製造業の新入社員は「今の会社で働き続けたい」が7割超え 安定志向、貢献意欲は高く、成長意欲は低め

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【新入社員意識調査】製造業編

累計13,000社350万人以上に人材育成サービスを提供する株式会社ラーニングエージェンシー(旧トーマツ イノベーション株式会社、本社 東京都千代田区、代表取締役社長 眞崎大輔)および人と組織の未来創りに関する調査・研究を行うラーニングイノベーション総合研究所では、2022年3月31日~5月13日の期間、2022年入社の新入社員4,659人を対象に、働くことに関する価値観の調査「新入社員意識調査」を行いました。今回は製造業に入社した新入社員の結果をピックアップし、公表いたします。
全業種の新入社員の結果である全体編(速報値版)はこちら (https://www.learningagency.co.jp/topics/20220422)情報通信業の新入社員の結果である情報通信業編はこちら(https://www.learningagency.co.jp/topics/20220630)をご覧ください。

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調査結果の概要
1. 「今の会社で長く働き続けたい」割合が他業種よりも15ポイント以上高く7割超
2. 他業種よりも「安定した生活」を求める割合が高く、家族や社会への貢献意識も高い傾向
3. スキルアップに取り組んでいる人が少なく、「成長」への関心度が低い傾向

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調査結果の詳細
1. 「今の会社で長く働き続けたい」割合が他業種よりも15ポイント以上高く7割超
はじめに、製造業の新入社員に「今の会社で働き続けたいですか」と尋ねたところ、73.8%が「できれば今の会社で働き続けたい」と回答し、製造業を除く全業種(以下、『他業種』と記載)よりも16.3ポイント高い結果となりました。一方、「そのうち転職したい(7.3%)」と回答した割合は、他業種に比べて9.5ポイント低い結果となり、製造業の新入社員は他業種に比べ、ひとつの会社で長く働くことを求める傾向が見られました。(図1)

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2.他業種よりも「安定した生活」を求める割合が高く、家族や社会への貢献意識も高い傾向
次に「どのような状況であれば今の会社で働き続けたいと思いますか」と尋ねたところ、1位は「職場の人間関係が良い(70.8%)」、2位「高い給与・賞与をもらえる(55.4%)」、3位「仕事を通じて成長できる(33.6%)」、4位「業績が安定している(33.4%)」でした。
いずれも他業種と同じ順位でしたが、「職場の人間関係が良い」は5.6ポイント、「業績が安定している」は7.2ポイント高い結果に。一方3位の「仕事を通じて成長できる」は8.0ポイント低くなり、最大の差となりました。(図2)

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次に、「仕事を通して何を成し遂げたいですか?」という質問では、1位「安定した生活を送りたい(66.0%)」、2位「自分を成長させたい(55.8%)」、3位「家族に恩返しをしたい(52.9%)」、4位「社会に貢献したい(36.7%)」と、こちらも他業種と同じ順位でした。
各割合を見てみると、「安定した生活を送りたい」は他業種よりも3.0ポイント高く、「家族に恩返しをしたい(52.9%)」「社会に貢献したい(36.7%)」はそれぞれ5.2ポイント、5.3ポイント高い結果となりました。一方、「自分を成長させたい」は5.9ポイント低い結果でした。(図3)

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3.スキルアップに取り組んでいる人が少なく、「成長」への関心度が低い傾向
社会人としてスキルアップするために、すでに取り組んでいることはありますか」という質問では、製造業の新入社員は「特に何もしていない」と回答した割合が34.3%で、他業種より7.7ポイント高くなりました。他業種で1位となった「インターネット等で提供されるサービスを使って勉強している(16.9%)」は製造業では4位となり、10.3ポイント低い結果でした。他にも「ビジネス本を読んでいる(16.3%)」「専門学校/通信教育で資格等の取得に向けた勉強をしている(5.4%)」はそれぞれ6.3ポイント、6.0ポイント低い結果となりました。(図4)

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最後に「今後どのような仕事をしていきたいですか」と複数回答で尋ねたところ、1位の「楽しくてやりがいのある仕事(74.8%)」が7割を超える結果となりました。これは、他業種も同様に高い結果となり、新入社員の特徴と言えるでしょう。続く2位、3位は「自身の成長につながる仕事(50.1%)」「楽しく取り組める仕事(44.5%)」となりました。

他業種と比較すると、1位の「楽しくてやりがいのある仕事(74.8)」は2.1ポイント、3位の「楽しく取り組める仕事(44.5%)」は3.8ポイント高い結果に。その他「安定的に給与が得られる仕事(33.9%)」「緻密さ・正確さが求められる仕事(13.7%)」はそれぞれ2.2ポイント、5.1ポイント高い結果となりました。2位の「自身の成長につながる仕事(50.1%)」は5.9ポイント他業種よりも低く、最も差が出る項目でした。(図5)

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まとめ

今回のレポートでは、2022年入社の製造業の新入社員が仕事に対してどのような価値観を持っているのかが明らかになりました。大きな特徴として挙げられるのは、ひとつの会社で長く働くことを求めている人が7割を超えたことです。他業種と比較すると15ポイント以上の差が出ました。

また、業績の安定や仕事を通して安定した生活を求める割合が他業種よりも高く、「安定志向」も製造業の新入社員を特徴づける一つのキーワードと言えます。その他にも、社会貢献や家族への恩返しをしたいといった貢献意欲の高さも見受けられました。日本のモノづくり産業の基盤を築きあげてきた製造業に対し「安定」をイメージしていること、また、自分の関わった製品が社会の様々なシーンで重要な支えになっているなど、社会貢献を身近に感じやすいことが関わっているのではないでしょうか。

目まぐるしく環境が変化する昨今、企業が抱える課題は多様化・複雑化しており、製造業も例外ではありません。労働年齢人口の減少に起因する現場ノウハウの継承の難しさや設備の老朽化。また、製品が複雑化する中、製造現場のノウハウだけでは高い品質を維持することが難しくなってきています。こうした環境変化に適応し、生き残っていくためには、やはり社員の成長が欠かせません。

安定志向で貢献意欲が高い製造業の新入社員ですが、今回の結果では成長への関心度は低い傾向が見られます。彼らの真面目な姿勢に応えつつ、上司や先輩がしっかり寄り添いながら、成長への意欲をより高められるよう導いていけるとよいでしょう。

PDF版はこちら https://www.learningagency.co.jp/download/all/news_20220712.pdf

調査概要

[表1: https://prtimes.jp/data/corp/5749/table/89_1_9e11ad8b8603b4806f11ea62beb609a8.jpg ]


*本調査を引用される際は【ラーニングエージェンシー「新入社員意識調査(製造業編)】と明記ください
*各設問において読み取り時にエラーおよびブランクと判断されたものは、欠損データとして分析の対象外としています
*構成比などの数値は小数点以下第二位を四捨五入しているため、合計値が100%とならない場合がございます


[表2: https://prtimes.jp/data/corp/5749/table/89_2_80aceae2bc54129fa2e9e6a952504052.jpg ]

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記事提供元:タビリス