SUBARUやマツダはほぼ毎年、トヨタも車種によっては 自動車メーカーの「マイナーチェンジ」注目すべき点

J-CASTニュース

   自動車メーカーは一般的に7~8年ごとにフルモデルチェンジを行う。かつては4~5年ごとだったが、近年はライフサイクルが伸びている。そこで少なくても2~3年に一度、マイナーチェンジを行うことが多い。ユーザーはどこに注目すればよいのか。

現行のトヨタGR86とスバルBRZは毎年「年改」

   ほぼ毎年、「年次改良」(年改=ネンカイ)と呼ぶマイナーチェンジを行うメーカーもある。SUBARU(スバル)やマツダなどがそうだ。トヨタ自動車や日産自動車も車種によっては年改を行っている。

   例えば、トヨタとスバルが共同開発し、2021年4月に発表した現行のトヨタGR86とスバルBRZは毎年、年改を行っている。直近では24年7月の年改でD型となった。2025年夏にはE型となる予定だ。

   4年目でD型となったGR86とBRZの年改は、「ダンパー減衰力特性の変更」や「電動パワーステアリングのアシスト特性の変更」など、マイナーチェンジとしては大掛かりなものだった。

   2024年で発売から4年となり、昔であればフルモデルチェンジのタイミングなので、市場のニーズに合わせ、大幅に手を加えたのだろう。現行のGR86とBRZがいつまで続くかわからないが、一般にA~C型を前期、D型以降を後期と呼ぶことが多い。

「走り」の中身がガラッと変わることも

   マイナーチェンジはフルモデルチェンジと異なり、基本的なスタイルは変わらない。しかし、「走り」の中身がガラッと変わり、驚くことも多い。料理に例えるなら、食材は同じでも、スープのうまみが増し、味付けも濃くなる感じだ。

   年改などのマイナーチェンジでクルマの性能が向上するのは嬉しいが、年改前のモデルを買ったユーザーを失望させることになる。そこで最近は、メーカーが年改の部品やソフトを別売りで販売することもある。

   スバルはD型BRZのトランスミッションの特性を変え、マニュアルミッションには新たに「スポーツモード」を設けた。オートマチックのプログラムも変更した。

   そこで、この年改と同じチューニングをA~C型のオーナーに提供する「スバルスポーツドライブe-Tune」と称したサービスをスバルは始めた。クルマをディーラーに待ち込めば、数万円の料金でプログラムをアップデイトできる。

中古車市場の価格が上がる車も

   一般的にフルモデルチェンジでクルマの性能は向上するが、生産開始直後は不具合が出て、リコールとなることもある。年改のようなマイナーチェンジで不具合を解消しながらユーザーの要望を取り入れ、そのクルマの完成度を高めることになる。

   ある意味ではモデル末期のクルマの方が、目新しさはないが、機能的にハズレはないともいえる。日産GT-Rのように、年改のたびに改良が進み、中古車市場の価格が上がるものもある。

   新車を購入するなら、フルモデルチェンジに飛びつくよりも、年改などのマイナーチェンジを待った方が得策かもしれない。中古車を選ぶ場合も同様だ。フルモデルチェンジ直後のクルマよりも、むしろモデル末期の方が安心感は高いだろう。

(ジャーナリスト 岩城諒)

記事提供元:タビリス