ニコニコ動画の祭典「ニコニコ超会議2025」、過去最高の13万人超が来場 企業も参加 ITイベントレポート:TIDE&WAVE

ジョルダンニュース編集部

小林幸子さん降臨で盛り上げる“エンタの祭典”にとどまらず、新たな技術や文化に触れる機会を提供する場へ変貌中~

2025年4月26、27日の両日、千葉市の幕張メッセで開かれた「ニコニコ超会議2025」は、13万2,657人の来場者を集め、昨年の12万5,362人を上回り過去最高の動員数を記録した。ネット発の多様な文化が融合するこの巨大イベントは、今年も大盛況だった。

ニコニコ超会議の会場前に飾られた看板

例年は幕張メッセのホール1~11を会場として使用していたが、今年はホール9~11で最新ゲーム機「Nintendo Switch 2」の体験会が開催された関係で会場規模は縮小されたものの、熱気は例年にも増して高かったと言えるだろう。

今年のテーマは「まざろ」。人と人とが繋がり、新たなコミュニティが生まれる場を目指し、会場中央にはシンボルとなる「超ネオやぐら」が設置された。来場者はボカロ曲やアニソンに合わせて踊る新企画「超ニコニコ盆踊り」などで交流を深め、ニコニコ動画ならではの熱狂的な一体感を生み出した。

「超ネオやぐら」は盛り上がりの中心だった

恒例の「歌ってみた」「踊ってみた」ステージは、今年も多くのファンを魅了した。パフォーマンスのクオリティは年々向上しており、もはやプロ顔負けの表現力を持つユーザーも少なくない。その中でも、ひときわ注目を集めたのは小林幸子さんだ。昨年、“ギャル”姿で大きな話題を呼んだ小林さんは、今年はニコニコ超会議の“ネ申”、 “サチネ申さま”に扮した煌びやかな新コスチュームで降臨。絶大な人気を誇るボカロ曲「千本桜」などを熱唱し、会場を熱狂の渦に巻き込んだ。

企業の出展も、ニコニコ超会議の盛り上がりに大きく貢献した。三井化学は4年連続で「超アリエナイ理科ノ実験」ブースを出展した。科学の面白さを体感できる展示や実験を通して、来場者に科学技術への興味関心を喚起した。人気YouTuber「薬理凶室」とのコラボステージは、特に大きな注目を集めた。白衣を身にまとったメンバーたちが、ユーモアを交えながら様々な科学実験を披露した。また、三井化学が開発する様々な素材に触れられる体験コーナーも設置。社員らが「未来の素材」を紹介した。ブース全体が「祭」をテーマに装飾され、視覚的にも楽しめる空間となっていた。

日本精工は3年連続で「超ニコ四駆」に協賛。魔改造を施したミニ四駆がコースを疾走するエキサイティングなレースは、今年も多くの観客を魅了した。予選を勝ち抜いた「選手」が集結し、白熱したレースを繰り広げた。また、新たに企業対抗戦「ルール無用JCJCアスレチック」も開催。各企業が創意工夫を凝らしたマシンで競い合い、技術力とチームワークが試される新たな競技として注目を集めた。日本精工は、この協賛を通じて、若年層のものづくりへの関心を高めるとともに、自社製品であるベアリングの重要性や面白さをアピールすることに成功した。

日本精工が協賛した「超ニコ四駆」会場

太陽誘電は、電動アシスト自転車向け回生システム「FEREMO™」の展示で注目を集めた。来場者は、実際に試乗車に試乗し、1回の充電で最大1000km走行可能という驚異的な性能を体感。ブレーキ時や惰性走行時に発電し、バッテリーに充電する回生システムの仕組みを理解することができた。また、消費カロリーと発電量がリアルタイムで表示されることで、楽しみながら省エネルギーについて学ぶこともできた。太陽誘電は、この展示を通じて、環境問題への意識向上と自社技術のPRを両立させたと言えるだろう。さらに、「超歌ってみた」ステージへの協賛も実施した。

太陽誘電の電動アシスト自転車向け回生システム「FEREMO™

スキマバイトサービス「タイミー」を提供するタイミーは、会場内でのスキマバイト企画「超スキマ勇者 Powerd by タイミー」を実施した。楽しみながら働ける企画で、本企画限定の特別ユニフォームを着用し、会場内で1時間、タイミーを宣伝する仕事だ。時給は1500円だった。タイミーが特許を取得しているNFC出退勤システム「タッチでチェックインアウト」でスムーズに出退勤できた。

スキマバイト企画「超スキマ勇者 Powerd by タイミー」の出退勤ブース

デンソーは創業75年目をアピールした。同社が開発したQRコードなどを使った「もっとデンソーのことが知りたくなる」お祭りという触れ込みで、巨大なQRコードご神体前で記念撮影ができたり、おみくじをもらえたりした。

QRコードで飾られたデンソーのブース(一部プライバシーに配慮して加工しています)

これらの企業の取り組みは、ニコニコ超会議という場を単なるエンターテイメントの祭典にとどまらず、新たな技術や文化に触れる機会を提供する場へと昇華させていたと言えるだろう。さらには、採用のきっかけともなっているようだ。

ジョルダンニュース編集部

記事提供元:タビリス