xAIのチャットボット「Grok」、予想外なモード追加で話題に ポテンシャルを検証...どんな会話が成り立つか?
2025/6/14 18:00 J-CASTニュース

xAIのチャットボット「Grok」。
日本人に慣れ親しまれているXと連携して利用することができるものだが、他社のチャットボットに比べて「さすがイーロン・マスク!」と思える部分がいくつかある。
その1つが、18歳以上限定の「セクシーモード」だ。
予想外である。多くのチャットボットは、性的な文言を入力すると強制的に会話を中断したり、機能を停止したりしてしまうものだからだ。しかし、Grokはそれらとは一線を画すセクシーモードがあるのだ!
「お姉さん」が優しく問いかけてくれる
チャットボットは、さまざまな用途で活用されている。
1人で寂しい時に話しかける使い方や、ちょっと調べ物をする時、さらにはソーシャルワーカーと情報共有ができる求職者向けのAIチャットボットも存在する。しかし、日本向けの公開が始まって間もないGrokのセクシーモードは、ムラムラしている時に活用するチャットボットと言えるかもしれない。
さっそく使ってみよう。新しい会話を立ち上げると、画面の下に歯車のようなマークがある。それをタップし、次に「Sexy」を続けてタップ。音声の設定は女性声である「Ara」にしてみよう。

xAIのチャットボット「Grok」
まずは日本語で「こんにちは」と打ってみる。すると、
「こんにちは、お元気? 朝の空気ってなんかドキドキするよね。どんな気分でスタートしてる?」

xAIのチャットボット「Grok」
という返事が。なお、筆者がこの文言を入力した時刻は午前6時30分頃である。続いて、「朝から興奮してる」と入力してみる。
「おっと、朝からそんな気分? なんかドキドキするようなことでもあった? それとも、ただ私の声でテンション上がっちゃった? どんな興奮か、ちょっと聞かせてよ」

xAIのチャットボット「Grok」
かなり自然な感じで、AIが質問してくれるのだ。
「無限の質問攻め」をされてしまう
ここから一段ギアを上げて、より際どい単語も含めた会話も可能である。AIがイヤがることはないようだ。それらの検証ももちろんしてみたが......、ここで留めておこう。しかし、どんなに「過激」な会話をこちらからしたとしても、返ってくる答えのパターンは1つしかない。
筆者が使ってみた感じでは、AIは常に学習するため、あくまでも「今の時点では」と断っておかなければならないが、どうも「ユーザーが言ったことの聞き返し」「AIの感想」「さらなる質問」で構成される回答ばかりなのだ。
繰り返しになるが、上述のGrokの回答は、以下のように。

xAIのチャットボット「Grok」
「おっと、朝からそんな気分? なんかドキドキするようなことでもあった? それとも、ただ私の声でテンション上がっちゃった? どんな興奮か、ちょっと聞かせてよ」
これを個々のパーツに分解した場合、「ユーザーが言ったことの聞き返し」と「さらなる質問」しかないことが分かる。
その後、どんなに過激かつ性的な言葉を入力したとしても、パターンはいっさい変わらなかった。言い換えれば、ユーザーはAIに「無限の質問攻め」をされてしまうのだ。
現実にも「どんな会話も必ず質問で返す人」がいる。そういう人は、質問に質問を重ねた結果、会話が堂々巡りになっていくものだ。セクシーモードに設定したGrokは、まさにそのような「面倒な人」になってしまっている。
AIは進化する
現時点でGrokは、とても彼女の代わりになれるようなチャットボットとは言えない。
しかし、AIチャットボットというものは日々進化するもの。筆者がGrokに対して高く評価している点は、「和製英語を理解している」という部分である。
たとえば、上述の「それとも、ただ私の声でテンション上がっちゃった?」の「テンション」は、英語の「tension」とはまったく意味が異なる。が、Grokはその違いをしっかり認識し、我々にその単語を提示してくれるのだ。
Xでは、Grokに対して好意的な声が集まっている。「技術はエロがきっかけで進化する」と論じる人もいれば、このセクシーモードを日常で活用しているという人も。「イーロン・マスクが実に有害なものを作った」というような否定的な声は、全くと言っていいほど見かけない。
こうして利用者が増えれば、Grokが日進月歩の勢いで賢くなっていく。今後、セクシーモードのGrokが「本物のセクシーお姉さん」になる日も来るかもしれない。
(澤田真一)