素材技術で世界へ IVS2025 LAUNCHPAD、アドバンスコンポジット(静岡)が優勝 ITイベントレポート:TIDE&WAVE
2025/7/7 18:21 ジョルダンニュース編集部

金属基複合材料の設計と製法は世界トップクラスの溶湯鍛造技術。「地方の小さな工場からでも世界を目指せることを証明したい」
アーリーステージのスタートアップ企業が事業プランを競うピッチイベント「IVS2025 LAUNCHPAD(ローンチパッド)」が7月3日、京都市内で開催された。国内外から350社以上の応募があり、決勝に残ったファイナリスト15社が熱のこもったプレゼンテーションを繰り広げた。栄えあるスタートアップ京都国際賞(優勝に相当)に輝いたのは、アドバンスコンポジット(静岡県富士市、服部淳一代表取締役社長)だった。

優勝したアドバンスコンポジットは、社長秘書というAKIYOSHI氏が、決勝の舞台で顔を明かさずにプレゼンテーションを実施するという異例の展開。素材の重さを測る「測り」を用いた演出や、観客参加型のクイズなどを交え、難解な技術を分かりやすく、かつエンターテインメント性あふれる形で表現した。この独創的なプレゼンテーションは、会場を大いに沸かせ、多くの観客を魅了した。
AKIYOSHI氏は受賞について、「大変名誉ある賞をいただき、とても嬉しい。レベルの高い競争の中で優勝できたことを光栄に思う」と喜びを語った。同氏は、日本のものづくり、特に素材分野は世界に誇るべき強みであるとしつつも、その技術の価値を理解してもらう難しさを感じていたという。今回の受賞を機に、地方の小さな工場からでも世界を目指せることを証明したいと抱負を述べた。「今回の受賞はゴールではなく、ユニコーンやデカコーンの先にある、さらに大きな目標への新たなスタートです。日本のものづくりの力を世界に示す」と意気込んだ。

IVS LAUNCHPADは、国内最大級の規模と歴史を誇るピッチイベントとして、多くの成長企業を輩出してきた。開催地は3年前から国際的な観光都市である京都となっている。優勝企業には最大1,000万円が授与される「スタートアップ京都国際賞」が用意された。
今年の応募企業数は350社を超え、海外企業の比率はおよそ15%。世界中から熱い視線が注がれる中、予選を勝ち抜いた15社が、6分間の持ち時間で自社のプロダクトやサービス、そして起業家としての情熱をアピールした。
今回は、漫画『インベスターZ』の作者である三田紀房氏も特別審査員として参加した。
インベスターZ賞には、合同会社CGOドットコム(東京・渋谷)が選ばれた。「ギャルマインドが会議を変える。ギャルマインドが発想を変える。『ギャル式ブレスト®︎』」で知られる。事業内容や登壇者が、漫画で取り上げられる予定だという。
IVS2025 LAUNCHPADは、未来を担うスタートアップ企業にとって飛躍の場となるだけでなく、日本のイノベーションを加速させる重要な役割を担っている。観客席には、大企業の新規事業担当者や投資担当者の顔が多く見受けられた。ローンチパッド終了後、アドバンスコンポジットだけでなく、今回登壇したスタートアップ企業には多くの名刺交換の列ができていた。今後の活躍に期待が高まる。
※写真は主催者提供
ジョルダンニュース編集部