NYマンハッタンで話題、最高価格25億円の高級コンドミニアムに潜入。ブランド家具付き「ターンキー」って? ニューヨーク(アメリカ)

SUUMOジャーナル

アメリカ・ニューヨークのセントラルパーク南端から2ブロック南の57丁目は、「ビリオネアズ・ロウ(Billionaires’ Row)」、つまり「億万長者の並び」と呼ばれています。この通りを中心に近年、次々と富裕層向け高級コンドミニアムの建設ラッシュが続いています。

今回はこの地区に新たに完成したばかりの、高級ホテルとの複合住居ビルに案内してもらいました。ホテル暮らしのような生活ができる新築コンドミニアムで、家具付きのオプションも選べます。どのような物件なのか、見てみましょう。

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販売価格は1億7,600万円~25億円。東京の高級エリア千代田区より3~4割高!?

マンハッタン56丁目にこのほど完成したばかりの高層新築コンドミニアム、「ONE11 Residences at Thompson Central Park(ワン・イレブン・レジデンスズ・アット・トンプソン・セントラルパーク)」 。
ハイアット系列の豪華ホテル 「トンプソン・セントラルパーク」の客室の上階(34階~42階、99世帯分)がONE11 Residences at Thompson Central Parkの住居スペースになっています。
販売価格は119万5,000ドル~1,695万ドル(約1億7,600万円~25億円)です。

「居住スペースは1階のホテルロビーから出入りも可能なため、ホテル内の施設に行きやすく、まるでホテル暮らしのような生活ができるんですよ」( ONE11 Residences at Thompson Central Parkのセールス・ディレクター マリア・マイニエリさん)

ホテル、トンプソン・セントラルパークの客室の上階(34階~42階)がONE11 Residences at Thompson Central Parkの住居部分。写真は廊下から見渡せるセントラルパークの景色(c) Kasumi Abe

ホテル、トンプソン・セントラルパークの客室の上階(34階~42階)がONE11 Residences at Thompson Central Parkの住居部分。写真は廊下から見渡せるセントラルパークの景色(c) Kasumi Abe

セントラルパークまで3分と自然豊かな最高の立地で、それぞれの部屋の窓には四季折々の美しい景色が広がります。徒歩圏内はオフィス街と商業街で、地下鉄の駅、高級デパート、カーネギーホールなどの文化的施設も充実し、とてもにぎわいのある地区です。

日本に住んでいる方々がイメージしやすいよう、首都圏を中心に新築マンションを取材してきた情報誌『SUUMO新築マンション』編集長・永田幸樹氏にも話を聞いてみました。まず街の中心に位置する緑豊かなセントラルパークを皇居となぞらえるならば、東京でいうと「距離感などを考慮すると千代田区をイメージするのが良いのではないでしょうか」とのこと。

ただし、価格面は平方フィート(psf)あたりの平均価格から確認しても、千代田区より3~4割程度高いようです。東京都心でも特に人気エリアである千代田区より3~4割高いとは、さすが“ビリオネアズ・ロウ”界隈(ニューヨークの富裕層エリア)です。しかも高級ホテルの上階とは、一度は憧れるシチュエーションです。

住居部分の下層が豪華ホテルと連結。会員制高級ラウンジやレストランも使える

さっそく ONE11 Residences at Thompson Central Parkの中に入ってみましょう。

ONE11 Residences at Thompson Central Parkとホテル「トンプソン・セントラルパーク」の入口は2つ別々にありますが、高層複合ビルのため、建物内のロビーで繋がっています。奥に進めばホテルのレストランやバーがあり、ミーティングや仕事終わりの1杯などで立ち寄りやすい雰囲気です。

1階にあるホテル「トンプソン・セントラルパーク」のバー(c) Kasumi Abe

1階にあるホテル「トンプソン・セントラルパーク」のバー(c) Kasumi Abe

1階にあるホテル「トンプソン・セントラルパーク」のレストランスペース(c) Kasumi Abe

1階にあるホテル「トンプソン・セントラルパーク」のレストランスペース(c) Kasumi Abe

建物内にはホテル「トンプソン・セントラルパーク」のVIPとONE11 Residences at Thompson Central Parkの住人だけが利用できる高級会員制スタイルのラウンジ兼コワーキングスペースも完備しています。軽く飲みながら休憩をしたり、リモートワークをしている人の姿もちらほら見かけます。

「ONE11 Residences at Thompson Central Parkの居住者は最初の1年間、ここで提供されているフード&ドリンク類は無料サービスとなります」( マリア・マイニエリさん)

ホテルのVIPとONE11 Residences at Thompson Central Parkの住人だけが利用できるラウンジ兼コワーキングスペース(c) Kasumi Abe

ホテルのVIPとONE11 Residences at Thompson Central Parkの住人だけが利用できるラウンジ兼コワーキングスペース(c) Kasumi Abe

NY生活を即開始できる。オプションで家具付き物件も

この物件には、ターンキー(turnkey)と呼ばれるオプションもあります。ターンキーとは簡単にいえば、家具付きの物件のこと。住人が契約後に鍵を受け取り、ドアを開けてすぐに生活が始められるという意味から、そのような言葉が使われています。

ONE11 Residences at Thompson Central Parkでは、インテリアの専門家がコーディネートした家具を丸ごと購入することもできます。もちろん自分でインテリアを選びたい場合は、ターンキーなしのオプションを選ぶことも可能です。

「ターンキー物件のインテリアは、人気のトーマス・ジュール・ハンセンによるコーディネートです。インテリアや家具、壁にかかっている絵画、リネン、キッチンのお鍋や食器、バスルームのソープ類、タオルなどまで丸ごと購入できますから、すぐに生活を開始できるのです。外国のお客様にとって海外生活を即スタートできるのはとても便利なオプションのようで、好評です」( マリア・マイニエリさん)

ゆったりした入口スペース(c) Kasumi Abe

ゆったりした入口スペース(c) Kasumi Abe

ターンキーを選べば、センスの良い家具からインテリア小物まで全部ついてくる。自分で選んだり買い物したりする手間が省け(c) Kasumi Abe

ターンキーを選べば、センスの良い家具からインテリア小物まで全部ついてくる。自分で選んだり買い物したりする手間が省ける(c) Kasumi Abe

ターンキーのオプションを選べば、このようにテーブルや棚に置かれたインテリア小物もすべてついてくる。そのオプションを選ばなくても見ているだけでインテリア選びの参考になりそう(c) Kasumi Abe

ターンキーのオプションを選べば、このようにテーブルや棚に置かれたインテリア小物もすべてついてくる。そのオプションを選ばなくても見ているだけでインテリア選びの参考になりそう(c) Kasumi Abe

セントラルパークを臨むベッドルーム(c) Kasumi Abe

セントラルパークを臨むベッドルーム(c) Kasumi Abe

アイランドキッチン。冷蔵庫、IH調理器、食器洗浄機、ワインクーラーなどすべてミーレ社製(c) Kasumi Abe

アイランドキッチン。冷蔵庫、IH調理器、食器洗浄機、ワインクーラーなどすべてミーレ社製(c) Kasumi Abe

窓付きの明るいバスルーム。「アメリカでは非常に珍しく浴槽から出てお湯を流せるタイプになっています」( マリア・マイニエリさん)。日本人も使い勝手が良さそう(編集注:通常アメリカのバスルームはトイレと浴槽が同じ室内にあり、日本の浴室のように浴槽の外で体を洗ったりお湯を流したりすることはできない)(c) Kasumi Abe

窓付きの明るいバスルーム。「アメリカでは非常に珍しく浴槽から出てお湯を流せるタイプになっています」( マリア・マイニエリさん)。日本人も使い勝手が良さそう(編集注:通常アメリカのバスルームはトイレと浴槽が同じ室内にあり、日本の浴室のように浴槽の外で体を洗ったりお湯を流したりすることはできない)(c) Kasumi Abe

収納スペースがたっぷりのウォークイン・クローゼット(c) Kasumi Abe

収納スペースがたっぷりのウォークイン・クローゼット(c) Kasumi Abe

リビングとベッドルームからセントラルパークの四季の移ろいを楽しむことができる(c) Kasumi Abe

リビングとベッドルームからセントラルパークの四季の移ろいを楽しむことができる(c) Kasumi Abe

冒頭で価格帯はご紹介しましたが、各住居の気になるお値段は? 以下は住居ごとの一例です(すべてターンキーなしの価格)。

Residence 36A ー (1ベッド、1バスルーム  707平方フィート=65.7平方メートル)
$2,050,000(約3億1,027万円)

Residence 37C ー (2ベッド、2バスルーム 1,133平方フィート=105.2平方メートル)
$2,695,000(約4億790万円)

(オプションのターンキーを選ぶ場合、住居の大きさに応じて追加費用は16万ドルから25万5千ドル、約3,000万円前後)

ホテル上階の住居スペース、ターンキー物件、日本では?

こうしたラウンジを備えたコンドミニアムやターンキー(家具付き)の物件は、日本でも増えているのでしょうか? 前出の『SUUMO新築マンション』の永田氏に聞きました。

「日本ではホテルと一体的に開発される分譲マンション自体がそもそも稀有な存在です。前提として、日本のマンションでは大規模物件を中心に共用部が充実しているケースが多く、高級感のある設えの物件も一定数ある状態です。とはいえ、ONE11 Residences at Thompson Central Parkのようにコンドミニアムに住みながら、同じ建物内にあるホテルの施設を利用できる物件も登場しています」

形式は違えど、ホテルライクな暮らしができるコンセプトの物件は、日本でも登場してきているようです。そのような中には高層階を購入した人のみが利用できるサービスもいくつか見られます。最近では、大阪市内に誕生した『Brillia Tower 堂島(ブリリアタワー堂島)』(フォーシーズンズホテルと一体の高級分譲マンション)が一例です。

ターンキー物件については、「ニューヨークでも同様かと思いますが、日本では分譲マンションのオプションとしては珍しいタイプで、ごく稀に存在している印象です。富裕層向けのハイクラスの物件はそもそもゼロベースでカスタマイズすることを前提にしているケースも多いです。空間づくりにこだわる方が多いのが背景にあるのですが、カスタマー自身が間取りや設備までトータルコーディネートしているケースが少なくありません」。

ターンキー物件そのものは珍しいものの、近いサービスを享受できる富裕層向けのハイクラス物件はよくあるようです。

コンドミニアムを購入する場合、「プロのインテリアコーディネーターによってすでにセレクトされている家具や小物を丸ごと購入できるのを便利としてそこに価値を置く人」から、「時間がかかって良いから自分ですべてのインテリアをコーディネートしたい人」、また「プロにお願いしなくて良いから少しでもインテリア価格を抑えたい人」など、住居に求める理想やライフスタイルの好みはさまざまです。それを踏まえ「諸々のオプションがあって選ぶことができる」のが、ONE11 Residences at Thompson Central Parkの強みであり特徴だと思いました。

●関連サイト
ONE11 Residences at Thompson Central Park

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記事提供元:タビリス