【JIMA】自殺報道 メディアの9割が悩む 記事の扱いに配慮 ~ 記者の研修態勢、指針づくりには課題も

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「一般社団法人インターネットメディア協会(JIMA)」(代表・瀬尾傑、会員54媒体・社)は、「自殺報道について考えるプロジェクト」を立ち上げ、自殺報道のあるべき姿を考える取り組みを進めています。今回は、「一般社団法人マスコミ倫理懇談会」(会員201社・団体)などの協力を得て、現場で自殺報道に携わっているメディアの責任者と記者を対象にしたアンケート調査を実施しました。その結果、別表の通り、メディア25社の責任者と17人の記者から回答を得ることができました。その内容をお知らせします。

[画像: https://prtimes.jp/i/84795/9/resize/d84795-9-2dc3b4d111bc0c33ef67-2.png ]

<調査と公表の方法>
2023年2月~3月、JIMAやマスコミ倫理懇談会に参画するメディアを中心に質問票をメールで送信し、回答を呼びかけました。回答した個人名や組織名、会社名は、回答内容と紐づけず、統計的処理をしたうえで数値としてまとめました。


<概要>
自殺報道にあたって「いつも悩んでいる」「時々悩んでいる」が、責任者・記者とも約90%に上り、メディアが悩みながら報道している現状が浮き彫りになりました。悩む理由について、責任者は「自殺の連鎖への危惧」を、記者は「遺族の心情」を最も多く挙げています。責任者は25社中21社が「記事が目立つようにしない。報道を過度に繰り返さない」などの配慮をしていると回答しました。また、現在の自殺報道に「問題がある」と考える責任者は25社中19社、記者は17人中15人に上りました。

WHO(世界保健機関)が作成した自殺報道ガイドライン*について、25社中22社の責任者が、参考にするよう組織内で何らかの呼びかけをしていました。一方で、「自殺報道について、特段の記者研修を実施していない」と回答した責任者は25社中17社に上りました。また、25社中18社が自殺報道にあたって独自のマニュアル・指針文書を持っていないと回答しました。ただ、25社中3社はWHOの自殺報道ガイドラインの理解を深める手引き書を作成していました。
注:https://www.mhlw.go.jp/content/000526937.pdf


<アンケート調査に回答した社・メディア(順不同)>
◆テレビ 14社
 NHK、TBSテレビ、フジテレビジョン、中京テレビ放送、テレビ愛媛、RSK山陽放送、四国放送、あいテレビ、青森テレビ、岩手めんこいテレビ、東北放送、宮城テレビ放送
◆新聞 7社
 朝日新聞社、毎日新聞社、日刊スポーツ新聞社、岩手日報社、東奥
日報、長崎新聞社
◆ネットメディア 2社
 ジェイ・キャスト、BuzzFeed Japan News
◆出版 2社
 光文社、小学館NEWSポストセブン
 記者17人の内訳は、社員記者12人、管理職(デスク以上)4人、契約記者1人でした。


<今後の取り組み>
JIMAの「自殺報道について考えるプロジェクト」は、今後も各メディアと議論を続け、自殺報道の問題点や課題の共有を図ります。その活動の一環として、自殺報道ガイドラインを定めている米国、韓国、豪州など海外の事例を参考にしながら、日本での自殺報道ガイドラインのひな型づくりにも取り組みます。

<参考資料>
https://prtimes.jp/a/?f=d84795-9-0281094daca1b5a961ef2141a4369fea.pdf

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一般社団法人インターネットメディア協会(JIMA)について

2019年4月設立(任意団体)。新聞、雑誌、放送からインターネット専業まで、インターネットでメディア活動を行うメディア企業、報道機関などを対象として、業態を超えて課題の共有、議論を行う一方、情報発信者および情報受信者を含んだ「リテラシー」向上のための社会的な活動を推進する団体。2021年6月22日に法人登記をし「一般社団法人インターネットメディア協会」を設立。2023年5月現在の会員企業(もしくは会員メディア)と賛助会員数は、54にのぼる。

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記事提供元:タビリス