ネクスウェイ、「アスヤクDIポータル」を通じて病院・薬局間の在庫状況共有を目的とした試験運用を開始

PR TIMES

「魚津市薬薬連携」における薬局間の医薬品融通や患者紹介の負担を軽減

 TISインテックグループの株式会社ネクスウェイ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:松森正彦、以下ネクスウェイ)は、富山県魚津市薬剤師会(以下、魚津市薬剤師会)と独立行政法人 労働者健康安全機構 富山労災病院(以下、富山労災病院)が取り組む「魚津市薬薬連携※1」において、医薬品在庫状況の共有や医薬品融通を目的に、2023年11月から2024年4月まで「アスヤクDIポータル」の「地域連携機能」を活用した試験運用を実施することを発表します。

 ネクスウェイのドラッグインフォメーション(以下、DI)電子提供サービス「アスヤクDIポータル」の「地域連携機能」は、地域の医療機関や薬局の検索、および医薬品の在庫情報の閲覧・共有ができる機能です。現状、各薬局がExcelやCSVファイルでアップロードした医薬品の在庫情報※2をダウンロードすることで、各薬局の在庫状況を閲覧できる仕組みになっています。
 ネクスウェイは今回実施する試験運用の結果を受け、「アスヤクDIポータル」の「地域連携機能」に、地域内の各薬局の医薬品在庫状況を検索、確認できる機能の実装を検討していきます。

※1 薬薬連携:地域住民へのより良い医療の提供や医薬品の適正使用推進を目的として行われる、病院薬剤師-薬局薬剤師間の情報共有体制
※2 共有する在庫情報は、医薬品、メーカー名など各薬局で任意の情報を選定

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■背景
 魚津市薬剤師会と富山労災病院では、不足医薬品の在庫状況を地域全体で共有する取り組みを行うにあたり、以下の課題を抱えていました。
 ●各薬局は、不足医薬品の情報を専用フォーマットに記入し、富山労災病院に都度FAXを送信する手間がかかっていた。
 ●富山労災病院は、各薬局から不定期に不足医薬品の情報が届いており、その薬局の不足医薬品が、他薬局でも不足しているのか把握できていなかった。そのため多くの薬局で不足している医薬品については、医師等にDIニュースとしてお知らせしていたので、都度、他薬局や問屋に不足医薬品を確認していた。
 ●薬局間では不足医薬品の情報共有がされていないため、医薬品融通や患者紹介などの際、近隣薬局数軒に電話で確認する手間がかかっていた。
 ●不足医薬品の情報共有や医薬品融通がスムーズに対応できていないため、患者の待ち時間が増加していた。
これらの課題解決のため、「アスヤクDIポータル」の「地域連携機能」を活用し、病院薬局間、近隣薬局間で不足医薬品の在庫状況を共有する試験運用を開始しました。

■試験運用の概要
 今回の試験運用には、魚津市薬剤師会20薬局のうち、本取り組みに賛同した12薬局が参加します。各薬局は、月に1回の頻度で開催される薬薬連携会議※3でリスト化された不足医薬品の在庫状況を、「アスヤクDIポータル」にアップロードします。このデータを、地域内の各薬局および富山労災病院が確認し合うことで、以下のような効果が期待されます。
 ●各薬局は、自薬局で用意できない医薬品の処方箋を受けた際、近隣薬局の在庫状況を「アスヤクDIポータル」上で確認し、問い合わせができるため医薬品融通や患者紹介をスムーズに行うことができる。
 ●富山労災病院の薬剤部や医師などは、近隣薬局の医薬品の在庫状況を把握した上で処方ができる他、処方した医薬品がある薬局を確認し、患者に案内することができる。
 ●医薬品供給が不安定な中にあっても、地域の薬局および病院の情報共有により、医薬品を必要とする患者に安定的に提供できる。

※3 薬薬連携会議:富山労災病院の薬剤部と魚津市薬剤師会が、協力して薬薬連携を推進する中で開催する会議

■富山県魚津市薬剤師会 会長 畠山規明氏のコメント
 魚津市内の薬局は、チェーン薬局も多く各社社内ルールが多い中、自薬局の利益ばかりにとらわれず、患者の目線にたって協力し合えていることが何よりも素晴らしいと思っています。医薬品供給がなかなか安定しない中、患者が薬をもらうために薬局を何軒もはしごしないように、また患者が安心して薬物治療を継続できるようにと地域に根ざした薬局薬剤師としての誇りを胸にご参加いただいています。そして、今回の試験運用がうまくいっているのは、やはり富山労災病院薬剤部との薬薬連携が充実しているからであると実感しています。
 今後まだまだ医薬品供給不安定で苦しんでいる患者のために、他地域においても、どんどん薬薬連携と在庫情報の供給を積極的に進めていただきたいと強く願っております。

■富山労災病院 薬剤部 部長 稲村勝志氏のコメント
 今回の試験運用により、当院では医師にも薬局の在庫状況を一覧にして配布しました。これによって自分の処方している薬剤の具体的な在庫状況が分かり、他剤への変更もスムーズにできていると思います。在庫切れの疑義照会※4は、ほとんどありません。薬局間での医薬品融通および患者紹介をしていただくことが、地域貢献に繋がっていると実感しています。

※4 疑義照会:薬剤師が処方箋の内容について、発行した医師に問い合わせをすること

■今後の展望
 ネクスウェイでは、今回の試験運用の結果などを受け、地域の薬局、医療機関との情報共有や連携に必要な以下のような検索機能を充実させ、地域包括ケアシステム※5に参画する薬局・薬剤師を支援していきます。
 ●地域の各薬局の医薬品在庫状況を、病院薬局間、近隣薬局間において、検索および一覧で確認ができる機能
 ●診療科目による医療機関の検索や、患者宅から近い薬局を住所や距離情報で検索できる機能
 ●不足/流通不安定医薬品のみならず、デッドストック医薬品や災害対策にも応用できる機能

※5 地域包括ケアシステム:人口減少社会における介護需要の急増という困難な課題に対して、医療・介護などの専門職から地域の住民の一人ひとりまで様々な人たちが力を合わせて対応していこうというシステム

■「アスヤクDIポータル」について
 「アスヤクDIポータル」は、100社以上の製薬企業のDIをタイムリーかつ、網羅的に集約し、薬剤師がいつでもどこでも閲覧できるポータルサービスです。「アスヤクDIポータル」に会員登録するだけで、薬局・薬剤師は無料でご利用いただけます。
 <特長>
 ●トピックとして、より注目度の高いDIを優先的に確認できる
 ●薬の流通供給関連情報や新発売情報など、カテゴリ別に確認できる
 ●「回覧BOX」機能により、薬局内で特に確認してほしい情報を選択し回覧できる
 ●検索機能により過去のDIを簡単に検索できる

■「地域連携機能」について
 「アスヤクDIポータル」の「地域情報検索」画面より、近隣の医療機関・薬局の検索や、他薬局の医薬品在庫情報の閲覧、および他薬局への医薬品在庫情報の共有が可能です。
 <特長>
 ●自薬局を中心とした近隣の医療機関・薬局を地図もしくはリストで検索が可能
 ●施設の基本情報(薬局名、住所、電話番号、FAX番号等)に加え、営業時間、薬剤師人数、認定薬局取得有無など付随する情報※6を掲載、および検索が可能
 ●薬局ごとに医薬品の在庫情報をExcel、CSXファイルでアップロードし、他薬局などへ共有、および閲覧が可能※7

詳しくは以下URLをご参照ください。
https://form.asuyaku.jp/asuyakudiportal_lp

※6 全国の医療機関・薬局情報については、厚生局データ等の公開情報を元に取得・更新
※7 「アスヤクDIポータル」を利用している医療機関・薬局施設のみが閲覧可能

株式会社ネクスウェイについて(https://www.nexway.co.jp
ネクスウェイは、デジタルとアナログをつなぐ通信サービスとSaaSを提供する会社です。
情報の多くがクラウド上で処理される現在においても、なお私たちの生活はリアルな社会で営まれており、デジタルとアナログを結び付けることはますます重要になってきています。
ネクスウェイが提供するサービスを通じて情報を日本のすみずみまで届け、あらゆる人々が自分らしく働ける世界の実現を目指します。

TISインテックグループについて
TISインテックグループは、国内外グループ2万人を超える社員が『ITで、社会の願い叶えよう。』を合言葉に、「金融包摂」「都市集中・地方衰退」「低・脱炭素化」「健康問題」を中心とした様々な社会課題の解決に向けてITサービスを提供しています。デジタル技術を駆使したムーバーとして新たな価値を創造し、人々の幸せと持続可能な豊かな社会の実現に貢献します。

※ 記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。
※ 記載されている情報は、発表日現在のものです。最新の情報とは異なる場合がありますのでご了承ください。

◆「アスヤクDIポータル」に関するお問い合わせ先
株式会社ネクスウェイ ソリューション事業本部 医薬情報事業部
TEL:0120-341-890 E-mail:clp@nexway.co.jp

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記事提供元:タビリス