水栓のカタチが、やかん、おでん、パプリカも?ユニーク水栓を開発し続ける大阪らしい企業

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大阪らしいユニークな企業


東京には大企業が集中しているが、地方にはユニークな企業がある。在阪の株式会社カクダイもその一つだろう。水栓金具や手洗器を製造するほか、配管部材、トイレ・バス・キッチンなどの水まわり関連部材、ガーデン商材などを取り扱う会社だが、やかんや手裏剣形の水栓など、ユニークな商品も生み出している。

その創業は明治12(1879)年。創業者である多田卯平氏は、大阪で多田卯金物店を始めた。社名のカクダイの由来は卯平氏の生家である大和屋呉服店の屋号なのだ。バリカンや包丁、カミソリなどを扱う卸売商だったが、戦後1945年ごろから復興需要を受け、水道関連資材を扱い始めた。しかし当初はすべて卸売り。製造を委託していた蛇口製造会社の経営が苦しくなったときに資金を投入したのがきっかけで、製造に転換したという。

現在も多くの協力企業の力を借り、消費者に求められるものを、より良い形で提供すべく商品開発を進めている。販売促進部広報課課長の濱地亮氏に話を聞くことができたので、ユニークな商品や、水栓業界の背景を紹介しよう。


株式会社カクダイの看板商品ともいえる水栓「魔法の水」。やかんを傾けると水が出る仕組みだ



ユニークな水栓の数々


株式会社カクダイの商品の中でも、やかんの形をした水栓は、テレビにも取り上げられているから、知っている人も少なくないのではないだろうか。ユニークな商品が生まれたのは8年前、ヨーロッパに和風水栓を売り込みにいったのがきっかけ。その際、日本の伝統工芸品とのコラボで漆の商品などを開発したが、反響は微々たるものだった。

そこで、「かっこいい」ではなく「記憶に残るもの」とは何だろうか、世界の人々に「COOL! 」と言ってもらえるものは何だろうかと考え、大阪にある会社として導き出した答えが「お笑い」だったのだ。そして開発されたのが、「誰や!メタボにしたん?」。蛇口本体部分がふくらんでおり、まさにメタボ体形に見える。初期の商品は、「誰や!さかさまつけたん?」など商品名に「誰や」が必ず入っているので、DaReyaシリーズと銘打っている。

ユニークな商品が有名になれば、模倣商品が出回るのではないかと心配になるが、
「製造が困難な割には利益が出ていませんから、模倣する意味がありません。ライバル企業は鋳物型についてわかっているので、『なぜこんな採算の合わないことをやっているんだ』と思っているんじゃないでしょうか。実際、当初はなかなか良品が取れず、不良品の山を築くばかりでした。ただ、『ご注文頂いたお客様を待たせる訳にはいかない』と工場・製造部門が一丸となり不良率を下げる工夫や新しい手法などを見出した結果、会社全体の品質・不良率が大きく改善され、技術力も大幅にあがったのは、予想外の成果でした」と濱地氏が苦笑するように、DaReyaシリーズの採算性は低く、むしろ赤字だという。それにもかかわらず作り続けるのは理由がある。

「DaReyaシリーズの開発コンセプトは親子の会話。当社の水栓を見て、親子の会話が弾めば、私たちはうれしいのです。また、子供が蛇口の構造、ひいては物作りに興味を持ってくれたり、あるいは手洗いが好きになったりなど、良い影響があるかもしれません。日本の将来を担う子供たちの未来につながってほしいという願いで、商品開発を続けています」

開発は、基本的には商品部の担当だが、社内公募も過去に2回おこなわれており、何百ものアイデアが集まったという。おでん型の蛇口と土鍋型の手洗器がセットになった「おでん鍋セット」やパプリカの形をした手洗器「国産パプリカ」は、公募で生まれた商品だ。


社員公募から誕生した「おでん鍋セット」



水まわり品を扱う業界の一員として


水にまつわる会社ならではの社会貢献への思いもある。
災害が発生したときに、一番困るのは水。飲料水はペットボトルで調達できるが、トイレの水が流せないと、瞬く間に伝染病の恐怖が忍び寄る。18世紀まで多くの死者を出した伝染病の流行を克服したのは、上下水道など、水まわり設備整備の成果といえるだろう。だからこそ、管工機材業界は様々な災害復旧協定を結び、災害時にはライフラインをいち早く復旧させるため、自治体が中心となって、至急対処できる体制になっているのだという。

「大阪に何かあったなら、株式会社カクダイにできることはすべてやっていこうと常日頃から心の準備をしています」と、濱地氏は語る。

また、これからの季節は水不足の心配もあるので、節水商品で、環境に寄与できればと考えている。たとえば節水シャワーヘッド。穴の数を減らして出水量を減らしているが、勢いよく出るため物足りなさを感じさせないのだ。また、蛇口の先にとりつけるエコ泡沫金具は、水に空気を混ぜることにより、節水しても、普通の水量と大きく変わらない使用感が得られるという。


迫力のある鬼瓦の吐水口もある



世界進出も視野に


世界に進出する夢も忘れてはいない。

「水栓はドイツやイタリアのものが一流であるというイメージがあります。ヨーロッパと日本の水は硬度が違うからか、ヨーロッパの蛇口は黄銅製のものが多く、日本は青銅が主。黄銅はエッジが造りやすく、かっこいいデザインにしやすいのが一つの理由でしょう。また、ヨーロッパは風呂とトイレ、洗面所などの水まわりがひとかたまりになっている家が多く、床面のタイルに排水装置があって少々水が漏れても気にしない文化があるので、リスクを負ってもデザインを追求できるのです。でも、日本では機能性とデザインの両方が求められます。たとえば、水まわり商品はメンテナンスが不可欠です。日本製は劣化した部分だけ取り替えられる仕様が多いのに対し、ヨーロッパの製品はまるごと取り替えなければならないものが多いのです」と、日本製品の良さを教えてくれた。

株式会社カクダイのモットーは、「水と住まいの接点にある商品を追求し、生活の質の向上に貢献する」ことであり、今後も使いやすさと美しさを兼ね備えた製品を開発していきたいと考えている。
「水まわり商品は日常に必要なものなので、すでにある程度完成しています。だから、新規開発といっても付加的なものになることが多いのですが」と、濱地氏は「スワンムーブ水栓」を見せてくれた。

キッチンシンクの水垢を洗いやすい、引出式の水栓は複数商品化されている。しかしゴムや樹脂のチューブ部分はシンク下に格納されているため、劣化に気づくのが遅れる欠点があった。この商品は、チューブが外に見えていながら、パイプに収納されているのでスッキリしている。しかもスワンムーブ部分だけを交換できるため、メンテナンス性も高いのだ。

今後も、株式会社カクダイは、子供たちに夢を与えると共に、利用者にあっと驚いてもらえる商品をどんどん開発していくという。DaReyaシリーズも増やしていくというから、水まわりを改装予定の人は、注目してみてはいかがだろうか。


スワンムーブの使い方を説明する、販売促進部広報課課長の濱地亮氏



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