鉄道事業者の課題解決に向け、映像解析による列車・駅の混雑状況可視化を琴電で実証

PR TIMES

列車運用や駅窓口業務の最適化に貢献する映像解析ソリューションの実用化を推進

[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/120285/277/120285-277-d0e23ee828214daa1a10bd2096137057-1500x1098.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]琴電・栗林公園駅構内における実証の概要
 三菱電機株式会社は、高松琴平電気鉄道株式会社(以下「琴電」)の琴平線・栗林公園駅にて、鉄道事業者向けに、カメラ映像から列車の乗降人数および駅窓口の滞留時間等を計測・データ分析する映像解析の実証実験を実施し、列車や駅窓口の混雑状況の可視化に有効であることを確認しました。本実証成果を活用し、混雑傾向に基づいた、列車の運行ダイヤや車両編成、駅窓口の人員配置の最適化など、鉄道事業者の運用課題を解決する映像解析ソリューション(※)の提供に向けた検討を進めます。

 従来、琴電では、混雑状況の把握を目的に、必要の都度、朝ラッシュ時間帯の乗降人数を人手でカウントしていましたが、限られた人員で、短日数・短時間での計測であったため、列車運行の改善に資する継続的なデータ取得が困難であることが課題でした。
 当社は今回、琴電の栗林公園駅構内にカメラを設置し、4週間にわたり、始発から終電までの乗降人数データを取得・グラフ化しました。データ分析の結果、栗林公園駅における夕ラッシュ時間帯の列車利用者数が朝ラッシュ時間帯の半数以下であることが可視化され、夕ラッシュ時間帯の車両数を朝ラッシュ時間帯から減数可能であることを導出しました。また、駅窓口付近に設置したカメラから、利用客の滞留時間データを取得・分析した結果、曜日・時間帯ごとの混雑傾向が明らかとなり、窓口業務の人員配置最適化に活用できることを確認しました。
 今後、本実証成果をもとに、複数駅での検証や、より多様な映像解析の実証を重ね、映像解析技術の高性能化を図ることで、鉄道事業者向け映像解析ソリューションの事業化を目指します。

■実証実験の概要
[表1: https://prtimes.jp/data/corp/120285/table/277_1_d7ad23c23dd77a0e4fdaef4157255859.jpg?v=202507090515 ]

■実証結果
1.列車の乗降人数カウントによる混雑状況可視化
 列車の乗車人数・降車人数を区別してカウントし、時間帯ごとの集計値(グラフ1)および乗降人数の平均値と列車本数の比較(グラフ2)をグラフ化しました。栗林公園駅における平日17時台の乗降人員が8時台の半数以下であることから、夕ラッシュにおける車両編成の削減が可能であることを導出しました。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/120285/277/120285-277-a0075be190157947eabf18525741d17e-1888x556.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]グラフ1 列車の時間別乗降人数のデータ例
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/120285/277/120285-277-41bc8560cae3dcfd71eaaf202e972641-1498x974.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]グラフ2 列車の乗降人数の平均値と列車本数比較のデータ例

2.駅窓口の滞留時間計測による混雑状況可視化
 曜日・時間帯ごとの駅窓口利用者の滞留時間(グラフ3、4)を1時間単位でグラフ化し、平日・土日それぞれの混雑時間帯を分析した結果、平日の混雑時間帯は9~10時台と15~16時台である一方、土日の混雑時間帯は10時台と13時台であることが分かりました。曜日・時間帯ごとの混雑傾向を把握できたことから、窓口業務の人員配置計画策定において、カメラ映像から取得した滞留時間データを活用可能であることが確認できました。
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/120285/277/120285-277-aed80d56f14b156cce30f9a606316bc5-1592x694.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]グラフ3 平日における駅窓口滞留時間のデータ
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/120285/277/120285-277-d466dc5686e35120cdbd5ae6035e47cd-1598x716.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]グラフ4 土日における駅窓口滞留時間のデータ

■今後の予定・将来展望
[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/120285/277/120285-277-291ce360868a101cfe749c37665e92c9-1882x1116.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]鉄道事業者向け映像解析ソリューションの構想概要
 本実証成果をもとに、映像解析技術の高性能化に向けた検証を重ね、列車・駅窓口の運用課題を解決する鉄道事業者向け映像解析ソリューションの早期実用化を目指します。列車運用の最適化に関しては、列車乗降人数の自動計測により乗降人数カウント業務を省人化し、混雑状況に応じた最適な運行ダイヤ編成を提案します。また、駅窓口の人員配置最適化に関しては、カメラ映像に基づく人物同定・追跡技術やボディカメラの活用により、一人当たりの利用時間や問合せ内容の傾向を分析することで、駅員の配置見直しやタブレット端末等による遠隔対応の導入も含めた、駅員の省人化に資する人員配置計画の策定を支援します。さらに、顧客のニーズに応じて、映像解析システムと既設の防犯カメラとの連携による映像解析・課題解決も可能とします。
 さらに、当社独自のデジタル基盤「Serendie(R)」と連携することで、より迅速かつ詳細なデータ分析、映像データの取得から分析、課題解決までの一元管理など、新たな価値を生み出し社会課題の解決に貢献する鉄道事業者向けの循環型・映像解析ソリューションの創出を目指します。

■商標関連
[表2: https://prtimes.jp/data/corp/120285/table/277_2_32fbb9c70a8d70c03d2f86273d7bdbda.jpg?v=202507090515 ]

■三菱電機グループについて
 私たち三菱電機グループは、たゆまぬ技術革新と限りない創造力により、活力とゆとりある社会の実現に貢献します。社会・環境を豊かにしながら事業を発展させる「トレード・オン」の活動を加速させ、サステナビリティを実現します。また、デジタル基盤「Serendie(R)」を活用し、お客様から得られたデータをデジタル空間に集約・分析するとともに、グループ内が強くつながり知恵を出し合うことで、新たな価値を生み出し社会課題の解決に貢献する「循環型 デジタル・エンジニアリング」を推進しています。1921年の創業以来、100年を超える歴史を有し、社会システム、エネルギーシステム、防衛・宇宙システム、FAシステム、自動車機器、ビルシステム、空調・家電、デジタルイノベーション、半導体・デバイスといった事業を展開しています。世界に200以上のグループ会社と約15万人の従業員を擁し、2024年度の連結売上高は5 兆5,217 億円でした。詳細は、www.MitsubishiElectric.co.jpをご覧ください。

※ 映像データをもとに、お客様のビジネスのお困りごとの解決につながるソリューション

<お客様からのお問い合わせ先>
三菱電機株式会社 社会システム事業本部 モビリティインフラシステム事業部
〒100-8310 東京都千代田区丸の内二丁目7番3号
E-mail:Transportation@ny.MitsubishiElectric.co.jp

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記事提供元:タビリス