新たなリアルワールドデータが COVID-19による入院患者へのベクルリー(レムデシビル)使用をさらに支持

共同通信PRワイヤー

2024年3月21日
ギリアド・サイエンシズ株式会社

 新たなリアルワールドデータが COVID-19による入院患者さんへのベクルリー(レムデシビル)の使用をさらに支持
-ベクルリーと罹患後症状発現リスクの軽減との関連を解析データが示す--ベクルリーと免疫不全患者さんの死亡リスク軽減との関連を別の解析データで確認

ギリアド・サイエンシズ(本社:米カリフォルニア州フォスターシティ、ナスダック:GILD、以下「ギリアド」)は3月5日、第31回レトロウイルス・日和見感染症会議(CROI)において、3件のリアルワールド・レトロスペクティブ研究から得られた新たなデータを発表しました。

・一つの解析では、COVID-19入院患者さんにおける、ベクルリー(レムデシビル)と特定の罹患後症状リスクの軽減との関連が示されました。
・別の解析では、オミクロン株流行期(2021年12月~2023年4月)の免疫不全のCOVID-19入院患者さんにおいて、酸素投与の必要性の有無に関わらず、ベクルリー投与と死亡率の有意な低下との関連が示されました。
・3件目の解析では、COVID-19入院患者さんにおいて、酸素投与の必要性の有無に関わらず、デキサメタゾン単独療法との比較により、ベクルリーとデキサメタゾンの併用療法と死亡率の低下との関連が示されました。

ギリアドのウイルス領域責任者で、上級副社長のフランク・ダフ(Frank Duff, MD)は次のように述べています。「CROIで発表されたリアルワールドデータは、引き続きベクルリーの強力な有効性および安全性プロファイル、ならびにCOVID-19の影響を受けた人々に対してベクルリーがもたらす恩恵を強化するものです。COVID-19の発生から4年になりますが、ベクルリーがCOVID-19入院患者さんの標準治療として使われる抗ウイルス薬であることに変わりはありません。これらの最新データにより、免疫不全患者さんを含む入院患者さんの死亡率の低下、および罹患後症状リスクの軽減に対するベクルリーの役割に関する科学的な理解が深まることを期待しています」

ギリアドは、COVID-19の罹患後症状(Post-COVID Condition:PCC)リスクに対するベクルリーの可能性を理解するため、HealthVerityの52,006名の患者さんデータの解析を行いました。解析の結果、65歳以上、65歳未満の両年齢群において、ベクルリーの投与によりPCCリスクが10%低下しました(65歳未満群:ハザード比(HR)は0.90(95%信頼区間[CI]:0.86-0.93)、65歳以上群:HRは0.90(95%CI:0.86-0.95)。ベクルリーの投与により、65歳以上群では16の症状/診断のうち6つ(認知機能障害、脳血管障害、神経精神医学的特徴、下痢、胸痛および自律神経障害)、65歳未満群では16の症状/診断のうち8つ(上記の65歳以上群に記載の6つの症状のほか、血栓塞栓症および頭痛)に対するリスク軽減がみられました。本解析結果は、COVID-19罹患後、早期に抗ウイルス薬での治療を行う重要性を支持する既存のエビデンスをさらに強化するものです。

別の解析では、オミクロン株流行期(2021年12月~2023年4月)のPINC AI Healthcareデータにより、免疫不全のCOVID-19入院患者さんにおいて、ベクルリー投与と死亡率低下との関連が示されました。本解析の対象は、ベクルリーの投与を受けた免疫不全患者さん10,687名と対照群の4,989名でした。28日時点の結果では、酸素投与の必要性の有無に関わらず、ベクルリー非投与群と比較して、ベクルリーを投与された免疫不全患者さんにおいて死亡率が25%有意に低下しました(HR:0.75、95% CI:0.68-0.83;p<0.0001)。本研究は、CROI 2023で以前発表された研究結果を支持し、さらに強化するものです。

リアルワールド試験の追加データでは、デキサメタゾン単独療法と比較して、ベクルリーとデキサメタゾンの併用療法を受けたCOVID-19患者さんにおいてアウトカムの改善が示されました。本試験では、ベクルリーとデキサメタゾンの併用療法を受けた患者さん33,037名と、デキサメタゾン単独療法を受けた患者さん33,037名を比較しました。デキサメタゾン単独療法の患者さんと比較して、併用療法を受けた患者さんにおいて14日目および28日目の両時点において、全ての酸素投与の必要性レベルにわたり、死亡リスクの有意な低下が認められました。ベースライン時に酸素投与の使用が確認されなかった患者さんにおいて、28日時点で、ベクルリー投与により、死亡リスクが20%(p<0.001)低下しました。低流量または高流量酸素療法を受けた患者さんは、それぞれ28日時点で、死亡リスクが26%(p<0.001)、29%(p<0.001)低下しました。ベースライン時に侵襲的機械換気/ECMOを必要としていた患者さんは、28日時点で、死亡リスクが19%(p=0.0182)低下しました。

ベクルリーについて
ベクルリー(レムデシビル)は、ギリアドの10年以上にわたる抗ウイルス研究の成果を基に創薬されたヌクレオチド誘導体です。本剤は、COVID-19による入院患者さんの標準治療として使われる抗ウイルス薬で、進行リスクが高い非入院患者さんの疾患進行を抑制する治療として推奨されています。ベクルリーの安全性プロファイルは確立されており、幅広い集団において、確認されている最小限の薬物相互作用を有しています。ベクルリーは、さまざまな重症度の患者さんの疾患進行抑制、および患者さんの早期回復を可能にすることにおいて、重要な役割を果たしています。

ベクルリーはSARS-CoV-2ウイルスRNAポリメラーゼを標的とすることにより、細胞内部で直接ウイルス複製を阻害します。in vitro解析において、ベクルリーは、XBB、XBB.1.5およびCH.1.1を含む、最新の懸念されるオミクロン株亜種に対する抗ウイルス活性を保持します。また、EG.5、EG.5.1およびBA.2.86を含む、新たな注目すべき変異株および懸念される変異株に対するベクルリーの評価は継続して行われています。

ベクルリーは、世界50カ国以上で承認されています。現在までにベクルリーおよびジェネリック薬のレムデシビルは、ギリアドのボランタリー・ライセンスを通じて提供された低中所得国における800万人を含め、世界で約1,400万人の患者さんに提供されています。

米国でのベクルリーの適応症
米国におけるベクルリー(レムデシビル 100 mg 注射剤)の適応症は、次の成人および小児患者さん(体重1.5kg以上)に対するCOVID-19治療となります。

・入院している
・あるいは、入院しておらず、軽症から中等症のCOVID-19であり、入院や死亡を含むCOVID-19重症化リスクが高い

詳細については、www.gilead.comに掲載されている米国の添付文書(完全版)をご覧ください。

米国におけるベクルリーに関する重要な安全性情報
禁忌
ベクルリー製剤またはそのいずれかの成分に対して臨床上問題となる過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。

警告および使用上の注意
・過敏症(注入に伴う反応とアナフィラキシー反応を含む):ベクルリーの投与中および投与後に、注入に伴う反応やアナフィラキシー反応などの過敏症の発生が報告されています。また、そのほとんどが1時間以内に発現しています。投与中は患者をモニタリングし、臨床的に適切となるよう投与完了から少なくとも1時間は過敏症の徴候や症状がないか観察してください。低血圧、高血圧、頻脈、徐脈、低酸素症、発熱、呼吸困難、喘鳴、血管浮腫、発疹、吐き気、発汗や振戦などの症状が現れることがあります。点滴速度を下げると(点滴時間は最長で120分)、これらの反応を予防できる可能性があります。投与に伴う重度の過敏症が発現した場合、直ちにベクルリーの投与を中止し、適切な治療を開始して下さい(「禁忌」を参照)。
・トランスアミナーゼ上昇リスク:ベクルリーを投与された健常被験者やCOVID-19患者に、トランスアミナーゼの上昇が認められています。COVID-19の臨床所見としてもトランスアミナーゼ上昇が報告されています。全ての患者について、肝機能検査を行ってください(「用法および用量」を参照)。ALTが施設基準値上限(ULN)の10倍を超える場合、ベクルリーの投与中止を検討してください。ALT上昇に伴い肝臓の炎症を示す症状・徴候が認められた場合はベクルリーの投与を中止してください。
・クロロキン・ヒドロキシクロロキンとの併用時の抗ウイルス活性低下リスク:ベクルリーとリン酸クロロキンまたはヒドロキシクロロキン硫酸塩との併用については、細胞培養で拮抗作用が認められ、ベクルリーの抗ウイルス活性が低下する可能性があることから、推奨しません。

副作用
・発現率が高かった副作用(全グレードにおいて発現率5%以上)は吐き気でした。
・発現率が高かった検査値異常(全グレードにおいて発現率5%以上)は、ALT上昇とAST上昇でした。

薬物相互作用
・ベクルリーと併用薬の薬物相互作用を検討するヒトを対象とした試験は行われていません。

用法および用量
・アナフィラキシーなど、重度の過敏症反応の管理が可能な条件下で投与されます。
・投与期間:
 O 入院患者の場合、COVID-19の徴候があると診断された場合、早急にベクルリーを投与する必要があります。
 O 侵襲的機械換気および/またはECMOを必要としない入院患者の場合、推奨投与期間は5日間です。臨床的改善が認められない場合、投与期間をさらに5日間まで延長でき、投与日数の合計は最高で10日間です。
 O 侵襲的機械換気および/または ECMO を必要とする入院患者の場合、推奨投与期間は合計 10 日間です。
 O 軽症から中等症のCOVID-19と診断され、入院または死亡を含むCOVID-19重症化リスクの高い非入院患者の場合、推奨投与期間は合計で3日間です。COVID-19の徴候があると診断された場合、できるだけ早急に、症状発現から7日以内に外来での使用を開始することを推奨します。
 O 投与前および投与中の検査:ベクルリーの投与開始前は肝機能検査、プロトロビン時間の検査を行い、投与期間中も、臨床上必要に応じて行ってください。
 O 腎機能障害:透析患者を含め、腎機能障害の程度に関わらず、腎機能障害を有する患者に対するベクルリーの投与量調節は推奨しません。ベクルリーは、透析のタイミングとは関係なく投与可能です。

妊婦および授乳婦への投与
・妊婦:ベクルリーに対する妊婦レジストリは確立されています。妊婦に関するベクルリーの使用可能な臨床試験データから、妊娠第2期および第3期の曝露後に、重大な先天異常、流産、あるいは母体や胎児の有害転帰といった、薬剤関連のリスクは特定されていません。また、妊娠第1期中のベクルリー曝露リスク評価のための十分なデータはありません。妊娠中のCOVID-19未治療には、母体や胎児のリスクが伴います。
・授乳婦:ベクルリーは乳汁中へ移行する可能性があります。授乳の発達および健康上のベネフィットは、母体に対するベクルリーの臨床上の必要性や、授乳中の子どもに対してベクルリーあるいは母体の基礎疾患が及ぼす有害な影響の可能性と併せて考慮してください。COVID-19患者の授乳については、乳児へのウイルス曝露を避けるための臨床ガイドラインに従ってください。

ギリアド・サイエンシズについて
ギリアド・サイエンシズは、すべての人々にとって、より健康な世界の実現を目指し、30年以上にわたり医療の革新を追求し、飛躍的な進歩を遂げてきたバイオ医薬品企業です。 当社はHIV、ウイルス性肝炎、COVID-19、がんなどの生命を脅かす疾患の予防と治療のため、革新的な医薬品の開発に取り組んでいます。カリフォルニア州フォスターシティに本社を置き、世界35カ国以上で事業を行っています。

将来予測に関する記述
本プレスリリースは、1995年「米国証券訴訟改革法」(Private Securities Litigation Reform Act of 1995)で定義される「将来予測に関する記述」に該当し、いくつかのリスクや不確定要素などの要因を含む場合があります。これらのリスク等には、現在見込まれるタイムライン内に臨床試験を開始、進行、完了するギリアドの能力、またはそれらが全く完了できない可能性、ベクルリーに関するものを含む進行中または追加の臨床試験から得られた結果が好ましくない可能性、規制当局への申請および関連する申請や承認のスケジュールに関する不確実性、規制当局から承認された場合でも、その使用に著しい制限が課される可能性、および上記のいずれかの根拠となる仮定も含まれます。これらのリスクやその他の不確定要素等については、米国証券取引委員会に提出している、2023年12月31日を期末とするギリアド年次報告書(フォーム10-K)で詳細に説明しています。これらのリスク、不確定要素およびその他の要因により、実際の結果が「将来予測に関する記述」で言及されたものと大きく異なる可能性があります。歴史的事実以外の全ての記述は、「将来予測に関する記述」とみなされます。このような「将来予測に関する記述」は将来の業績を保証するものではなく、リスクや不確実性を伴いますので、この記述に過度に依拠しないようご注意下さい。「将来予測に関する記述」は全て、ギリアドが現在入手できる情報に基づいており、ギリアドは「将来予測に関する記述」を更新する義務を負うことはなく、更新する意向もありません。

記事提供元:タビリス