鉄道開業150周年JR東日本パスに乗って、みちのくを満喫 <上>

ジョルダンニュース編集部

大宮→岩手県花巻温泉→遠野→盛岡→つなぎ温泉→盛岡→新青森→八甲田山頂→新青森→盛岡→秋田県角館→秋田→山形県酒田→新潟→大宮


 旅好きシニアとしては、これまでJR東日本の大人の休日倶楽部パスを使って旅を楽しんできました。ただし、大人の休日パスは男性女性とも50歳以上という年齢制限があるので誰でもが利用できるわけではありません。今回の鉄道開業150周年で発売されたJR東日本パスは年齢制限なしなの、20代の息子と出かけることにしました。
 この切符はJR東日本の管内なら、3日間乗り放題で22150円。しかも指定席を4回まで予約できます。新型コロナの感染が減りつつあるので、リベンジ消費として旅行に繰り出す人が多いと聞いているだけに、指定席でゆっくりと車窓を眺められるのはありがたかったです。どのくらいお得かはカッコ内に通常料金を記してみました。

“82歳”のSL銀河で旅情を満喫


【1日目】やまびこ51号 6:29大宮→9:05新花巻 [13520円] 指定席①

「やまびこ」は満席!コロナ後なのでちょっとうれしくなります。同時間帯の「はやぶさ」も満席のようです。JR東日本パスの効果でしょうか? Tourists are back!
 途中の福島県の郡山駅ではハイカーがたくさん降りました。岩手県一ノ関駅でも世界遺産の平泉観光に向かうのか、多くの乗客が降りるなど、新花巻駅に着く頃には半分以上の乗客が下車していました。
 新花巻駅から岩手県交通バスに乗って宮沢賢治記念館に向かいます。バスでは記念館の無料券がもらえました。367段の木の階段を登って記念館到着。ここからは秋の花巻市内が見渡せます。その後、隣接する宮沢賢治イーハトーブ館などに寄り、歩いて新花巻の釜石線ホームに向かいます。徒歩15分ですが、道々にコスモスやマリーゴールドの花が咲いていて気持ちがいいです。

・釜石線SL銀河 10:55新花巻→12:12遠野着 指定席[840円] (別予約)

 今回の旅のハイライトの一つはSL列車です。客車内はツアー客で満員。SLは昭和15年製造のC58、82歳!来年春に運行終了だそうです。ホームの観客も車内の旅客も皆さん、手を振って出発!新幹線とはひと味もふた味も違った旅情を感じました。沿線は撮り鉄でいっぱいです。沿線の住民もわざわざ家から出て手を振ってくれます。車内の客も手を振り返します。車やバイクでSLを追いかける「オッカケ」もいます。
 SLは時々、汽笛を鳴らし、それが客車にも響いてきます。私たちが乗る車両は、客車を気動車として改造した車両を使用しているため、SL銀河ファンが多いのもうなづけます。

SL銀河 新花巻駅に到着。見よ、この雄姿

 年季が入ったC58は遠野で一時間お休みしてから釜石に向かいます。遠野駅前の観光案内所で情報を仕入れます。とても丁寧に教えてくれるのでありがたいです。ついでに500円買い物券ももらいました。
 まず昼食の場所を探します。遠野名物のジンギスカン店は、一番人気の「ジンギスカンのあんべ」、「遠野食肉センター」ともに1時間待ちなので、「ばんがり伊藤家店」でそばをいただくことにしました。遠野産玄そばを前日に石臼で製粉しているそうです。そばと季節野菜の天ぷらの組み合わせが絶妙。「ばんがり」とはご当地言葉で思いっきりの意味だそうです。
 ランチ後はレンタサイクルで撮影ポイントに移動。釜石へ向かうC58がばく進する雄姿を撮影。そのまま自転車でカッパ伝説で知られるかっぱ淵→遠野八幡宮へ。電動なのでスイスイ進みました。現在、遠野市ではカッパの目撃情報を求めています。遊び心にあふれています。ちなみにカッパは、1974年に目撃されたのが最後だそうです。途中には大変貴重なオハフ46展望車を保存してある場所がありました。ここも鉄道好きにはたまらないポイントです。

ディーゼルカーに揺られ睡魔が


遠野近くで見た黄金色に輝く田んぼ

 釜石線キハ110系はまゆり6号15:10遠野→16:39盛岡着 指定席②[1520円]

 遠野からは、快速はまゆりで盛岡へ。電車とは違ったディーゼルカーのエンジン音に揺られていると睡魔に襲われました。3両編成で自由席2両はSL乗車後の戻り客で混んでいます。2回目の指定席を予約していてよかったです。車窓からは刈り取り前の田んぼや刈り取り後のイネ掛けが、黄金色に光っています。

つなぎ温泉大観ホテルからは雲海が見られた

・岩手県交通バス つなぎ温泉線 16:55 盛岡駅前→17:27つなぎ温泉着

 盛岡からバスで今夜の宿のつなぎ温泉ホテル大観へ。「繋」という漢字は画数多いので最近は「かな」で書くそうです。ホテルからは御所湖と岩手山を見渡せます。つなぎ温泉はph9のアルカリ泉、旅行記事なら、お肌に優しいトロトロしたお湯と書くのでしょうでね。湯量も豊富で正に美肌の湯って感じです。夕食は地元の旬の食材を用いたバイキング形式の料理だったので、お腹いっぱい食べることができました。温泉で体の芯から温まったのとお腹もいっぱいになったからでしょう、ぐっすり眠れました。
次回へ続く。(文・写真/伊藤啓太)
記事提供元:タビリス