鉄道150周年JR東日本パスに乗ってみちのくを満喫 <下>

ジョルダンニュース編集部

大宮→岩手県花巻温泉→遠野→盛岡→つなぎ温泉→盛岡→新青森→八甲田山頂→新青森→盛岡→秋田県角館→秋田→山形県酒田→新潟→大宮


鉄道開業150周年で発売されたJR東日本パスを利用した旅。JR東日本の管内3日間乗り放題で22150円。指定席を4回まで予約できる。列車の時刻の末尾にあるカッコ内の金額は通常運賃を指す。


みちのくの小京都・角館武家屋敷を散策


【3日目】

 ドーミーインはビジネスホテルですが、温泉があるので朝風呂に浸かってから朝食です。シェフに頼むと、きのこオムレツを作ってくれます。美味しいですね。ビュッフェなので他にも、盛岡冷麺(岩手で食べられる冷やし中華のようなもの)、ひっつみ汁(小麦粉で作られた団子状のものが入っている岩手の郷土料理)などもあります。小岩井牧場の小岩井牛乳、岩泉のヨーグルトとご当地産なのもうれしいですね。味が濃いように感じました。

・秋田新幹線こまち95号7:58盛岡→8:50角館 特定特急料金[2350円]

 仙北市にある角館は、こじんまりとした街並みなので徒歩で巡ります。まず、駅から徒歩10分強の武家屋敷通りへ。角館は江戸時代に栄えた城下町で、「みちのくの小京都」と呼ばれています。武家屋敷が並ぶ表通りは国の重要伝統的建造物群保存地区の指定を受けています。紅葉が始まったばかりの一帯は雨に煙っていました。ゆ家屋敷通りはクルマの通行も少なく、写真を撮ったり、土産物店をのぞいたりしながら歩きました。もっとも、お花見と紅葉の季節は多くの観光客が訪れ、混雑するそうです。

江戸時代にタイムスリップしたような角館の武家屋敷通り


・秋田新幹線こまち5号 10:40角館 →11:25秋田着 特定特急券[2520円]

 車窓からは秋田杉の丸太が積んであるのがみえます。ランチは秋田駅で駅そばしらかみ庵。明治35年創業で、稲庭うどん890円、ぎばさそば620円、ぎばさは秋田の海藻ですが、食べたのはキノコそば470円です。秋田は実はキノコの郷。キノコの香り立つ美味しいそばでした。こからは普通列車で酒田へ向かいます。

歴史的見どころ、芭蕉の訪れた象潟、戊辰戦争の古戦場を通過


・羽越本線普通列車 12:08秋田→13:58酒田着 [1980円]。

 秋田駅にはなまはげをイメージしたJR九州と共同開発の蓄電池車両が停まっていました。今回は乗る機会がありませんでしたが、関東ではあまり見られない車両なので、鉄道好きとしたら乗ってみたいものです。
 途中駅の西目・仁賀保間は風力発電の盛んな土地で、大きな風車がゆっくり回っています。2両編成の列車は東日本パスを持った旅行者や地元の人で座席がほぼ埋まっています。

秋田駅にはD51が展示されていた


 途中駅の象潟(きさがた)は松尾芭蕉が訪れた時には九十九島が点在して松島に並ぶ名所でしたが、現在は駅周辺や車窓からの田んぼに浮かぶ小島当時をしのばせます。ワンマン運転の列車内には、無人の車掌室からじっと鉄路を見る人、紙の時刻表を読む人、沿線風景をビデオで撮る人などさまざまな人が乗っています。
 酒田駅に着くと乗車予定のいなほ号が遅延するとのことなので、近くの庭園(清亀園)へ行くことも考えましたが大雨のため断念。駅構内でお土産やSL・旧酒田機関区の模型などを見ながら時間をつぶします。

米どころの秋田、山形、新潟を走る「いなほ号」


・羽越本線いなほ10号15:18(定刻14:30)酒田→17:15(定刻16:34)新潟着 指定席④[5370円]

 ここで最後の指定席券を使いました。秋田と山形の県境近くの遊佐(ゆさ)駅近くには聞くのも恐ろしい三崎峠古戦場があります。戊辰戦争時に戦死した庄内藩の兵士の遺体が、見せしめのため埋葬を許されず、50年間も放置されていたというのです。いなほ号は47分遅れだったのでビュンビュン飛ばします。新潟県に入って新発田(しばた)には今まで見たことのないカラスの大群がいました。一説によると近くの瓢湖(ひょうこ)の白鳥を恐れていると言いますけど、まさかね(笑)。新潟では名物ののどぐろ寿司を食べ、駅近くのスーパーで新潟限定サッポロビール(風味爽快ニシテ)をおみやげに買いました。

・上越新幹線とき346号 19:37新潟→20:30大宮 自由席[9800円]始発なので、指定を予約しなかったのですが、ゆうゆう座れます。

大宮からも武蔵野貨物線を使用するしもうさ号/むさしの号経由で帰ります。旅は最後まで見どころ満載です。
Tourists are back! これまで、あまり訪れる機会のない北東北の旅でした。
(文・写真/伊藤啓太)

鉄道開業150周年JR東日本パスに乗って、みちのくを満喫 <中>
鉄道開業150周年JR東日本パスに乗って、みちのくを満喫 <上>
記事提供元:タビリス