スペースシードホールディングスは「SPACE FOODSPHERE」プログラムに参画し、宇宙と地球上における発酵技術、医療技術、養殖技術の開発を推進します

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スペースシードホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表:鈴木健吾、以下スペースシードホールディングス)は2024年4月に、一般社団法人SPACE FOODSPHERE(以下、スペースフードスフィア)※1 が実施する「SPACE FOODSPHERE」プログラムに参画し、宇宙と地球上における「完全資源循環型かつ超高効率な食料供給システム」に関連する研究開発ならびに事業開発を推進することをお知らせします。
※1 一般社団法人SPACE FOODSPHERE ウェブサイト https://spacefoodsphere.jp/

スペースフードスフィアでは、食料生産、資源再生、自動化・遠隔化、生態系、食品加工、調理、空間、極地生活、ビジネス、マーケティング、ファイナンス、人材育成など、様々な分野で活躍する多種多様なプロフェッショナルが一同に集結することで、より具体的な研究開発・実証・社会実装に向けて産学官の協業が促進されています。
スペースシードホールディングスの「SPACE FOODSPHERE」プログラムにおける役割について
スペースシードホールディングスは、宇宙開発につながる可能性を有したスタートアップへの出資を実施しており、大学等の研究機関との共同研究も展開していく予定です。「SPACE FOODSPHERE」プログラムにおいては、宇宙×発酵、宇宙×医学、宇宙×養殖の3つの領域における宇宙と地上それぞれの課題解決につながる研究開発テーマに取り組むことを想定しています。

宇宙×発酵研究
発酵は、限られた資源を用いて食品の栄養価を高め、保存性を向上させる手法として古来より地球上で利用されています。宇宙環境特有の制約(微重力、放射線レベルの高さ、限定された空間など)を考慮し、これらの発酵プロセスを効果的にデザインできれば、宇宙における物質循環や、宇宙食の多様性と質を飛躍的に向上させることが期待されます。最終的には開発した成果によって、宇宙で生活する人の健康維持を前提にしたQOL向上に寄与し、長期の宇宙ミッションをサポートできると考えられています。

研究開発としては、特殊な環境下での発酵菌の生育状態と発酵効率を評価するための基礎実験を行う予定です。具体的な研究内容として、異なる培養条件(圧力、温度、放射線レベル、培養液の成分)での発酵パターンの変化を調査することなどを想定しています。さらに、閉鎖環境での発酵生物の管理技術を開発し、発酵による副産物の有効利用を目指す研究も進めることを予定しています。例えば、発酵過程で生じる二酸化炭素を植物の成長に利用するシステムの開発や、発酵食品から得られる生理活性物質を用いた宇宙飛行士の健康支援など、宇宙での完全なる資源循環システム構築などを想定しています。これらの研究から有用な成果が得られた際には、宇宙だけでなく地球上でも閉鎖された環境での生活支援に応用可能であり、地上における持続可能な生活システムの構築やサービスにも活用していく予定です。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/140650/1/140650-1-d2631ee59cbc63c6dd8becc36777e2b7-3000x2000.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]過酷環境に対応できる候補の米麹[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/140650/1/140650-1-558544b2963aae93cdd34842ebfed0ad-3504x2336.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]大規模発酵タンク

宇宙×医学
医学の研究において、エクソソームは細胞間コミュニケーションにおける重要な役割を果たす小胞として特に注目されています。エクソソームの表面には、細胞膜由来の脂質、タンパク質を含み、内部には核酸(マイクロRNA、メッセンジャーRNA、DNAなど)やタンパク質などが含まれていて、現在はその役割について解明が進められています。特に、宇宙は放射線が強く、低重力で筋萎縮が誘導されるなど、生物において過酷な環境だと認識されていてますが、そのような過酷な環境におけるエクソソームの挙動や機能を理解することが、医学の観点から解決策を提示するために非常に重要だと考えられています。中でも、エクソソームが老化プロセスに与える影響を研究することで、宇宙において加速されると考えられる老化関連の変化を防ぐ新たな知見が得られることが期待されます。

具体的な研究アプローチとしては、異なる環境下においた培養細胞やヒト臨床試験におけるオミクス関連の解析を実施するとともにエクソソームを詳細に分析することで、それぞれの環境がエクソソームの産生にどのようにかかわっているか、またエクソソームがどのように生体に機能しているかを明らかにしていくことを想定しています。その研究の進捗の中で、エクソソームを利用した老化を抑制する方法に関する知見が得られると考えています。これらの研究開発によって、宇宙医学の分野に新しい提案を行っていくことだけでなく、地球上で活用される医療技術の進化にも寄与する可能性を追求していく予定です。
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/140650/1/140650-1-e00d97d9833f71ad42b98f472fb8745a-3000x2000.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]エクソソーム研究におけるマイクロ流路の応用イメージ[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/140650/1/140650-1-ae4be8b57d69623652bb9f1b8a65ac0c-1616x1080.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]エクソソーム高含有飲料の開発

宇宙×養殖
宇宙空間における水生生物に関する研究は以前から実施されており、その生体への影響などについて少しずつ解明されてきました。この研究成果は、惑星基地や宇宙船内における水生生物の飼育の実現を経て食料自給に繋げることができると期待されています。ただし、地球外空間という資源や環境条件が限定された中でこの「宇宙養殖」を実現するには、地上に比べより高い空間的、時間的、資源的な効率性が求められます。これらの課題を解決するために、育種による条件適合生物の創出や宇宙空間特有の条件下でも生物飼育を可能とする飼育インフラの開発等が期待されています。

例えば有用な形質を持った親個体を交配し、子個体を品種化する選抜育種法や、突然変異で生まれうる個体を人為的に得られるゲノム編集技術を応用すれば、高いストレス耐性を持ち、餌の消化吸収力に優れ、成長が早い「宇宙品種」を作出することが可能だと考えられます。あるいは低重力下における流体制御技術を応用すれば、従来技術では実現し得ないローコスト、高密度化が可能な飼育装置を開発できる可能性があります。こうした「宇宙空間」を前提とした養殖種、養殖技術の開発を行うことで、宇宙空間における持続的な食糧源の確保に貢献するだけでなく、翻って地上における限定空間、例えば極域や砂漠等における食料生産技術の開発確立にも貢献していくことを想定しています。
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スペースシードホールディングスについて
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スペースシードホールディングス株式会社は、「SFをノンフィクションにする」をミッションとして、新技術のテーマ探索、スタートアップへの投資育成ならびに大学等との共同研究を通じて、社会課題の解決に取り組んでいます。最終的には、各種ステークホルダーとともに宇宙空間で居住するのに必要な技術を揃えることを目指しています。今後は、社内にあるアカデミックな知見やネットワークを活用して、「サイエンス」×「ナラティブ」をベースに社会に対して科学を軸とした対話を継続しながら、積極的に社会課題に対する新しいサービスやプロダクトを提供していく予定です。
スペースシードホールディングス株式会社のウェブサイト https://ss-hd.co.jp/
スペースシードホールディングス株式会社のyoutubeチャンネル(英語)https://www.youtube.com/channel/UCkQBD0NBGxok8p0dM41DfQg

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記事提供元:タビリス