カミュが描く「擬人化されたペスト」 その二重の現代性 【エンタメ前線(43)・ウィズコロナ】「戒厳令」「検察側の証人」「ムサシ」、映画「空白」

河野 孝:エンタメ前線 (文化ジャーナリスト・演劇評論家、元日経新聞編集委員)(News Socra)

■「戒厳令」(俳優座5F稽古場、9月19日まで、☆☆☆☆★ 見応えあり) 劇団俳優座がフランスの実存主義作家アルベール・カミュ原作の「戒厳令」を上演している。 俳優座がカミュの舞台を上演するのは今年1月の「正義の人びと」以来だ。中村まり子の翻訳を用い、眞鍋卓嗣の構成・演出。 「戒厳令」は第二次世界大戦後の混沌とした時代に30代半ばのカミュが書いた長編意欲作だ。 小説「ペスト」が発表された翌年の1948年10月…