「SUUMO住みたい街ランキング2024関西版」梅田が西宮北口と大差で3年連続1位に! 本町、尼崎も躍進

SUUMOジャーナル

リクルートは関西圏(大阪府・兵庫県・京都府・奈良県・滋賀県・和歌山県)に居住している20歳〜49歳の4600人を対象に実施した「SUUMO住みたい街ランキング2024年関西版」を発表した。
どのような街がランクインしたか、結果と併せて街の魅力を探ってみた。

TOP3は3年連続1位「梅田」、2位「西宮北口」、3位「神戸三宮」

1位は大都心部「梅田」、2位は阪神間の人気の街「西宮北口」、3位は神戸市の玄関口「神戸三宮」だった。
トップ3は2022年から3年連続で同じ位置をキープしたが、今年際立ったのが1位の「梅田」の強さだ。2位の「西宮北口」と約300点もの差をつけており、「得点がジャンプアップした街ランキング」でも昨年から100点以上も得点を伸ばして1位に。
「梅田」の人気の高まりがはっきりと結果に出た。

住みたい街(駅)ランキング [1位~20位]

得点がジャンプアップした街(駅)ランキング[1位~10位]

梅田人気はうめきた開発の期待感や高い資産価値が決め手に

「梅田」の人気の背景には、西日本最大のターミナル「JR大阪駅」北側の再開発「うめきた」による街の発展がある。「グランフロント大阪」が誕生した1期開発に続いて「うめきた2期(グラングリーン大阪)」が進行しており、今年9月には一部先行街開きをする予定だ。

グランフロント大阪(写真/PIXTA)

グランフロント大阪(写真/PIXTA)

中でも特に期待が寄せられるのが、大阪駅と直結する都市公園「うめきた公園」の誕生だろう。関西最大のビッグターミナルであるJR大阪駅前に、広大な芝生広場や、美しい曲線を描く大屋根のイベントスペースを設けた巨大公園が姿を現す。周辺にはホテルやオフィスビル、タワーマンションなども続々開業するという、心躍らされる都市プランだ。
住みたい理由としてあげられる街の魅力は、働く場にとどまらない街のにぎわい、文化娯楽施設の充実などだ。
「梅田」を「西宮北口」と年代別で比較すると、20代の支持率が突出して高いのもうなずける。
ビジネスや商業のイメージが強い「梅田」だが、うめきたエリア再開発の波及効果や福島方面や中津方面の再開発により住宅供給が増加。直近10年間でも大阪市北区・福島区で1万5000戸以上の分譲マンションが供給された。
近年、若い人の間で住宅を資産価値として見る層が増えており、住むイメージが希薄だった梅田エリアも、都心居住への憧れの強さに後押しされ、“働き、暮らす街”として魅力を増していると考えられる。

街の魅力項目トップ10 梅田駅

年代別上位3駅の得票率

同時にアンケートをとった「穴場だと思う街(駅)」でも「梅田」が昨年の2位から1位に上昇した。
「梅田」と「穴場」のイメージがマッチしない印象だが、ハイブランドの店舗から昔ながらの飲食街まで多様な顔があることが、“住む街としても見逃せない”という穴場感につながっているのかも。

穴場だと思う街(駅)ランキング

ほかにも得点を上げた街を見てみたい。
「江坂」は昨年の11位から8位にランクインした(310点→342点)。
「江坂」は大阪中心部のオフィス街に直結する大阪メトロ御堂筋線にあり、新幹線停車駅「新大阪」や「梅田」「淀屋橋」に乗り換えなしで行ける。
また、阪急京都線「烏丸」は昨年の15位から12位に(238点→270点)、「本町」は18位から13位(216点→256点)に大きく順位を上げている。
それぞれ京都市、大阪市の中心エリアにあり、商業施設やオフィスが集まる華やかな街だ。
これらの結果を見ても、都心への交通アクセスの良さや商業施設の充実など、利便性の高い街に人気が集まっていることがわかる。

「住みたい自治体」は「西宮市」「大阪市北区」がトップ2

アンケートでは「住みたい自治体」についても尋ねた。
1位は「西宮市」。以下「大阪市北区」、「明石市」、「大阪市天王寺区」、「大阪市中央区」と続いた。

住みたい自治体ランキング [1位~20位]

得点ジャンプアップした自治体ランキング[1位~10位]

「住みたい街ランキング」でトップ2だった街の自治体「西宮市」「大阪市北区」がやはり1位、2位を獲得した。
1位から5位までが昨年と同じ順位だが、昨年との得点差を見ると「大阪市北区」が130点(997点→1127点)と、他の自治体に比べて突出して大きい。
一方、手厚い子育て施策で注目を集める「明石市」は今年も3位をキープし、依然として高い支持を得ている。

「梅田」が利便性や都心への憧れ、資産価値の高さを背景にしているのに対し、「明石市」は市民目線のサービスで注目を集めた。
「明石市」の街の魅力項目には「子育てに関する自治体のサービスが充実している」だけでなく、「介護や高齢者向けのサービスが充実している」「公共施設が充実している(図書館、コミュニティセンター、公民館など)」など、子育て以外の自治体の施策や生活環境の充実も挙げられる。

明石駅前。大規模商業施設だけでなく、近くに公共施設や商店街がある(画像提供/明石市役所)

明石駅前。大規模商業施設だけでなく、近くに公共施設や商店街がある(画像提供/明石市役所)

明石駅前。大規模商業施設だけでなく、近くに公共施設や商店街がある(画像提供/明石市役所)

明石駅前。大規模商業施設だけでなく、近くに公共施設や商店街がある(画像提供/明石市役所)

年代・ライフステージでは、夫婦+子ども世帯の支持(2位)だけでなく、夫婦のみ世帯(3位)、女性20代・30代(2位)、男性20代・30代(5位)と子育てファミリー以外のさまざまな層からも高く注目されている。
また、「メディアによく取り上げられて有名」という声も多く、自治体の発信力も地元以外でも住みたいと思う人が増える要因になっているようだ。

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おしゃれなオフィス街「本町」が大躍進本町の風景(写真/PIXTA)

本町の風景(写真/PIXTA)

「本町」は住みたい街ランキングで昨年の18位から13位へとランクアップ。得点ジャンプアップした街ランキングでも40点も得点を伸ばし3位となった。
「本町」のある「大阪市中央区」は自治体総合ランキングで6位となり、特に男性40代、シングル男性、シングル女性では3位の高順位に。

街の魅力として「魅力的な働く場」や「雰囲気やセンスのいい飲食店やお店」などがあり、最先端のおしゃれな街という印象で捉えられていることが分かる。
大阪市中央区は2府4県の中でも人口増加率、15歳未満の人口増加率がともにナンバー1。小学校の児童数も10年前の3000人未満から4000人に届きそうな数に。本町駅周辺は中央区・西区ともに小型の分譲マンション供給が続いており、この5年間で中央区だけで約6000戸以上増えたことが人口増の要因となっている。
1975年の万博開催年に建てられた「船場センタービル」はコロナ禍の中、2021年から土日の営業を開始。地域住民が増えていることで飲食店などがにぎわいを見せている。

梅田に隣接しているのに割安な家賃相場。新築マンションの供給進む「尼崎市」JR尼崎駅前の様子(写真/PIXTA)

JR尼崎駅前の様子(写真/PIXTA)

「尼崎市」は「住みたい自治体」総合順位で過去最高位の19位にランクイン。特にシングル男性で8位に食い込み、夫婦のみの世帯も16位と高支持を得た。ファミリーよりもシングルやカップルからの支持が厚い傾向が見られる。
JR「尼崎」駅は「住みたい街ランキング」では31位だが、「得点がジャンプアップした街」では9位に躍進を遂げた。

JR尼崎駅は大阪駅まで新快速で1駅6分、東海道本線、福知山線、東西線が乗り入れ、交通利便性の高さでは関西屈指。その割に家賃相場が割安なのも魅力のひとつといえる。

住みたい理由として「コストパフォーマンスが良い」「物価が安い」「電車やバスでさまざまな場所に行きやすい」「街に賑わいがある」など、交通利便性や物価といった実質的な側面が評価されている。

尼崎市全体では高齢化が進むものの再開発で美しく整備されたJR尼崎駅周辺を中心にマンションの供給が続き、周辺エリアからの流入も多い。
子ども向け施設として最近注目を集めているのが、2022年に「ボートレース尼崎」場内にオープンした関西初のキッズパーク「モーヴィあまがさき」。ボーネルンド社や行政が共同で子ども向けのイベントを開催しており、なかなか予約がとれないほどの人気だという。

市も子育て支援に力を入れており、子どものうちから健康に関心を持つよう11歳と14歳を対象に「尼っこ検診」を実施。定住・転入促進情報発信サイト「AMANISM(アマニスム)」やSNSを使った情報発信など、独自の取り組みで住みやすさをアピールしている。

2024年の「住みたい街ランキング」では、「梅田」が圧倒的に強かった。得点ジャンプアップランキングでも1位となり、人気の高まりは現在進行形だ。
また、「尼崎」や「本町」など、梅田から10分圏内の街も躍進が目立つ。

コロナ禍を抜け出した今、関西圏では都心の利便性と華やぎが一層求められるようになったと思える。
一方、「明石市」のように、市民目線の施策や地道な街づくりにより人口を増やしている自治体もある。
うめきたエリアの再開発などで都心部が今後さらに整備されていく中、人々が「住みたい」と思う街がどう変化していくか、注目していきたい。

●関連サイト
・SUUMOリサーチセンター「SUUMO住みたい街ランキング2024 関西版」プレスリリース

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記事提供元:タビリス