IoTで暮らしはどう変わる?インターネットにつながるモノが私たちにもたらすこと

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ありとあらゆるものがつながる話題のIoTとは?


ここ数年、多くのメディアで話題になっている「IoT」。Internet of Thingsの略語で、一般的には「モノのインターネット」と言われている。
総務省が公表する平成27年版の情報通信白書によれば、IoTのコンセプトとして次のように記載されている。
"自動車、家電、ロボット、施設などあらゆるモノがインターネットにつながり、情報のやり取りをすることで、モノのデータ化やそれに基づく自動化等が進展し、新たな付加価値を生み出すというものである。これにより、製品の販売に留まらず、製品を使ってサービスを提供するいわゆるモノのサービス化の進展にも寄与するものである。"

つまり、インターネットにつながった「モノ」を利用することで、利用者の購買履歴や運動履歴、健康状態などの行動をデータとして収集、解析することで、個人に最適化された情報、サービスを受けることができるようになるということだ。
インターネットにつながるモノといえば、パソコン、スマートフォンなどの情報通信端末が思い浮かぶが、今や家電や自動車、さらには工場などもインターネットにつながりはじめている。
総務省によると、2013年には世界中で112億個だったIoT製品の数は、2015年には153億個に増加しており、2020年には2倍の303億個になると予測されている。

国内でも主にベンチャー企業を中心に、様々なIoT製品が開発されている中、2017年2月1日に「IoTで変わる生活・スマートな暮らし」と題したセミナーが開催された。
セミナーでは、さまざまなベンチャー企業のIoT製品も取り扱うECサイト「アスキーストア」を運営する、株式会社KADOKAWA ASCII STARTUP編集長の北島幹雄氏と、クラウドファンディングのプラットフォーム「Kibidango」代表で、ベンチャー企業の育成、支援する松崎良太氏が登壇。
北島氏からは各分野別のIoT製品の活用シーンについて、松崎氏からは、将来的にIoTデバイスが普及していく上での現状や展望について紹介された。


インターネットにつながるモノ(IoTデバイス)の数(出典:総務省 平成27年版 情報通信白書)



日常生活でこんな使い方ができる!IoT製品の一部を紹介


実際にIoT製品を家庭に取り入れた場合、どんな生活が想像できるだろうか。セミナーで北島氏から紹介された製品の中から、4つの生活シーンから紹介したい。

■鍵の開け閉め
近年は、カードキーや指紋認証などのデジタル化も進んでいるが、個人宅にシステムを取り付けるにはまだまだコストが高く一般的ではない。そんな中登場したのが、スマートフォンで鍵の開け閉めを制御する「スマートロック」だ。オートロック機能や施錠する時間帯の指定、ドアの開け閉めのログ確認もできる場合が多い。
後付けであるため、賃貸物件でも取り付けができるのも特長だ。利用シーンとしては、賃貸不動産の内見時。鍵の受け渡しが不要になるため、賃貸物件を見る際の時間短縮に繋がる可能性がある。さらに、今後民泊が解禁されれば、ゲストに鍵を渡さなくとも、メール等で解錠可能なURLを送るだけで済むようになり、鍵を複製されるリスクも抑えられるというわけだ。

■家電のリモコンの一括管理
テレビやエアコン、照明、お掃除ロボなど家電の数だけ増えてしまうリモコン。こうした「赤外線リモコン付き家電」をスマートフォン一つで制御できる製品もある。外出先からも家電をコントロールできるため、帰宅前に予めエアコンを操作して空調を調整するという使い方も考えられる。これを応用すれば、留守中のペットの見守りや、外出時の防犯にも活用ができる。

■運動の活動記録
IoTはヘルスケアの分野にも登場している。日頃使っている健康器具がインターネットにつながることで、簡単に運動量や利用時間、消費カロリーなどをチェックすることができるようになる。

■乾電池の制御
おもちゃや電動歯ブラシなど、主に乾電池で動く家電をコントロールできるようにもなっている。その仕組みは、スマートフォンのアプリで乾電池の出力を制御するのだ。アプリを通じた人の声による制御も可能だ。例えば、この仕組を使えば電車のおもちゃを「止まれ」の一言で停車させることも可能になるわけだ。"乾電池の出力をコントロールする"というシンプルな構造がゆえ、その活用の仕方は非常に広いと言えるだろう。


【写真左上】国産のスマートロック製品の一つ「Qrio Smart Lock(キュリオスマートロック)(Qrio株式会社)」【写真右上】赤外線リモコンを一元管理できる「eRemote mini(イーリモートミニ)(株式会社リンクジャパン)」<BR />【写真左下】浴槽で行うフィットネスバイク「furost(フロスト)(株式会社コレッド)」スマートフォンと連動して、日々の運動を記録できる。【写真右下】スマートフォンで出力制御ができる電池型IoT「Mabee(マビー)(ノバルス株式会社)」



IoT製品が"新しいモノ好き"の消費者に留まってしまう背景


上記で紹介したIoT製品以外にも、医療や自動車の分野など、暮らしに様々な変化を与える可能性があるIoT。しかし、現在、国内でIoT製品が一般的には浸透しきっておらず、一部の"新しいモノ好き"の消費者までにしか訴求できていないという松崎氏。考えられる主な理由として、以下のような課題があるのではないかと語る。
「まず、IoT製品が一見しただけでは、"何をするものなのかがわかりにくい"という点です。どんな機能があり、どんなメリットがあるのかを理解するために説明が必要な場合が多いと感じています。IoT製品の紹介に映像が多く使われているのは、こうした"機能の伝えにくさ"に理由があると思います」。
さらに、アプリケーションの管理の煩雑さも課題の一つだ。基本的には1つのIoT製品に対し1つのアプリで制御をするため、利用するIoT製品の数だけ管理するアプリケーションが増えてしまうのだ。

また、IoT製品の開発側にも課題はあるという。その一つが、ハード、ソフト共に高い開発力が必要な点だ。ハードウェアの機能やデザインを洗練させるだけでなく、スマートフォンのアプリなどのソフトウェア側からの利便性も追求しなくてはならない。どんなに良いハードウェアであっても、実際に消費者が操作をするアプリケーションの使い勝手が悪いことで、その製品の魅力を落としてしまう。つまり、ソフトウェアやユーザーインターフェイスがそのIoT製品の良し悪しを分けると言っても過言ではないのだ。


写真左:株式会社KADOKAWA ASCII STARTUP 北島幹雄氏 写真右:きびだんご株式会社代表取締役 松崎良太氏



IoT製品がより普及していくために必要な消費者のストーリー


松崎氏は、IoTが普及した未来のライフスタイルを考えるとき、戦後の日本で新しい時代の生活必需品として普及した白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫の「三種の神器」をはじめとする、当時の家電がもたらした価値について思い浮かべたと語る。
「当時、家電を使うことで、洗濯や炊飯など旧来的なやり方に費やしていた時間から解放され、自動車やテレビなどによって余暇の過ごし方が変わりました。"モノの所有から共有"など、消費者のモノに対する価値観が変化する中で、当時の家電がどこに向かっていったのかを考えることが、IoTで変わる未来の暮らしを想像することに近づくのでは…と思うのです」。

今も昔も変わらない、"自分の生活を一変させるかもしれない"というワクワク感こそ、今後、IoTプロダクトが一般的に普及していくために必要だと松崎氏。
「大切なのは、IoT製品の"これができる"という機能のみを伝えるだけではいけないということです。いかに消費者のストーリーとして伝えられるかがポイントです」。

IoTの活用によって、あらゆる物事が無駄なく効率的に進む世界は、すでに現実となっている。改めて考えたいのは、モノがインターネットにつながり、スマートフォンで操作ができることがIoTがもたらす本質な価値ではないということだ。
例えば、介護の分野で考えてみる。エアコンや加湿器などの家電を、外部から操作できるIoT製品を利用することで、室内環境を把握、調整したり、スマートロックによって夜中の外出などの行動把握やロックの制御なども想定されるだろう。

"モノのインターネット化"は、アイデアと組み合わせ次第で様々な可能性を秘めている。IoTの普及によって、「もし、こんなことができるようになったら…」という発想をすること自体が、地球温暖化や介護問題、防災などの社会問題を解決するきっかけになるのかもしれない。


セミナー会場の様子。IoT機器から取得したデータをクラウドで管理する様子を説明するきびだんご株式会社代表取締役 松崎良太氏



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