「力作」ー『労を多とする』の中身とは 【現代「要」語の基礎知識(2)】「癒し」「前向き」「即効性」で計算して書くのが今風だが

ゾルゲかわはら (ジャーナリスト)(News Socra)

 「力作」と言われて心底うれしいと思えたとしたら、相当おめでたい人だろう。なぜなら、いまの時代、これは誉め言葉ではない。どう褒めていいか分からない出版物の著者に向けて多用される慰めの言葉である。 乾坤一擲の著作に対し、あちこちでそう言われてきた筆者はしみじみそう感じる。ちなみに、これに近い語感があるのが「労作」。いずれも「努力は多とするが・・・」の「・・・」という言外のニュアンスの方にアクセント…