北朝鮮の輸出入動向がすべて分かる一冊『朝鮮貿易年報2023』発刊

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世界約200カ国の税関統計より反面調査

朝鮮半島を軸にした国際経済情報を発信する合同会社WTS研究所(所在地:日本国京都市)は、朝鮮民主主義人民共和国(以後、北朝鮮)の最新の貿易動向がすべてわかる統計書『朝鮮貿易年報2023』を2023年12月6日にリリースしました。

『朝鮮貿易年報2023』は世界200カ国の税関統計から、北朝鮮の取引をすべて抽出して一つにまとめた統計書です。収録データは最新2022年および前年(2021年)分であり、輸出2368件、輸入5126件に上ります。食料品などの一次産品から中間財や機械類に至るまで、世界標準HSコート゛(2桁、4桁、6桁)に基づいた、これら輸出入取引をすべて網羅しました。
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■本書について
北朝鮮が、いつ、どの国と、どのような商品を、いかほどの金額と数量で輸出入取引をしたのか。これら情報を全てまとめたのが本書です。自国の経済統計を基本的に公表しない同国ですが、ミラースタット(mirror statistics)の手法で構築された本書の内容は、現在外部から確認することができる、最も正確な同国の経済統計になります。
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各国が発表している貿易統計は、基本的に、輸出がFOB 価格(Free on Board:本船渡し価格)、輸入がCIF 価格(Cost Insurance and Freight:保険料・運賃込み価格)にとして計上されますが、本書の統計は反面調査であることから、それらが逆になります。即ち、北朝鮮の輸出がCIF 価格、同輸入がFOB 価格となっています。

ちなみに、貿易統計というのは、公表されている様々な経済統計のなかでも、とりわけ難しい特徴を持っています。品目名がコード(税関番号=HSコード)化されており、数千種類の品目情報を一つ一つ税関番号と照会する必要があるため、ある程度の専門知識が必要になります。さらに、データ量も膨大であることから、情報の特定に手間がかかります。しかし、本書は、税関番号と品目名を一致させて掲載しており、可読性を高める編集を心がけました。お求めの方は当研究所のウェブサイト(https://www.wtsinst.com/books)よりご確認ください。

■最近の北朝鮮の貿易動向
2022年度の北朝鮮の輸出額は約2.6億ドルであり、前年比で231%という大きな増加を示しています。国別では計84カ国に国に対し輸出取引があったことが確認されています。うち、中国との取引が最も多く、全体の51%(約1.3億ドル)を占める。2位がセネガル(12%/約0.3億ドル)、3位がナイジェリア(7%/約0.2億ドル)、4位がポーランド(4%/約0.1億ドル)、5位がオランダ(3%/約0.1億ドル)でした。

※一部の国については北朝鮮(North korea)と韓国(South korea)を混同したとみられる統計も存在する

品別では、HSコード第27類(鉱物性燃料及び鉱物油並びにこれらの蒸留物、歴青物質並びに鉱物性ろう)の輸出が0.5億ドルと最も多く、前年比でも約2倍の増加を示した。次に第26類(鉱石、スラグ及び灰)の輸出額(0.4億ドル)が続きました。
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一方、全体の輸入額は約9億ドルであり、こちらも前年比344%の急成長を示しています。国別では計41カ国からの輸入実績があったことが確認されています。うち、中国からの輸入が最も多く、全体の98%を占めています。他には、ジンバブエ、オランダ、インド、コロンビアなどが続くが、中国との取引に比べると微々たる水準に留まっています。

品別では、HS第39類(プラスチック及びその製品)の輸入額が約1.2億ドルと最も多く、続いて第15類(動物性、植物性又は微生物性の油脂及びその分解生産物、調製食用脂並びに動物性又は植物性のろう)と、第40類(ゴム及びその製品)の輸入額がそれぞれ0.6億ドルで続きました。

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輸出入ともに対中国取引が大きく回復しており、新型コロナウイルスによる影響(※国境封鎖含む)が緩和したことが背景にあるとみられます。輸出に関しては他にも、セネガルなどアフリカ諸国とのスポット取引とみられる実績が増加に多少寄与していますが、対中国偏重という構図に大きな変化はない。来年度以降の貿易額の推移も、中国との取引が大きな鍵を握ると予想されます。

ただし、最近、ロシアとの関係が急接近しており、武器や弾薬などの北朝鮮による対ロシア輸出が今後増える可能性なども諸報道で指摘されています。(※武器取引は各国の貿易統計には計上されない可能性が常にあるが)それに対するバーター取引として、ロシアから北朝鮮への原油・石油製品の輸出が増加する可能性も考えられるでしょう。今後の取引推移が注目されます。



【書籍情報】
・書籍名:『朝鮮貿易年報2023』
・データ数:2021年~2022年(計2年分)/ 輸出2368件(全84カ国) / 輸入5126件(全41カ国)
・サイズ:A4
・ページ数:254ページ
・ISBN番号:なし
・出典:世界各国税関
・言語:日本語
・発行年月:2023年12月6日
・統計基準:HS CODEに基づいた国別品別の輸出入統計(最小HS6桁)
・書籍情報ページ:https://www.wtsinst.com/books/
・問い合わせ先:当研究所のウェブサイト(https://www.wtsinst.com/contacts)よりお問い合わせください。
※英語版あり:https://www.wtsinst.com/books-eng/

【データベースの販売】
本書の収録統計データも別途提供しています。ご関心のある方はお問い合わせください。
・データ形式:CSVファイル
・内容:対象年の輸出入データすべて(HS分類2桁~6桁)、各品目の商品名(日本語・英語)

【会社概要】
会社名:合同会社WTS研究所
代表者:LEE DAL-YONG
所在地:京都府京都市伏見区深草渕町14番地の67
URL: http://www.wtsinst.com
E-Mail: @wtsinst.com(アットマークの前がinfo)
事業内容:朝鮮半島を軸とした有益な国際経済情報の発信(出版・メディアで発信)

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記事提供元:タビリス