【新刊案内】微生物産生ポリエステルの基礎と応用 ~ 生合成、基礎物性、高次構造、成形加工、生分解性、応用展開まで ~  監修:岩田 忠久  発行:(株)シーエムシー・リサーチ

PR TIMES

バイオマス/生分解性プラスチック両方の性質を持ち、石油合成プラの課題を克服可能として最も注目されるポリマー「微生物産生ポリエステル (ポリヒドロキシアルカノエート, PHA)」について詳しく記述!

材料科学や化学の先端技術やその市場動向に関するレポート発行やセミナー開催を行う(株)シーエムシー・リサーチ(東京都千代田区神田錦町、https://cmcre.com/)では、このたび「微生物産生ポリエステルの基礎と応用 ~ 生合成、基礎物性、高次構造、成形加工、生分解性、応用展開まで ~」と題する書籍を2023年11月20日発行いたしましたので、お知らせします。
書籍の定価は、90,000 円(税込 99,000 円)(書籍)、書籍とCDセットの定価はセット120,000 円(税込 132,000 円)(書籍+CD)となっており、ご購入受付中です。書籍目次の詳細や販売については以下の弊社サイトをご覧ください。
https://cmcre.com/archives/118514/

【新刊案内】微生物産生ポリエステルの基礎と応用 ~ 生合成、基礎物性、高次構造、成形加工、生分解性、応用展開まで ~
Recent Development of Microbial Polyesters

 
◎刊行に当たって
 現在、石油合成プラスチックの抱える地球規模の課題として、石油資源の枯渇、焼却時に発生する二酸化炭素による地球温暖化、環境中で分解されないことによる環境破壊および生態系への影響などが挙げられます。これらを解決する方法として、再生産可能な植物バイオマスを出発原料として生産される「バイオマスプラスチック」と環境中の微生物の働きによって二酸化炭素と水にまで完全に分解される「生分解性プラスチック」の開発が期待されています。
 本著で取り上げている微生物産生ポリエステル(ポリヒドロキシアルカノエート、PHA)は、糖や植物油を原料として微生物体内で生合成されるバイオマスプラスチックであるとともに、自然環境中に存在する分解微生物によって山、川、海などの様々な環境下で分解する生分解性プラスチックでもあります。従って、石油合成プラスチックの様々な課題を克服できる持続可能で環境に優しい素材として最も注目されているポリマーの一つです。
 PHAは1925年にフランス・パスツール研究所のMaurice Lemoigne博士により発見されましたが、1960年代まで高分子科学者の間ではほとんど知られていないポリマーでした。1982年に、イギリスのICI社が生分解性を有する熱可塑性ポリマーとして本格的な生産に乗り出しましたが、様々な生産上および物性的な困難から真の実用化には至りませんでした。これらの課題克服が、PHA研究の歴史であり、現在でも課題克服に向けて様々な研究開発が行われています。
 生合成の観点からは、硬くてもろい物性を克服するために多くの共重合体の生合成に取り組んできました。それは、様々な合成微生物の獲得や遺伝子組み換え技術を用いた新規共重合体の生産です。共重合体第二成分の種類や含率の制御、分子量の増加、生産効率の向上など様々な取り組みがなされています。アカデミアを中心とした実験室レベルでの生産からパイロットスケール、さらには商業スケールへの増産は、菌体内蓄積率の制御が困難であるなど、一筋縄では行きませんでした。一方、物性的な観点では、ガラス転移点が室温以下であることから、二次結晶化が進行し、物性の経時劣化が生じる点が最大の問題でした。また、物性向上には必要不可欠な延伸操作を行うことが難しいこともあり、実用に耐える強度を備えた材料の開発には至りませんでした。
 しかし、産官学共同の下、多くのプロジェクトが結成され、また、高分子学会エコマテリアル研究会を始め多くの勉強会が立ち上がり、研究者の人数も増え、また長く研究を続けられることができるようになりました。このような研究の広がりは欧米の研究者とも連携し、1988年にカナダのトロントで第1回 International Symposiumon Biological Polyesters(ISBP)が開催されました。2010年には、会議名をInternational Symposium on Biopolymers(ISBP)に変え、2022年には第18回の開催をスイスのシオンで迎えました。次回は、2024年にマレーシアのペナンで開催される予定です。PHA研究のすばらしさは、微生物学、発酵学、高分子化学、高分子材料学、酵素学、環境科学など、専門分野の異なる研究者が共に集い、共同研究を遂行しながら進めている点です。
 本著は、このような観点から、PHA研究における様々な分野の現在のみならず過去の研究成果についても、敢えて著者の方々に執筆していただきました。PHA研究は、20年ぐらい前に一度大きなピークを迎えています。その時には、非常に多くの貴重な基礎研究や技術開発の報告がなされていますが、最近それらの成果が忘れられ、同じような研究が再度行われている節があります。これまでの研究成果に今一度目を向け、それらを知った上で最新の研究を進めていくことが必要です。PHAを、ポリエチレンやポリプロピレンなどの汎用樹脂を越える、環境に優しい持続可能な社会の構築に必要不可欠な素材として成長させるために、本著が少しでも貢献できることを祈っています。
 最後に、ご多忙中にもかかわらずご協力いただいた執筆者の皆様方に深く御礼申し上げます。特に、日々刻々と変化する微生物の命名法に対して貴重なご意見と新旧対照表の作成にご協力いただきました福居 俊昭 先生、柘植 丈治 先生、粕谷 健一 先生にはこの場を借りて厚く御礼申し上げます。
                                              岩田 忠久
 
 
 
■ 微生物産生ポリエステルの基礎と応用 ~ 生合成、基礎物性、高次構造、成形加工、生分解性、応用展開まで ~
■ 発 刊:2023年11月20日発行
■ 監修:岩田 忠久
■ 定 価:本体価格 90,000 円(税込 99,000 円)
本体 + CD セット 120,000 円(税込 132,000 円)
■ 体 裁:A4判・並製・本文412頁
■ 編集発行:(株)シーエムシー・リサーチ
ISBN 978-4-910581-45-3
 
 

【本書の特徴】
➢ バイオマスプラスチックと生分解性プラスチック両方の性質を持ち、石油合成プラス チックの課題を克服できるとして最も注目されるポリマー「微生物産生ポリエステル (ポリヒドロキシアルカノエート, PHA)」について詳しく記述!
➢ 実用化が難しいとされてきた微生物産生ポリエステルについて、生合成の観点、 商業スケールへの増産、構造・物性などの課題克服から実用化に向けてまで様々な 研究を詳述!
➢ 非常に多くの異なる専門分野研究者が集い PHA の研究を進めている事実を踏まえ、 過去から最新のものまでの研究成果を網羅して記述した、これからの更なる研究、 実用化開発に必携の一冊!
➢ 日々刻刻変化する微生物命名法に対しては、第一線の先生方のご協力のもと新旧対照表を作成! 
 

詳細、お申し込みはこちらから↓
https://cmcre.com/archives/118514/
 

[画像: https://prtimes.jp/i/12580/2552/resize/d12580-2552-aa2fcc89402c4d96ee31-0.jpg ]

 
 
【執筆者一覧(掲載順)】
百武(石井) 真奈美  東京工業大学 物質理工学院 特任助教
柘植 丈治  東京工業大学 物質理工学院 准教授
宮原 佑宜  東京工業大学 物質理工学院 特任助教
岩田 忠久  東京大学大学院 農学生命科学研究科 生物材料科学専攻
       高分子材料学研究室 教授
田口 精一  神戸大学 科学技術イノベーション研究科
       /先端バイオ工学研究センター 特命教授
高 相昊  神戸大学 科学技術イノベーション研究科
       /先端バイオ工学研究センター 特命助教
松本 謙一郎  北海道大学大学院 工学研究院 応用化学部門 教授
山田 美和  岩手大学 農学部 応用生物化学科 教授
福居 俊昭  東京工業大学 生命理工学院 教授
田中 賢二  近畿大学 産業理工学部 教授
中沖 隆彦  龍谷大学 先端理工学部 応用化学課程 教授
佐藤 俊輔  (株)カネカ アグリバイオ& サプリメント研究所
       GreenPlanet 研究グループリーダー
前原 晃  三菱ガス化学(株) 新潟研究所 主任研究員
佐藤 俊  国立研究開発法人産業技術総合研究所 機能化学研究部門
      主任研究員
水野 康平  北九州工業高等専門学校 生産デザイン工学科 教授
阿部 英喜  国立研究開発法人理化学研究所 環境資源科学研究センター
       バイオプラスチック研究チーム チームリーダー
山根 秀樹  京都工芸繊維大学 名誉教授
田中 稔久  信州大学 繊維学部 先進繊維・感性工学科 教授
加部 泰三  東京大学大学院 農学生命科学研究科 生物材料科学専攻
       高分子材料学研究室 助教
大村 拓  東京大学大学院 農学生命科学研究科 生物材料科学専攻
       高分子材料学研究室
田代 孝二  豊田工業大学 名誉教授/あいちシンクロトロン光センター
藤田 雅弘  国立研究開発法人理化学研究所 環境資源科学研究センター・
       バイオプラスチック研究チーム 専任研究員
吉江 尚子  東京大学 生産技術研究所 教授
三宅 仁  アイ─コンポロジー(株) 代表取締役
石井 大輔  東京農業大学 生命科学部 分子生命化学科
       生命高分子化学研究室 准教授
Rina Afiani Rebia  信州大学大学院 総合工学系研究科
           生命機能・ファイバー工学専攻 博士課程
粕谷 健一  群馬大学大学院 理工学府 分子科学部門 教授
       /群馬大学 食健康科学教育研究センター センター長
石井 俊一  海洋研究開発機構 超先鋭研究開発部門 副主任研究員
鈴木 美和  群馬大学 食健康科学教育研究センター 助教
橘 熊野  群馬大学大学院 理工学府 分子科学部門 准教授
       /群馬大学 食健康科学教育研究センター
平石 知裕  国立研究開発法人 理化学研究所 環境資源科学研究センター
       バイオプラスチック研究チーム 専任研究員
久野 玉雄  国立研究開発法人 理化学研究所 生命機能科学研究センター
       専任研究員
中山 敦好  国立研究開発法人 産業技術総合研究所 バイオメディカル研究部門
       主任研究員
菊地 貴子  一般社団法人化学物質評価研究機構 高分子技術部 主管研究員
佐藤 拓己  東京工科大学 応用生物学部 アンチエイジングフード研究室 教授
 
 
【本書の構成および目次概要】
☆本書の詳細な目次はこちらから!
https://cmcre.com/archives/118514/
 
第I編 生合成
   
第1章 微生物産生ポリエステルの分子量に影響する因子と超高分子量化   百武(石井)真奈美,柘植丈治
   
第2章 中鎖長PHAホモポリマーおよび分岐側鎖PHA共重合体の生合成   宮原佑宜,柘植丈治
   
第3章 超高分子量P(3HB)の生合成と熱延伸フィルムの作製および物性・構造解析   岩田忠久
   
第4章 微生物ポリマーPHA研究の基礎から応用まで   田口精一,高 相昊
   
第5章 グリコール酸ポリマーおよびブロック共重合体の生合成と材料特性   松本謙一郎
   
第6章 ブルーカーボンの有効活用を目指して
 ~海藻を原料としたポリヒドロキシアルカン酸の微生物合成~   山田美和
   
第7章 二酸化炭素からのPHA生合成   福居俊昭,田中賢二
   
第8章 P3HBV-b-P3HB 二ブロックおよび P3HBV-b-P3HB-b-P3HBV三ブロック共重合体の生合成と結晶化挙動   中沖隆彦
   
第9章 Poly(3-hydroxybutyrate-co-3-hydroxyhexanoate)生産微生物の育種と実用化   佐藤俊輔
   
第10章 P(3HB-co-4HB)の生合成   前原 晃
   
第11章 高度好塩性古細菌によるポリエステル生産   佐藤 俊
   
第12章 ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)合成細菌の探索   水野康平,柘植丈治

   
第II編 構造,物性
   
第1章 ポリヒドロキシアルカン酸のフィルム物性およびポリマーブレンド   阿部英喜
   
第2章 ポリヒドロキシアルカン酸の熱分解   阿部英喜
   
第3章 PHBH延伸フィルムの作製と物性評価   山根秀樹
   
第4章 冷延伸フィルムの作製と物性および生分解性評価   岩田忠久
   
第5章 微結晶核延伸法によるPHA高強度繊維の作製とトモグラフィー解析   田中稔久,岩田忠久
   
第6章 冷延伸・二段階延伸法および中間熱処理延伸法を用いた高強度繊維の開発   加部泰三,岩田忠久
   
第7章 部分溶融紡糸法による伸縮性繊維の開発と海洋分解   大村 拓,岩田忠久
   
第8章 PHAの結晶構造 ─PHBを中心として─   田代孝二
   
第9章 放射光を用いたPHA結晶の動的構造解析   藤田雅弘
   
第10章 PHAの化学組成分布と組成分別   吉江尚子
   
第11章 海洋生分解性バイオマス複合プラスチック材料「Biofade(ビオフェイド)」の可能性   三宅 仁

   
第III編 生分解性・生体吸収
   
第1章 微生物産生ポリエステルナノファイバーの作製と生体吸収性評価   石井大輔
   
第2章 PHBHブレンドナノファイバーの作製と医療材料への応用   田中稔久,Rina Afiani Rebia
   
第3章 ポリ(3─ヒドロキシブタン酸)加水分解酵素   粕谷健一,石井俊一,鈴木美和,橘 熊野
   
第4章 PHA酵素分解機構の解明   平石知裕
   
第5章 単結晶を用いた分解酵素の吸着および分解機構の解明   岩田忠久
   
第6章 ポリヒドロキシアルカン酸フィルムの酵素分解   阿部英喜
   
第7章 PHA分解酵素の3次元結晶構造   久野玉雄
   
第8章 PHAの海洋生分解性評価   中山敦好
   
第9章 プラスチックの生分解性評価   菊地貴子
   
第10章 生分解性プラスチックで酪酸菌優位な腸内環境を   佐藤拓己

 
 
☆目次の詳細とお申し込みはこちらをご覧ください↓
https://cmcre.com/archives/118514/
 
 
 
 
◎CMCリサーチ刊行関連書籍のご案内
(1)バイオプラスチックの高機能化 ~ 基礎と応用、高機能性・耐久性の実現 ~
 https://cmcre.com/archives/107700/

■ 発  刊:2023年1月6日発行
■ 著  者:位地 正年
■ 定  価:本体価格 60,000 円(税込 66,000 円)
本体 + CD セット 70,000 円(税込 77,000 円)
 ★ メルマガ会員:定価の10%引き!
■ 体  裁:A4判・並製・183頁・カラー
■ 編集発行:(株)シーエムシー・リサーチ
ISBN 978-4-910581-31-6

☆詳細とお申し込みはこちらから↓
https://cmcre.com/archives/107700/


(2)世界のプラスチックリサイクル 最新業界レポート
 https://cmcre.com/archives/104041/

■ 発  行:2022年10月5日
■ 定  価:冊子版 180,000 円(税込 198,000 円)
       セット(冊子 + CD) 240,000 円(税込 264,000 円)
       ★ メルマガ会員:定価の10%引き!
■ 体  裁:A4判・並製・394頁
■ 編集発行:(株)シーエムシー・リサーチ
   ISBN 978-4-910581-30-9

☆詳細とお申し込みはこちらから↓
https://cmcre.com/archives/104041/


(3)世界のバイオプラスチック・微生物ポリマー 最新業界レポート
 https://cmcre.com/archives/98051/

■ 発  行:2022年5月30日
■ 定  価:冊子版 180,000 円(税込 198,000 円)
セット(冊子 + CD) 240,000 円(税込 264,000 円)
  ★ メルマガ会員:定価の10%引き!
■ 体  裁:A4判・並製・252頁
■ 編集発行:(株)シーエムシー・リサーチ
 ISBN 978-4-910581-22-4

☆詳細とお申し込みはこちらから↓
https://cmcre.com/archives/98051/

 
(4)生分解性プラスチック入門 
 ~ 生分解性プラスチックの基礎から最新技術・製品動向まで ~
 https://cmcre.com/archives/65218/

■ 発  行:2020年9月10日
■ 著  者:望月 政嗣
■ 定  価:冊子版(カラー)  60,000 円(税込 66,000 円)
       セット(冊子 + CD)  70,000 円(税込 77,000 円)
       ★ メルマガ会員:定価の10%引き!
■ 体  裁:A4判・並製・176頁
■ 編集発行:(株)シーエムシー・リサーチ
   ISBN 978-4-904482-88-9

☆詳細とお申し込みはこちらから↓
https://cmcre.com/archives/65218/
  

☆弊社書籍一覧とご購入はこちらから!↓
 https://cmcre.com/archives/category/cmc_all/
 

◎CMCリサーチ ウェビナーのご案内
☆開催予定のウェビナー一覧はこちらから!↓
https://cmcre.com/archives/category/seminar/semi_cmcr_f/

企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ
記事提供元:タビリス