『防犯優良賃貸集合住宅認定事業』開始。防犯優良賃貸の条件と、個人でできる防犯対策を聞いてきた

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「防犯優良賃貸」とは


警察庁のデータによれば、住宅に対する侵入窃盗が1日107件も発生している。
侵入の主な手口は、鍵を掛け忘れた玄関、窓等から侵入する「無締り」、ガラスを割ったり、こじ破って侵入する「ガラス破り」、ドア錠等を様々な特殊工具を使用し開錠して侵入する「施錠開け」、ドアの隙間をバール等の工具で破壊して侵入する「ドア錠破り」など。警視庁のデータによると、一戸建て住宅ではガラス破りがもっとも多く60.9%、次いで無締りが30.1%、施錠開け3.6%、ドア錠破り2.8%、中・高層住宅では無締りが44.8%、施錠開けが31.7%、ガラス破りが21.4%、ドア錠破りが0.7%となっている。これを防ぐには、戸締りを徹底するほか、複製しにくい鍵を使ったり、窓を強化ガラスにしたりといった対策が考えられるが、場所にもよるが、賃貸物件であれば個人では手を入れづらく難しい。

平成17年6月の犯罪対策閣僚会議で「安全・安心なまちづくり全国展開プラン」が策定され、防犯性に優れた共同住宅等に関する認定基準の策定、及び防犯優良マンション認定制度の全国展開を図ることが決定。その流れの中で、防犯優良賃貸集合住宅認定事業が開始された。そこで「防犯優良賃貸集合住宅」の第一号として、群馬県前橋市の建物がシリーズ認定を取得した大東建託株式会社の経営企画室 出澤智愛さんに、防犯に優れた賃貸についてお話を聞かせていただいた。

まず、「防犯優良賃貸集合住宅認定事業」とはどのようなものなのだろうか。
「公益財団法人全国防犯協会連合会と一般財団法人ベターリビングが設けた防犯に関する制度です。基準に適合した賃貸集合住宅を『防犯優良賃貸』として認定・登録し、認定された賃貸集合住宅は、防犯優良賃貸であることを示すロゴマークを表示することができます」と、出澤さん。

認定対象は、概ね4階建てまでの新築賃貸集合住宅で、共用エントランスの有無、共用廊下・階段の有無により、3類型に分けている。また、個々の賃貸集合住宅ごとに審査を行う「個別認定」と、規格化された集合住宅をあらかじめ認定する「シリーズ認定」があり、シリーズ認定された集合住宅が建設される際には、個々の集合住宅ごとに配置や外構設計も審査されるという。


中・高層住宅では、特殊工具を用いてドアの施錠を空ける手口で侵入されることが多い



「防犯優良賃貸」の条件とは


防犯優良賃貸に認定される条件は、
・不審者が隠れにくい、侵入しにくい建築計画となっていること。
・防犯性能の高い住宅部品やモニター付きインターホンが使用されていること。
・自転車置き場、ゴミ置き場、物干し等における盗難防止対策が講じられていること。
・緊急事態を音や光で周囲に伝える非常警報装置の設置がされていること。
・地域の防犯性を高め地区全体の防犯性の向上に務めていること。
の5点。覚えておけば、今後賃貸物件を探す際に、防犯優良物件かどうかを判断する参考となるだろう。

「弊社では以前より、録画機能つきインターホン、浴室乾燥や室内物干の設置、その他にもメモリーキーを標準搭載するなど、セキュリティへのニーズの高まりに応える建物を提供していました。今回は、それらに加えて防犯性能の高いCPサッシや防犯強化型扉を新規採用し、外構の防犯対策となる配置設計基準などを策定しました。今後は、当社オリジナルの防犯ブランド『DK SELECT セキュリティ』の展開を進め、賃貸住宅の防犯強化を図る予定です」と、大東建託株式会社も、サッシや扉を防犯性能の高いものにするなど、認定を受けるための工夫をしたそうだ。


警察庁のデータによれば、住宅に対する侵入窃盗が1日107件。防犯カメラは有効な対策だが、賃貸物件に取りつけるのは難しい



個人で出来る防犯対策と防犯優良賃貸の条件とは


一般的に、防犯のためにできる対策は、
・共用部分の十分な照明
・身を潜められる死角をなくすこと
・バルコニーその他の侵入防止措置
・駐車場の防犯カメラの設置
・近隣で防犯活動が行われていること
・窓の破壊を感知するセンサーを設置
などがあるが、すでに普通の賃貸に入居している人は、改装できる範囲も限られている。制限の中で、できる工夫はないのだろうか。

「個人で出来る防犯対策としては、不審者に隙を見せないことが重要です。具体的にはまず、衣類の物干し物に注意してください。女性のみの世帯だと思われると、抵抗される恐れが低いと判断されるので、外ではなく室内に干すなどの工夫が必要なのです。自転車はチェーンなどで固定して、不在を悟られないため部屋の照明点灯は帰宅前から点灯しておくと良いでしょう。また不審者の侵入を防ぐ対策も重要。市販の窓用二重ロックを設置したり、市販の窓ガラス振動アラームを設置したりすると安心です。でもやはりもっとも有効なのは、町内会等と連携できる近所付き合いをしておくことではないでしょうか」と、出澤さん。


大東建託株式会社経営企画室の出澤智愛さん



これから賃貸物件をさがす人に


また、引っ越す際にはなるべく防犯対策のとられた賃貸に住みたいもの。大東建託株式会社の考える防犯優良物件とは「近づけない」「入らせない」「万が一にはしっかりガード」の3点を考慮したものだという。

具体的にはどのような点をチェックすべきか出澤さんに質問すると、
「防犯強化型扉など、部屋内部への侵入が難しいセキュリティアイテムが設置されていること、非常ランプなど、非常事態を外部に知らせるアイテムが設置されていることなどでしょう。防犯面でもっとも重要なポイントは、侵入に手間取りそうだと思わせることではないでしょうか。侵入者はあらかじめ下見をすることが多く、その際留守かどうか、侵入しやすい家かどうか、逃げやすいかどうかをチェックすると言われています。そして、侵入に要する時間がかかるほど防犯性は高まり、5分かかると約7割は諦め、10分以上かかると殆ど諦めるといわれているのです。死角になる庭木などがなく、侵入の足場になるものがなく、窓のクレセント錠の位置が開けやすいところになければ、狙われにくくなるはず。また、物件に防犯対策がされているだけでなく、対策をしていることが周知されているか、チェックしてください。さらに、かつ死角がない建物の配置計画であることも重要です。もちろん、入居者様自身の防犯意識も大切で、日ごろからの自己防衛の工夫や、可能であれば周辺住人同士のコミュニケーションにより、隙をつくらないことも対策のひとつです」と、教えてくれた。

まだ「防犯優良賃貸」を取得した建物は少ないが、今後、増えていくことに期待したい。一般財団法人ベターリビングのホームページで物件の確認が可能なので、賃貸を探す際は、チェックしてみてはいかがだろう。

一般財団法人ベターリビング:
http://www.cbl.or.jp/index.html


サンルームと室内物干しがあれば、室内に洗濯物が干せるので、防犯に効果がある



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