測)・制御ニーズの拡大
- 再生可能エネルギーの活用が進むにつれ、太陽光発電や小型風力発電といった分散型エネルギー
の導入が世界各地で加速
- 電気は従来のように大規模発電所からの一方向の供給ではなく、複数の分散型エネルギーが介在することで電気の流れが複雑化する
- 分散型エネルギーの多くは、環境負荷が少ないが、発電量が天候や時間帯に左右されやすく、「いつ、どこで、どれだけ」発電されるかを正確に予測することが難しい
- 電力会社にとっては需給バランスを安定的に保つことが大きな課題
- 電力の使用状況をリアルタイムで把握し、発電量の調整や送電ルートの切り替えなどを即時に行う
柔軟な制御が不可欠
- 住宅や商業施設、工場などでも太陽光発電などの分散型エネルギーの導入が進み、電力会社が契
約者に対して、設備の管理やそれに関連するサービスを提供
こうした課題に対応するため、EDMIは次世代の電力供給網を支える「NEOS Solution」を開発し、
各国・地域の電力会社(送配電事業者、小売事業者、需給調整事業者を含む)に提供
(2) 「NEOS Solution」 の構成
- NEOS Solutionは、エッジ・インテリジェンス機能(※)を備えた次世代スマートメーター「NEOS」と、クラウド型の上位系システム「Storm」(ストーム)で構成されています。
- NEOS Solutionは住宅だけでなく、商業・産業分野や電力供給網全体など、幅広い領域において 電力の計測・監視・制御を行うことができるよう設計されています。
※ エッジ・インテリジェンス機能
ネットワークに接続された機器(この場合はスマートメーター)上でデータ処理や分析を行う技術のこと
<ソリューションの概念図>
[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/73315/30/73315-30-0d649fda716101a7a96a10e2f0459e39-1792x443.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
(3) 「NEOS Solution」 の特長
1. 高頻度・高精度の計測に対応
- EDMIの従来製品は、電力使用量などのデータを最小で1秒間隔で計測しています。
- これに対してNEOSは、計測頻度をさらに高め、1秒未満の短い間隔でデータを取得できる機能を備えています。この詳細な計測データがNEOS Solutionの基盤となっており、これによって 「どこで、どれだけの電気が使われているか(あるいは使われそうか)」をリアルタイムで監視し、即時に制御することが可能となります。
- 電力使用量だけでなく、電圧の変動など電力品質に関わるデータも従来製品より詳細に計測する
機能を備えています。
2. リアルタイムの監視が可能
- NEOS Solutionの導入事業者(電力会社など)は上位系システムを通じて、計測したデータに基づく電力の使用状況や異常の発生をリアルタイムで監視することが可能です。
- なお、従来の一般的なスマートメーターは、主にスマートメーター専用の通信方式を使用して計測 データを送信しています。この通信方式は、一定の時間間隔で定期的にデータを送信する用途には問題なく対応できるものの、通信速度が比較的遅いため、大容量のデータ送信には適していません。
- これに対してEDMIのスマートメーターは、携帯通信網を活用した高速データ通信に対応していることが特長です。NEOSでは新たにWi-Fi通信にも対応し、計測データを即時に上位系システムに送信することができます。これによって、リアルタイムでの監視を可能にしています。
3. 迅速かつ自律的な制御を実現
- 導入事業者はリアルタイムの監視データに基づいて、必要な制御を迅速かつ的確に実行することが可能になります。NEOS Solutionにおける上位系システムは、複雑な制御に対応する機能を備えており、NEOSはその制御指令を即座に受信して実行することができます。
- さらにNEOSはエッジ・インテリジェンス機能を備えており、システムからの制御指令を待たずに スマートメーター自体が計測データを分析し、一定の制御を迅速かつ自律的に行うことができます。
- 住宅内の電力使用状況に加え、太陽光発電などの分散型エネルギー設備もリアルタイムで監視し、電力使用量を一時的に調整するなどの制御を即座に行います。
<次世代スマートメーター 「NEOS」について>
- 従来製品は国・地域ごとに異なる仕様を多品種少量で展開しているのに対し、NEOSは複数の機種を共通の設計プラットフォームに基づいて開発可能です。
- 一例として、NEOSは本体に通信モジュールを後付けできる構造を採用しており、多様な通信方式に柔軟に対応できる設計となっています。
- さらに、NEOSはWi-FiやBluetoothによる通信にも対応しており、電力会社が行うスマートメーターの設置・保守業務用アプリケーションや契約者が電力使用量を確認するための家庭用エネルギー管理システム(HEMS)などにも円滑に接続できます。
III. 今後の事業展開
- NEOS Solutionの投入によって海外でのソリューション事業を一層強化し、2026年度には海外事業全体で2024年度比18億円増(120%増)の営業利益33億円(連結営業利益に占める比率:約37%)の達成を目指します。
なお、本リリースに記載の商品名称・サービス名称は、該当各社の商標または登録商標です。
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記事提供元:タビリス