生成AIを用いたFAQ「要約回答」と「回答生成」技術を開発

PR TIMES

2段階の回答で問い合わせ対応業務の品質向上・効率化

株式会社三菱総合研究所(代表取締役社長:籔田健二、以下 MRI)と株式会社PKUTECH(代表取締役社長:劉甚秋、以下 PKUTECH)は、企業内外からのさまざまな問い合わせに対し、既存の「よくある質問(FAQ)」を参考に回答するだけでなく、業務マニュアルや過去の問い合わせログを参照し回答を生成する技術を開発しました。問い合わせに対して、高速に一次回答すると共に、多数の手法を併用した二次回答も作成することで、難しい質問にも的確に回答し、顧客対応の品質・スピード向上を実現します。

1. 背景
ChatGPTに代表される大規模言語モデル(LLM)は、ヘルプデスクやコールセンターなどでの問い合わせに回答する業務に適しており、世界各国で利用されています。LLMを用いて問い合わせに回答するには、RAG(Retrieval Augmented Generation / 検索拡張生成)技術を利用してFAQやマニュアルを検索して回答を生成することが一般的です。
一方で、「(即時に回答する場合)誤った回答をする」「(回答の正確性を追求すると)回答までに時間がかかる」という相反する課題があります。多くの情報を組み合わせた回答の生成や、誤情報を防ぐ生成などの高度な手法には、莫大な処理時間とコストがかかることもわかっています。



2. 技術の概要
MRIとPKUTECHは、上記の課題を解決するため、以下の2つの技術を開発しました。
 1. 既存のFAQに存在する問い合わせに対し、誤情報を防ぎつつ高速に回答する「FAQ要約回答」
 2. 既存のFAQにない問い合わせに対し、時間をかけて高精度な回答を生成する「FAQ自動生成」
いずれの技術も有効性は確認済みで、現在、特許出願中です。


1.と2.を組み合わせることで、以下の動作を実現できます。
 ● 1.を用いて即時に一次回答として有用な情報、または既存FAQにないことを回答
 ● 2.を用いて業務マニュアルや過去の応答ログを参照し、より詳細で正確な二次回答を提示
 ● 業務マニュアル等を参照しても回答できない場合、システム開発部署などに専門的調査を依頼

                    図1 動作の概要
[画像1: https://prtimes.jp/i/50210/110/resize/d50210-110-8af40c20870cf35c5d09-0.png ]

検証の結果、既存のFAQを参照して回答可能な問い合わせには8割以上、複数のFAQの組み合わせや業務マニュアル等を参照する問い合わせには約6割で、実用レベルの回答ができることが確認できました。

                 図2 問い合わせ種別による回答精度
[画像2: https://prtimes.jp/i/50210/110/resize/d50210-110-24d2ae1b89dffdefb627-1.png ]

本システムの動作はヘルプデスクやコールセンターで行われている業務フローに近いため、違和感なく導入でき、顧客対応の品質・スピード向上、業務効率化が期待できます。また、システム更新時などのFAQ新規作成や更新も自動化され業務負荷が軽減されます。そのほか、社内文書を活用した文書生成や規制対応のように、過去の仕様書や議事録を参照し専門的知識のもと回答する業務での活用が考えられます。



3. 今後の予定
【MRI】
本取り組みは、MRIの生成AIソリューション開発コンセプト「ララサポ」(https://www.mri.co.jp/service/large-language-model-support.html)の一環として行いました。「ララサポ」では、生成AIを活用することにより知識・経験に基づくナレッジワークや顧客接点を革新することを目指し、MRI自身の業務改革や連携先企業との協業を通じて技術開発を進めています。問い合わせ回答とFAQ自動生成以外にも、報告書などの社内文書生成、自由記述アンケートの自動分析や意見集約、営業活動のための提案書生成ソリューションを開発しており、今後も技術開発の成果を順次リリースしていきます。

               図3 匠AI、ララサポと本取り組みの関係
[画像3: https://prtimes.jp/i/50210/110/resize/d50210-110-26efd676c2ecb4136b04-2.png ]

【PKUTECH】
PKUTECHの主力分野である「AI/データ分析事業」では、独自開発による最適AIモデルを軸に、お客さまの課題解決に向けたAIサービスを幅広く提供しております。本取り組みでは、各種問い合わせに対する精度の高い回答が確認できており、お客さまの多様な現場での機能発揮を目指し、さらなる高度化に取り組んでまいります。
PKUTECHでは、アンケートやコールセンターに寄せられるお客さまの声を分析する「Egeria/Covos」、音声解析による感情分析を行う「Egeria/Cemodia」などの独自AIモデルを展開しております。今後も生成AIや関連技術の応用なども含め、お客さまの戦略をサポートする多様なAIサービスを開発してまいります。


MRIとPKUTECHは今後も連携し、共同研究をさらに深めていきます。



■株式会社三菱総合研究所 概要
1. 名称:株式会社三菱総合研究所
2. 本社所在地:東京都千代田区永田町二丁目10番3号
3. 代表者の役職・氏名:代表取締役社長 籔田健二
4. 事業内容:シンクタンク・コンサルティングサービス、ITサービス
5. 資本金:63億3,624万円
6. 設立:1970年5月


■株式会社PKUTECH 概要
1. 名称:株式会社PKUTECH
2. 本社所在地:東京都千代田区神田西福田町3番地 RBM神田ビル7階
3. 代表者の役職・氏名:代表取締役社長 劉 甚秋
4. 事業内容:AI・データ分析、マルチクラウド基盤とセキュリティ、ローコード開発プラットフォーム
5. 資本金:9,750万円
6. 設立:2007年2月



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本件に関するお問い合わせ先
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株式会社三菱総合研究所
【サービスに関するお問い合わせ】
  生成AIラボ 高橋   E-mail:s.taka@mri.co.jp
  「ララサポ」事務局 谷口、小野   E-mail:lalasapo@ml.mri.co.jp
【報道機関からのお問い合わせ】
  グループ広報部   E-mail:media@mri.co.jp
株式会社PKUTECH
【サービスに関するお問い合わせ】
  営業本部 築地    電話:03-3526-7778  E-mail:faq_gai@pkutech.co.jp

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記事提供元:タビリス