乳幼児のいる家庭のマンション選び、買う時より住んでから重視度が上がるポイントとは?

SUUMOジャーナル

あなぶきホームライフでは、5歳以下の子どものいる家庭の意見を通じて、子育て世代の住宅ニーズを把握するために、首都圏にマンションを所有する、末子が5歳以下の946人にアンケートを実施した。アンケートの内容は、「マンションを購入した時と居住した後の住まいに関する重視ポイント」についてだ。購入した時と後では、どういった違いがあったのだろうか?

【今週の住活トピック】
乳幼児のいる家庭に「マンションを購入した時と居住した後の住まいに関する重視ポイント」についてアンケートを実施/あなぶきホームライフ

マンション購入後のほうが購入時よりも、すべての項目で重視度が上がる

調査結果では、各項目の重視度に対する回答を、「重視した」(3ポイント)、「どちらともいえない」(2ポイント)、「気にしなかった」(1ポイント)として集計している。また、マンション購入時に重視していたことと、マンション購入後(もし今マンションを買うなら重視すること)を同じ項目で調査し、そのポイントの差異も調べている。

どの程度重視したかの項目は、①教育施設や自治体の制度などの子育て環境、②マンションの設備、③マンションの間取りの3つに分類して聞いているのだが、公表された結果を見る限り、重視度はすべての項目で「購入後」のほうが高くなっていた。購入後のほうが、さまざまなことを気にするようになったということだろう。

それぞれの分類で重視度がトップだったのは、①子育て環境「役所・病院・スーパーなどの生活利便施設」(購入時2.63:購入後2.73)、②マンション設備「セキュリティシステム」(購入時2.48:購入後2.59)、③マンションの間取り「収納力(クローゼットの場所や収納量)」(購入時2.57:購入後2.74)。ただし、これらの項目では、購入時と購入後の差異がそれほど大きくない。

そこで、購入時と購入後で差異が大きかった項目に注目して、見ていくことにしよう。

子育て環境は、購入後には子どもが成長した時のことまで気になる?

まず、①の「子育て環境」を見ていこう。末子が乳幼児ということもあって、「保育園・幼稚園までの距離」(購入時2.09:購入後2.50)や「保育園・幼稚園の評判」(購入時1.88:購入後2.34)などの重視度は高かった。しかし、購入時と購入後で差異が大きい上位3項目は以下の図のようになった。

①教育施設や自治体の制度などの子育て環境の分類で、購入前後で差の大きい上位3項目(出典:あなぶきホームライフのプレスリリースより)

①教育施設や自治体の制度などの子育て環境の分類で、購入前後で差異の大きい上位3項目(出典:あなぶきホームライフのプレスリリースより)

購入してそこに長く住むとなってからは、以前よりも子どもが成長したときのことまで気になってくるのだろう。「放課後の預かり施設までの距離」や「小学校(学区)についての評判」で、購入後の重視度が大きくアップしている。また、「自治体の助成金や支援制度」も、家計や子育てに長く影響するだけに気になる点だ。なお、助成金や支援制度は自治体によってさまざまなので、できれば購入時にしっかり確認しておきたいところだ。

マンションの設備では、子育て家庭ならではのことが気になる!

②「マンションの設備」で重視したことは、TOPの「セキュリティシステム」に次いで、「防音対策された床」、「傷つきにくく汚れが落ちやすいクロス」など、子育て家庭ならではの項目が上位に挙がった。子どもは走り回ったり、泥を持ち込んだり、落書きしたりするので、床や壁は気になるところだろう。

一方で、購入後に最も重視度がアップしたのは、「ノンタッチのオートロックドア解除」だった。乳幼児のいる家庭では、荷物も多く、子どもと手をつなぐ機会も多いため、マンションに出入りする際にオートロックを開錠する手間が軽減されることが、重視されるようになったようだ。次いで重視度が大きくアップしたのは、「指を狭まないように工夫された」『扉』や『窓』だった。暮らしていく中で、子どもの安全に配慮した設備の重要性を再認識したのだろう。

②マンションの設備の分類で、購入前後で差異の大きい上位3項目(出典:あなぶきホームライフのプレスリリースより)

②マンションの設備の分類で、購入前後で差異の大きい上位3項目(出典:あなぶきホームライフのプレスリリースより)

マンションの間取りでは、子どもの居場所が気になる!?

③「マンションの間取り」で重視したことは、多くの調査でも上位に挙がる「収納力」、「キッチンなどの水まわり」、「リビングの広さ」が、ここでも上位になった。一方で、購入後に重視度がアップしたのは、「子ども部屋の広さ」や「子どもの成長に伴う部屋数」だ。

③マンションの間取りについて重視したことは何ですか?の回答一覧(出典:あなぶきホームライフのプレスリリースより)

③マンションの間取りについて重視したことは何ですか?の回答一覧(出典:あなぶきホームライフのプレスリリースより)

乳幼児や小学生の低・中学年までは、親と一緒にリビングなどで過ごすことが多いのだが、それより先は子ども部屋など、子どもが自分で管理する居場所をどうするかが課題になる。マイホームで子どもが成長していくことを考えて、これらの項目の重視度が大きくアップしたのだろう。

あなぶきホームライフによると、「子どもの成長に合わせて間仕切りや部屋の入替えを想定して購入すれば良かった」といった意見もあったという。

こうして見ていくと、子どもが成長していくことも考えると、重視すべきことは数多くあることがわかる。そうはいっても、すべてを満たすマンションはなかなかないので、わが家は何をより重視するかを整理することが大切だ。

さらに、新築マンションを分譲する際に、デベロッパー側は、どういった世帯にこのマンションを買ってほしいかを想定する。都市部の利便性の高い立地なら共働き世帯を想定して、家事効率や収納の充実などの利便性に特徴を持たせる。郊外のマンションなら子育て世帯を想定して、子育てによい設備や間取りを多く採用する。こうした特徴の違いもあるので、マンションを探す際には、いろいろなタイプのマンションを見比べて、見る目を養うことも大切だろう。

●関連サイト
あなぶきホームライフ「乳幼児のいるご家庭にアンケート!マンション購入時と購入後の重視ポイントにはどんな変化があるのでしょうか?」
あなぶきホームライフ 公式サイト

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記事提供元:タビリス