ニューヨーク人情酒場 酒場の終わりは意外と静かに……「5年続けば奇跡」のNY飲食業界で奮闘した酒場の最後の1日

SUUMOジャーナル

ニューヨーク人情酒場へようこそ!これは、ブルックリンにある小さな酒場(レストラン)で起こった色んな出来事。
大都会の夜、一杯の酒から始まる人間模様。作者はこのお店で今お寿司を作っているよ。

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恋の終わりは意外と静かに

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人生、どんなドラマチックな出来事も終わる時は意外とあっけなかったりするものです。それがまた虚しさに拍車をかけてきます。

今までいろいろなお店で仕事をしてきましたが、間違いなくこの職場が一番アットホームだったし、同僚との距離も近かったです。英語が第一言語でない人間にとって、日本人以外の人々から本当の意味で対等に扱ってもらえるというのは初めてだったような気がします。それがすごく嬉しかったです。

だからこそビジネスもうまくいってほしかったけど、やっぱり家賃事情など他の州に比べてシビアすぎる面が多く、NYの新規の飲食店は5年以上続けば奇跡といわれています。機材や建物の古さ、業者の杜撰さなど、日本と比べ物にならないほどにコンディションが悪いので、冷蔵庫・冷凍庫の故障や、天井からの雨漏りなどなにか1つでも不具合が出ると業務に長く支障が出ることも。
そんな感じなので、今までいろいろな個人経営のお店で働きましたが、どのお店もオーナーさんの激務ぶりが尋常じゃなく、7日連勤はザラでした。
修理に出したものが戻ってきて即日でまた壊れたり、新品で購入したものが動かなかったり、納品が時間通りに来ないということも日常的に起こるので、オーナーは臨機応変な対応が求められます。結果として、職場の近くに住んでいる人がすごく多かったですね……。

大好きな職場だったからこそ悲しい終わりにはなってしまったけれど、とにかく良い縁に巡り合えたことには心底感謝しています。本当にこのお店で働けてよかったです。
それぞれが違う道を選び、切ないほどにあっけなくバラバラになっていったこのお店。今は、全く様子の違うチャラめなバーに様変わり。諸行無常です。

次回以降、また新たな職探しやNYの生活についての新しいシリーズを始める予定です。お楽しみに!

ヤマモトレミ

作者:ヤマモトレミ
89年生まれ。福岡県出身。2017年、勤めていた会社の転勤でニューヨークに移住。仕事の傍ら、趣味でインスタグラムを中心に漫画を描いて発表していたところ、思った以上に楽しくなってしまい、2021年に脱サラし本格的に漫画家としての活動を開始。2022年にアメリカで起業し個人事業主になりました。ブルックリンのレストランで週4で寿司ローラーをやっています。

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記事提供元:タビリス